FRONTEO <2158> をご存知だろうか? AI(人工知能)を活用したソリューション事業やリーガルテック事業を展開する、東証マザーズの上場企業だ。後段で述べる通り、業績の上方修正や新聞報道で取り上げられたこともあって人気化し、2021年11月26日には一時5,300円と年初来高値を記録、1月18日の年初来安値595円から10カ月ほどで8.9倍とテンバガー(株価10倍)に迫る場面も見られた。11月のマザーズの月間売買代金ランキングではグローバルウェイ <3936> の2,823億円、アスタリスク <6522> の2,729億円に次ぐ第3位(2,155億円)の人気だった。

だが、上昇スピードがあまりにも速かったこともあり、その後は利益確定の売りなどで大きく崩れ、12月6日には一時2,112円と高値から60.2%下げる場面も観測されている。

AIは株式市場で人気の高いテーマであり、なかにはテンバガーが期待できそうな銘柄もある。しかし、どんなに有望で業績が好調な銘柄でも「短期間で急激に上昇した株価は、その反動の下げもきつくなる」リスクを内包している。FRONTEOの株価はその典型例だ。

今回はFRONTEOの話題をお届けしよう。

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FRONTEO、リーガルテックに強みを発揮

FRONTEO,株価
(画像=Andrey Suslov / pixta, ZUU online)

FRONTEOが創業したのは2003年8月のこと。「データ解析技術の未熟さにより、訴訟に必要な情報が見つからず窮地に立たされる企業を守りたい」という信念のもとに誕生した。デジタルデバイスに記録された情報の回収と分析調査などを行う「デジタル・フォレンジック」や、民事訴訟の手続きで訴訟に関連する電子データ等を収集し開示することを規定した「eディスカバリ(電子証拠開示)」などのリーガルテックAI事業に強みを発揮する企業だ。また、リーガルテックAI事業で培った技術を活用したAIソリューション事業も展開しており、株式市場では「AI関連」として注目されることが多い。

そんなFRONTEOの株価が大きく動いたのは、11月15日発表の2022年3月期第2四半期累計(4〜9月)決算だった。同期の売上高は前年同期に比べ17.4%増の59億2,500万円、本業の利益を示す営業利益は12億600万円の黒字(前年同期は1億6,000万円の赤字)に転換した。主力のリーガルテックAI事業が好調で、「複数案件が想定以上に大型化・採算良化」(連結業績説明会資料)したことが業績に寄与した。

FRONTEOは2022年3月期(通期)について、売上高で前期比8.0%増の112億円、営業利益は同3.6倍の18億円になる見通しを示した。これは従来予想の売上高(108億円)から4億円、同じく営業利益(12億円)から6億円それぞれ上方修正したものである。

決算発表翌日(11月16日)のFRONTEO株は前日比で17.0%高の3,445円を記録している。

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