7月26日、カー用品チェーン大手のイエローハット <9882> の株価が一時2115円まで買われ、年初来の高値を更新した。今年1月4日の安値1645円から7カ月余りで28.6%の上昇である。後段で述べる通り、新型コロナ禍で中古車・バイクの需要が拡大、カー用品市場も活況を呈する中で株式市場でもイエローハットを選好するムードが広がっているようだ。イエローハットは2021年3月期決算で2度にわたる上方修正を行っており、4期連続で過去最高収益を更新、2022年3月期への業績期待も高まっていることに加え、12期連続の増配見通しも追い風となっている。

今回はイエローハットの話題をお届けしよう。

イエローハット、過去最高収益を更新

イエローハット,株価
(画像=ufabizphoto / pixta, ZUU online)※画像はイメージです。

イエローハットは、タイヤ・車検・オイル交換・カー用品等を取り扱う「イエローハット」740店舗を筆頭に、バイク用品の「2りんかん」を57店舗、中古バイク等を取り扱う「バイク館SOX」を55店舗の計852店舗のほか、イエローハット車検センターも7拠点運営している。5月10日発表の2021年3月期決算は売上高が前期比4.2%増の1469億円、本業の利益を示す営業利益は同28.6%増の129億円で、4期連続で過去最高収益を更新した。イエローハットは期初時点で2021年3月期の見通しを売上高で1420億円、営業利益で103億円としていたが、中間決算時にそれぞれ1445億円、120億円に上方修正、さらに実績では1469億円、129億円とそれぞれ上方修正している。期初時点の見通しに対して、実績は売上高で3.4%、営業利益で25.2%上振れる結果となった。

予想を上回る好業績となった背景には、新型コロナ禍にありながらカー用品市場が影響を受けなかったこと、迷惑運転回避のための高単価のドライブレコーダーの販売が好調だったこと、日本海側を中心とした寒波の影響により冬季用品の需要が高まり、冬用タイヤやタイヤチェーンの販売が大きく伸長したことなどが指摘されている。また、昨今のバイクブームを後ろ盾にバイク用品も好調だったという。既存店売上高は第1四半期が9.2%減、第2四半期が12.5%減、第3四半期14.8%増、第4四半期8.0%増で後半に大きく切り返しているのが分かる。