「何か良い投資信託はありませんか?」「この投資信託、どう思いますか?」筆者は昔からそのような質問をよく受ける。或いは「投資を始めようと思うんだけど、何から始めたら良いですか?」と聞かれることも多い。誰だって初めて何かをする時は専門家の意見やアドバイスを受けたくなるのが人情だ。失敗はしたく無いし、可能な限りベストな結果を出したいと思うのは当然だ。

そんな時、筆者はまず「何故ですか?」と必ず聞き返すことにしている。「なぜ、投資信託を探しているのか?」「なぜ、その投資信託を検討しているのか?」或いは「なぜ、投資を始めようと思ったのか?」といった感じで問い掛けるようにしている。

意外に思われるかも知れないが、実はこうした聞き返しに対して殆どの人が明確な答えを持たれていない。一般的にはまず漠然と「なんか投信でも買ってみるかぁ!」的なところから始まって、銀行や証券会社の無料の資産運用セミナーなどに足を運び、その流れで伝票を書いてしまう。或いは銀行や証券会社の営業マンに「このご資金の使い道はもう決まってらっしゃいますか? こんなご運用は如何ですか?」などと薦められ、何となくその気になってしまうのが投資信託を購入する最初の動機付けのようだ。退職金や相続などでまとまったお金が振り込まれたり、或いは賞与などでも普段とは違う単位のお金が手に入ったりすると「何か運用でもしようかな」と余計にそう思うらしい。当然金融機関もそうした好機にはすかさずアプローチを掛けてくる。

「資産運用」と「資産形成」は全くの別物である

投資信託,初心者
(画像=Rhetorica / pixta, ZUU online)

さて、ここで注意しなければならないのは「資産運用」と「資産形成」とは全くの別物という認識を持って、これからしようとすることを検証することだ。前述のような「ある程度まとまった資金(金額の多寡は個々人によって違う)が出来たから考える話」と、「将来の為にまとまったお金を作る話」とでは、どちらも株や債券、或いはデリバティブを使った証券投資を行うという意味では同じだが、本質的に方法論からして違うものだ。前者が「資産運用」であり、後者が「資産形成」だ。

資産形成の話では「NISA」や「つみたてNISA」の話などが当然関わってくるが、資産運用の話では「NISA」でさえもあまり関係ない。勿論受けられる税制メリットは受けるべきだが、この辺りの話をゴチャゴチャにして整理しないままで金融商品、取分け投資信託の話をすると余計な誤解が生じる場合がある。本稿では「資産運用」の話をさせて頂く。