大半の人とあえて逆の選択をすることで、成功のチャンスをつかむ「逆張り思考(Contrarian Thinking)」。しかし逆張り=「単に世間と真逆のことをすれば成功する」という意味ではありません。逆張り思考をビジネスに効果的に活用するための、3つのポイントをご紹介しましょう。
「オマハの賢人」も活用する逆張り思考
本来逆張りとは、市場が見向きもしない不良株や債券などを安値で買い、高値がついたときに利益を得るという、市場の流れに逆らう投資戦略です。
逆張り戦略で有名な投資家の1人であり、「オマハの賢人」の異名をもつウォーレン・バフェット氏は、「周囲が貪欲になっているときには恐れ、恐れているときには貪欲になること」がお金持ちになる方法だと語っています。
逆張り思考が成功をもたらす理由と、3つのポイント
同様の思考をビジネスの世界で上手く活用することで、成功を手にする可能性が広がります。
逆張りで少数派になるということは、仲間や前例が少ない状況で挑戦に立ち向かう勇気が必要である反面、同じ土俵で競うライバルが少ないため、成功の確率が高くなるという大きなメリットがあります。
ポイント1:固定観念・先入観を新しい発想に転換する
逆張り思考によるビジネス成功例の1つに、ソロ活があります。旅行、焼肉、鍋料理、カラオケなど、既存の「複数で楽しむもの」「1人では楽しめない」という固定観念や先入観を「1人だからこそ誰にも気兼ねせず、自由に楽しめる」という発想に転換することで、ソロ活という新たな領域を開拓しました。
ポイント2:逆張りのための「予習」を怠らない
逆張りでビジネスの成果を出すためには、「どこで何のために逆張りをし、勝算はどのくらいか」について、あらかじめ分析することが重要です。
起業アイデアを探しているとしましょう。あえてまだ注目されていない△△というビジネスを立ち上げた場合、「どのような顧客層からどれだけ需要があるのか」など、事前のデータ収集やマーケティングをしっかりと行いましょう。
ポイント3:範囲を限定して「逆張り疲れ」を防止する
長年「多数派」だった人にとって、逆張り思考への切り替えは容易ではありません。特に慣れないうちは、不安感や猜疑心に悩まされることも多いでしょう。
また「常に人と違うことをしなければ」と過剰に意識していると、プレッシャーとなってストレスが溜まります。
あれもこれもと無理をして逆張りする代わりに、新しいアイデアを思いついた分野や勝算があると確信できる分野に絞り、逆張りの範囲を限定することで、「逆張り疲れ」を防止できるでしょう。
逆張り思考への切り替えは少しずつ
大半の人と同じことをしていては、チャンスはなかなかつかめないかもしれません。いままで無意識に行っていた部分でちょっとした発想の転換を意識してみるなど、少しずつでも逆張り思考への切り替えを目指してみてはいかがでしょうか。
文・Allan
国際コンサル企業などの翻訳業務を経て、ファイナンシャルライターに転身。現在は欧州を基盤に、多数の大手金融メディアで執筆活動中。国際経済から投資、資産運用、FinTech、ビジネス、行動経済学まで、広範囲に渡る「お金の情報」にアンテナを張っている
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