10月11日、フリーマーケットアプリ(フリマアプリ)を運営するメルカリ <4385> の株価が6780円まで買われ、上場来高値を更新した。後段で述べる通り、メルカリは2021年6月期に上場以来初の最終黒字を計上。10月7日には、かねてより準備を進めていた事業者向けネットショップ開設支援サービス「メルカリShops(ショップス)」の本格提供を開始しており、株式市場でも先高期待が広がったようだ。

ちなみに、2020年は新型コロナ禍で「おうち時間」が増えたことでフリマアプリの利用が拡大、株式市場でもウィズ・コロナ銘柄の1つとしてメルカリが人気化し、株価は昨年1年間で約2倍になった。今年も年初からの上昇率が40%を大きく超えており、今後の展開が気になるところだ。

今回はメルカリの話題をお届けしよう。

メルカリShops、小規模事業者に「売れる体験」を提供

メルカリ,株価
(画像=Mills / pixta, ZUU online)

10月7日に本格提供を開始した「メルカリShops」は、フリマアプリ「メルカリ」内にネットショップを開設できる、事業者向けのECプラットフォームである。スマートフォンだけで出店から在庫管理、販売までを可能とし、農家や飲食店など生産者・小規模事業者を中心に出店を募っている。「メルカリShops」は今年7月末から試験導入していたが、今回の本格提供にあたり10月7日~12月31日までの期間限定で、通常10%の販売手数料を無料にするキャンペーンも展開中だ。

個人向けのフリマアプリを運営していたメルカリが「事業者向けサービス」に乗り出したことで、株式市場ではさらなる成長に向けて顧客基盤の拡大を期待するムードが広がっている。実際、消費者にとっては、フリマアプリ「メルカリ」内で個人が販売する商品と、事業者が販売する商品を比較検討しながら購入することができるわけで、MAU(月間アクティブユーザー)にどう影響してくるか注目されるところでもある。

ちなみに、2021年7月に経済産業省が公表した『令和2年度 産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)』によると、物販における国内市場のEC化率は8.1%であり、ほとんどがネットショップを開設していない状況が浮き彫りとなっている。メルカリの決算説明会資料(2021年6月期)でも日本のEC化率の低さに言及しており「まずは小規模の事業者・生産者を対象に簡単に『売れる体験』を提供することに注力」(決算説明会資料より)する計画のようだ。

メルカリとBASE、株価で明暗を分ける場面も