この記事は2022年2月18日(金)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


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(画像=PIXTA)

2022年2月18日(金)の午前10時すぎに現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

「ロシアのウクライナ侵攻があり得る」として米国は警告を強めている。バイデン米大統領はロシアによる「偽旗作戦」が進行している可能性があると指摘。また外交担当の米高官は「ロシアの侵攻が目前に迫っている」とコメント。

一方、ロシア側は「ウクライナ侵攻の事実はなく、計画もない」と言明。加えて米政権が提案した安全保障上の確約は不十分だと公式に回答。

ロシアは在ロシア米大使館の上級高官を国外に追放したようだ。 ウクライナ侵攻の可能性が高まったとし、2022年2月17日(木)の米国株は大幅下落。ナスダックは2.9%急落。米10年債利回りは1.96%へと下落。株安に加え、米金利低下も相まって、米ドル/円は115円割れ。

2月17日(木)の東京市場で噂された「本邦年金」と憶測される巨大なドル買いがなければ、米ドル/円はすでに114円を割り込んでいると想定している。

ブルームバーグによれば「米金融当局がリセッションを引き起こすことなくインフレを鎮静化させるには、ボルカー元FRB議長のようなショック療法の戦略が必要だ」とクレディ・スイスのゾルタン・ポズサー氏がコメントしている。

住宅コスト上昇と労働力不足がサービスインフレを引き起こしていると指摘し、これを反転させるには長期の借り入れコストを高めることで金融環境を引き締めるのが鍵になると分析。

「若者がビットコインでもうけ、高齢者が皆豊かになって早期に引退すれば、労働参加率は下がり実質成長率は下がる」と指摘し、「金融当局は恐らく3月に50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げを実行し、記者会見はせず翌日に10年物米国債を500億ドル売るべきだろう」とした。

(出所:ブルームバーグ)

現在の為替相場の戦略やスタンス

仮にウクライナ情勢が沈静化しなくても、米金利急騰により、ナスダックは下値余地が大きく拡大している。避難通貨であるスイスも強含んでおり米ドル/スイスフランは一時、0.92フラン割れ。「株安、債券高、ドル高、円高」、つまりリスクオフ継続。

戦略的には米ドル/円、豪ドル/円、日経平均のショート継続だ。

▽米ドル/円の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。