世の中にはたくさんの投資商品が存在する。ほとんどの投資家においては、その中から、最も経済的合理性が高いもの(平たく言えば「最も儲かる」もの)を選びたいと思っているはずだ。そこで活躍するのが「IRR」だ。プロと呼ばれる投資家の多くは、このIRRを重要視している。つまり、IRRは合理的な投資家思考を持つうえで必須指標と言える。
第1回【村上世彰氏も重要視するプロ投資家の必須指標「IRR」とは】では、IRRの定義や概念、注意点などを解説した。第2回では、いくつかのケーススタディをもとに、IRRの理解を深めていこう。ケーススタディを見た後は、自身の手でExcelに打ち込んで、本当に同じ結果がでるか確認してみて欲しい。そうすることで、一気に理解が深まるはずだ(いずれの事例も複利運用と仮定する。また税引後利益で計算するものとする)。
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目次
【事例1】100万円を5年間運用するならどっち?
まずは、「あまりインカムゲインはでないが、大きなキャピタルゲインが発生する場合」と「大きなインカムゲインは発生するが、大きなキャピタルロスも発生する場合」を比べてみよう。100万円を以下の2つの投資商品で5年間運用するとしたら、どちらが有利だろうか。
●選択肢A:利回りは1.5%だが、50%のキャピタルゲイン(単価上昇+為替差益)が発生する債券
●選択肢B:利回りは17%だが、50%のキャピタルロス(単価下落+為替差損)が発生する債券
やや極端な例ではあるが、IRRを比べてみよう。結果は以下の通りだ。