投資初心者にとってもっともむずかしい課題が、銘柄選びと投資額です。大きな投資をして、もし損をしてしまったら…と、失敗することを恐れる人も多いことでしょう。そこで注目したいのが、少額から始められる単元未満株の投資です。当記事では単元未満株の概要、取引ができるネット証券などを紹介します。

目次

  1. 単元未満株とは?
  2. 単元未満株のメリット
  3. 単元未満株のデメリット
  4. 単元未満株が投資できる証券会社は?
  5. まとめ:単元未満株でまずは投資をしてみよう

単元未満株とは?

金融
(画像= cassis/stock.adobe.com)

まずは単元未満株の基本をおさえておきましょう。単元未満株の概要やどんな人に向いているのかについて紹介します。

株式は「単元」ごとに売買されるのが基本

基本的に株式は銘柄ごとに最低売買単位が設定されています。この最低売買単位のことを「1単元」と呼び、1単元に満たないものは「単元未満株」と呼ばれています。

最低売買単位の設定は2001年10月に施行された改正商法によるもので、会社が自由に決めることができ、1単元の株式数は1,000株を超えてはならないと決められました。その後、2018年からは証券取引所の取り組みにより、1単元は100株に統一されています。

単元未満株の例をあげると、1単元100株の株式が株式分割などで102株になったとします。102株のうち100株は1単元なので、通常通り市場で売買可能です。102株のうち2株は単元未満株となるので、発行会社に買い取ってもらうか証券会社を通じての売却となります。単元未満株の株主にも配当金を受け取る権利などがありますが、議決権はありません。

ミニ株、S株、ワン株、プチ株とは?

単元未満株で混同されやすいものが「株式ミニ投資」、いわゆる「ミニ株」です。株式ミニ投資とは、1単元の10分の1単位で株式売買ができる取引方法で、証券会社が有する株式を購入することになるので、1単元となり、所有の名義が変わるまで議決権も株主優待もありません。購入は10分の1単位なので、たとえば100株単位の株式であれば、10株、20株という単位で購入可能です。

ミニ株よりも小さな単位で取引できる単元未満株の取引に、ネット証券を中心に提供されているS株やワン株、プチ株などがあります。これらは購入単位が1株からとなっており、それだけ少額での取引が可能となります。これらの取引サービスを利用した取引の場合は、1株から株主優待のある銘柄の場合、株主優待を得ることもできます。

単元未満株やミニ株はどんな人に向いている?

単元未満株やミニ株の投資が向いているのは、投資初心者や少額から投資の経験を積みたいと考えている人です。

たとえば、株価8万4,220円のA社の株式を1単元(100株)購入しようとすると、840万円ほどの資金が必要になります。投資初心者や投資資金が貯まっていない若年層からすると、A社への投資は難しいでしょう。しかし、取扱銘柄は証券会社によりますが、こういった高額な株式も単元未満株やミニ株であれば投資初心者でも購入しやすいでしょう。

また、投資初心者は株式投資に慣れておらず、はじめから多額の資金で投資してしまうと運用に失敗してしまう恐れがあります。まずは、少額の単元未満株やミニ株で銘柄選定や株価予想の方法など、投資の経験を積み、少しずつ投資額を増やしていくほうが失敗は少ないでしょう。

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単元未満株のメリット

単元未満株に投資するメリットは4つあります。それぞれのメリットについて確認しておきましょう。

単元未満株のメリット1:少額から投資できるため低リスク

単元未満株の最大のメリットは、なんといっても少額から投資できることです。1単元が100株で、株価5千円の株式であれば、本来は50万円の取引のところ、1株5千円から買うことができます。そのため購入しやすいのはもちろん、万一株価が値下がりしたときも投資額が少ないぶん、ダメージは少なくなるでしょう。「購入するには多額の資金が必要」と思っていた人でも気軽に始められます。

さらに、数種類の単元未満株に投資すれば、少ない投資総額でも分散投資ができます。たとえばB社の株式に集中的に投資した人がいるとしましょう。その人はB社の株価が大幅に下落したら、もちろん大きな損失をします。しかし、分散投資していれば万一B社の株式が大幅に下がったとしても、C社やD社の運用の利益次第でB社のマイナス幅を抑えることができます。

