この記事は2022年2月16日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2022年2月16日(水)の午前10時すぎに現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
西原宏一 青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。 |
現在の為替相場の傾向や相場観
2022年2月15日(火)。ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ国境付近に集結させている部隊について一部を撤収。加えて、米国およびその同盟国間の緊張状態について「外交による解決を望んでいる」とコメントした。
一方、プーチン氏は「ウクライナのNATO加盟を認めないように」というロシアの要求を巡る西側の対応を「永遠に待ち続けることはない」と警告した。
ここで改めて確認できるのは、プーチン氏の目的がウクライナのNATO加盟阻止だということ。ウクライナは西側諸国との緩衝地帯でなければいけないということだ。ロシアの侵攻はその手段であって、目的ではない。結果、ウクライナのNATO加盟の阻止という目的が達成できれば、侵攻などしないわけだ。
現在の為替相場の戦略やスタンス
ウクライナ問題がひと段落したので「もうリスクオンのポジションに戻せばいいのではないか」とも考えられるが、ロシア侵攻問題が霧散したとしても、米国を襲っているインフレが収まるわけではない。どちらかといえば2月11日(金)にロシアのウクライナ侵攻の可能性が高まった際、リスクオフで米国金利が下がっている。
逆にいえば、侵攻の可能性が低下すれば、3月の0.5%の利上げの可能性がさらに高まり、ナスダックの急落が迫る。中期では、どちらにふれてもリスクオフの可能性が高いといえる。戦略的には豪ドル/円の戻り売り継続で臨みたい。
▽豪ドル/円の日足チャート
※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。