9月15日、アニメ制作大手の東映アニメーション <4816> の株価が一時2万5110円まで買われ、上場来高値を更新した。今年1月4日の年初来安値8010円から8カ月ほどで3.1倍に上昇した計算である。時価総額も初めて1兆円超えとなり、ジャスダック市場の日本マクドナルドホールディングス <2702> 、東証マザーズのメルカリ <4385> を抜いて新興市場の時価総額ランキングのTOPに立った。

アニメは今や世界的にホットなコンテンツだ。動画配信サービス大手のネットフリックスやアマゾンプライム・ビデオ、中国のテンセントなどもアニメに注力しているほか、サウジアラビアでも『ONE PIECE』好きで知られるムハンマド皇太子のミスク財団が制作会社マンガプロダクションズを立ち上げ、東映アニメーションと共同でアニメを制作して話題となった。そうした中、東映アニメーションの業績も好調に推移している。

今回は東映アニメーションの最新情報をお届けしよう。

ONE PIECE、ドラゴンボール、セーラームーン…数多くの知的財産権

東映アニメーション,株価
(画像=まちゃー / pixta, ZUU online)

東映アニメーションは『ONE PIECE』『ドラゴンボール』『プリキュア』『美少女戦士セーラームーン』『聖闘士星矢』など世界的に人気の高いアニメ作品の知的財産権(IP)を数多く有する企業だ。このため、新作アニメなどの制作発表等を手掛かりに株価が上昇する場面も珍しくない。

たとえば、今年1月7日に東映アニメーションが新作映画『SLAM DUNK(タイトル未定)』のティザーサイトや公式ツイッターをオープンすると、同社の株価は前日比で一時5.4%高の8530円まで上昇、翌8日も一時7.2%高の9050円まで買われ、連日の活況を呈した。『SLAM DUNK』はバスケットボールを題材にした井上雄彦氏による人気漫画を原作としたアニメだ。漫画のシリーズ累計発行部数は1億2000万部を超え、アニメもアジア諸国を中心に世界的な人気コンテンツとなっている。それだけに新作映画に寄せるマーケットの期待も大きかったようだ。しかしながら、このときの株価上昇はほんの序章にすぎなかった。

海外でドラゴンボール等の「版権事業」が好調