単元未満株のメリット2:配当を受け取れる

単元未満株であっても配当金を受け取ることができます。単元未満株の保有株数に応じて計算されるので、「単元未満株は配当金がもらえない」と思っていた人は安心してください。

単元未満株のメリット3:端株優待がある銘柄もある

単元未満株保有者への株主優待を行っている企業もあります。株式ミニ投資ではそのしくみ上、株主優待を得られませんが、そのほかの単元未満株の取引サービスでは、購入した銘柄が1株からの優待を実施していれば、優待を受けられます。株主優待が投資のポイントになる場合は、購入前に企業のホームページなどで株主優待の条件を確認しましょう。

単元未満株のメリット4:積み立て続ければ単元株になることも

単元未満株は、コツコツと積み立てていけば単元株になることもあります。単元未満株の発注は証券会社によって、時間が決められている、後場の始値で約定する、など決まりがあるのが特徴です。しかし、単元株になれば、通常の株式と同じように市場でリアルタイムの株価で売却もできるようになります。もちろん、株主優待や議決権も得ることができます。

単元未満株のデメリット

単元未満株の取引はメリットだけではありません。デメリットもあるので、事前にしっかり理解しておきましょう。

単元未満株のデメリット1:取引手数料がやや高い

株式の売買には手数料がかかります。もちろん単元未満株の取引でも取引手数料が発生しますが、通常の単元株での取引手数料と比べてやや高いことがデメリットといえるでしょう。

たとえば、ある証券会社の現物取引で、1日に何度も取引する人向けのプランを使えば1日の約定代金合計額100万円までは手数料0円です。しかし単元未満株の取引では、取引手数料が約定代金×0.5%で計算され、50円の最低手数料がかかるのです。

単元未満株のデメリット2:指値できない

株式の売買の際には、指値や成行といった注文方法があり、単元株での取引ではどちらも選択可能です。指値とは簡単にいうと具体的な価格を指定して売買する方法で、成行はその時点の価格で買う(売る)注文をいいます。指値の際には、売買価格に上限と下限があるので注意しましょう。

一方で単元未満株の売買は、成行注文となるので指値はできません。また、どの証券会社でも各社が決めた時間に発注します。たとえば、0時から7時までに発注した注文は当日の前場始値で約定するといったように、いくらで売買が成立するのかわからないのが特徴です。そのため、自分が想定していたよりも高い価格で購入したり、安い価格での売却になったりする可能性もあります。

単元未満株のデメリット3:一部の銘柄は単元未満株で取引できない

単元未満株は、証券会社が取り扱っている銘柄でないと取引できません。そのため、A社で取り扱いできる銘柄であっても、B社では取引できない場合があります。また、売買できるものと、売却のみできる銘柄もあるので注意が必要です。

単元未満株が投資できる証券会社は?

最後に、単元未満株の投資ができる証券会社を紹介します。各社の特徴や取引手数料の違いなど詳しく紹介しますので、単元未満株の取引を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

SBI証券

名称 手数料 取扱銘柄 NISA対応
S株 約定代金×0.5%(税抜)、最低手数料50円(税抜) <売買可>
・東証(1部、2部、マザーズ、JASDAQ)上場銘柄
<売却のみ可>
・名証(1部、2部、セントレックス)、福証(Q-Board含む)、札証(アンビシャス含む)上場銘柄

SBI証券が取り扱うS株は、24時間365日いつでも注文できます。また、注文時間によって約定価格が違うのが特徴です。その日に買った株式をその日のうちに売却する「日計り取引」もできます。

マネックス証券

名称 手数料 取扱銘柄 NISA対応
ワン株 無料(0円) <売買可>
・東証上場銘柄(マザーズ、JASDAQ含む)、名証上場銘柄(セントレックス含む)
<売却のみ可>
・福証上場銘柄
・札証上場銘柄

マネックス証券では「ワン株取引ランキング」を公表しており、ほかの人の動向を見ながら取引ができるのが特徴です。基本的に発注したものはすべて約定します。SNS型投資アプリ「ferci(フェルシー)」でもワン株の取引が可能です。

auカブコム証券

名称 手数料 取扱銘柄 NISA対応
プチ株 約定代金の0.5%、最低手数料52円(税込) <売買可>
・東証上場銘柄(マザーズ、JASDAQ含む)、名証上場銘柄(セントレックス含む)
<売却のみ可>
・福証上場銘柄(Q-Board含む)
・札証上場銘柄(アンビシャス含む)

auカブコム証券のプチ株には「プレミアム積立」という商品があり、毎月500円以上1円単位で積立ができます。プレミアム積立なら、積立買付手数料は無料です。また、信用取引や外国為替証拠金取引の保証金や証拠金の代用証券としても利用できます。

