4月から新社会人になられた皆さん、おめでとう。これからは学校に通っていた頃とは違い、「社会の風」という全く経験したことのない風の中を皆さんは歩まれることになる。時に背中を押す追い風もあり、時に前に進むことを阻むような向かい風の時もある。残念ながら予想外に追い風に押されて前に進めるという幸運よりも、予想外の向かい風、時に突風のような向かい風になることのほうが多いかも知れない。でも、学校時代と大きく違うことは自分自身の工夫次第で、たとえ向かい風の中でも「遣り甲斐」を見つけることが出来、そしてそれ相応の果実を得ることが出来るという面白さがあるということだ。その代わり、自ら動かなければ何も得ることは出来ない。だからこそ、自ら進んで正しい情報を掴んで、素晴らしい果実を掴んで欲しい。明るい未来は皆さん自身の肩に掛かっているのだから。

そしてもうひとつ重要なこと、社会には必ず「落とし穴」がある。そして良い人ばかりでは無いということも肝に銘じて欲しい。善人そうな顔をして近づいてくる、或いは善良な顔して親しげな笑みを浮かべていても、その仮面の下には全く別な顔を持っている場合が実は少なくないのが現実だ。その最大の理由は、社会では綺麗ごとだけでは済まされない「稼ぐ」という目的を誰もが背負っているからだ。

新社会人になると色々な形で各種金融機関が近づいてくる!?

投資信託,やり方
(画像= Fast&Slow / pixta, ZUU online)

その最たるところが金融業界とそれを取り巻く世界だ。何故なら、「命の次に大切」と考える人も居る「お金」そのものを扱うのが金融業界だからだ。多くの人がお金をより多く欲しいと考え、より多く殖やしたいと考える。その「欲望」を背景とした需要と供給の上でビジネスが成り立っているのがこの業界だ。幾ら「顧客第一主義」とか、「フィディーシュアリー・デューティー宣言」などと美辞麗句を並べ立てようと、ビジネスとして利益が出せなければ成り立たない資本主義の化身だ。ボランティア精神では成り立っていない。

でもそれでは「夢も希望もない」と諦める必要は全く無い。適正な費用を負担して、「相応な利益」と思える部分を最大化すれば良いのだから。その為には最低限の知識は必要だ。せめて情報の適否を最低限取捨選択出来る程度に自己研鑽は積んだほうが良い。ただ皆さんの世代は大丈夫だ。少なくとも筆者達の世代が「デジタル・イミグランツ」と呼ばれたのに対して、「デジタル・ネイティブ」とも呼ばれる皆さんの世代は情報を取捨選択する術を知っているから。

そんな背景もあり、新社会人になると色々な形で各種金融機関が近づいてくる。銀行、証券会社、保険会社、クレジットカード会社などなどだ。直接アプローチしてくる場合もあれば、上司や知人の紹介という形で近づいてくる場合もある。筆者も新入行員として銀行の支店に配属となったその日に、その後振り返ると信じられないような内容の生命保険に加入させられていた。当時は許されたことなのだが、新入行員ひとりが新規で生命保険に加入すると、その生命保険会社から「協力預金」なるものが見返りとして預けられた。そうした大人の事情は暫くして知ることになり、当然転勤に併せて解約した経験がある。