岡三オンライン証券

名称 手数料 取扱銘柄 NISA対応
単元未満株 <1注文の約定代金>
・~2万円:200円
・~3万円:300円
・~10万円:600円
・以降10万円ごとに:600円ずつ増(いずれも税抜)
<売買可>
・東証上場銘柄(マザーズ、JASDAQ含む)、名証上場銘柄(セントレックス含む)
<売却のみ可>
・福証上場銘柄(Q-Board含む)
・札証上場銘柄(アンビシャス含む)

岡三オンライン証券の単元未満株取引はWebサイト限定のサービスで、注文時間によって約定のタイミングが異なります。また、単元未満株が単元株になった場合は、自動的に単元株としての預かりになるので手続きも簡単です。

SBIネオモバイル証券

名称 手数料 取扱銘柄 NISA対応
S株 ・取引手数料はないが、月額のサービス利用料あり
<月間約定代金別サービス利用料(すべて税込)>
・0円~50万円以下:220円
・50万円~300万円以下:1,100円
・300万円~500万円以下:3,300円
・500万円~1,000万円以下:5,500円
・以下、100万円ごとに1,100円が加算
<売買可> ・東証(1部、2部、マザーズ、JASDAQ)上場銘柄
<売却のみ可>
・名証(1部、2部、セントレックス)、福証(Q-Board含む)、札証(アンビシャス含む)上場銘柄
×

SBIネオモバイル証券は現金での購入はもちろん、Tポイントを使って株式を買える日本ではじめての証券会社です。Tポイントは1ポイント1円相当で利用することができます。新規公開株であるIPOに1株から申し込みできるのが特徴です。そのほかには、100円から設定できる株の定期買付サービスもあります。

日興フロッギー

名称 手数料 取扱銘柄 NISA対応
キンカブ 手数料はスプレッドとして売買時の単価で調整
<買い>
・100万円以下:0%
・100万円超:1.0%
<売り>
・100万円以下:0.5%
・100万円超:1.0%
・東証(1部、2部、マザーズ、JASDAQ)上場銘柄
・ETF、REIT
上記2つのうちSMBC日興証券が選定する銘柄(3,760銘柄:2020年1月時点)

日興フロッギーの特徴は、企業紹介の記事を読んで、学びながら株式購入できる新しい投資スタイルです。100円から金額指定で購入でき、dポイントを利用して株式を購入することも可能です。さまざまなコンテンツがあるので、株式投資について学ぶだけでも使える記事が多いでしょう。

LINE証券

名称 手数料 取扱銘柄 NISA対応
いちかぶ ・取引手数料は無料だが取引コストとしてスプレッドをのせる方式
・銘柄や取引時間ごとにスプレッドが異なるので都度確認が必要
LINE証券のいちがぶ対象銘柄より確認(スケジュールによって、取扱終了となったり新規追加になったりする) ×

LINE証券のいちかぶは平日21時まで取引でき、取引時間内であれば、リアルタイム注文・約定ができます。このようなリアルタイム取引ができるのはLINE証券だけです。投資初心者も安心して取引できるように、AIチャットでサポートしてくれます。

まとめ:単元未満株でまずは投資をしてみよう

投資を始めようと考えたときにネックになるのが資金です。多くの資金を使えば、運用が成功したときの受け取り金額は増えます。しかし、貯蓄額が少ないのに多くの資産を投資に使ってしまうと、万一資金が必要になったときに資金繰りに困るでしょう。さらに、運用に失敗してしまうと手元に残る現金が少なくなる可能性もあります。

その点、単元未満株の取引は少額から始められるので投資初心者におすすめです。ただ、取引手数料が通常の株式取引手数料よりもやや高い傾向にあったり、指値ができなかったりと、いくつかデメリットもあります。さまざまな証券会社で単元未満株の取引ができるようになっているので、自分に合った証券会社を見つけて取引するといいでしょう。

文・山村望愛

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