アパートとマンションのメリットとデメリット

では、アパートとマンションのどちらを建てたほうが良いのでしょうか。更地の面積や周辺状況などにより、建てられる建物の規模に制限があるため、選択できない場合もありますが、ここでは一般的にどのような違いがあるのかご説明します。

アパートとは、

一般的に木造、軽量鉄骨造、プレハブ造、などの構造物

を指しており、
マンションとは、

鉄骨造(鉄骨ALC造)、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)

を指しています。明確な規定はありませんが、外観等の見た目ではなく、建物自体の構造で判断されます。ではそれぞれのメリットとデメリットを少し上げてみたいと思います。

マンションの場合

メリット
・遮音性が高い
・セキュリティが高い
・耐震強度が高い

デメリット
・建築費が高い
・アパートに比べ居室が狭い
・気密性が高く結露しやすい

アパートの場合

メリット
・建築費が安い
・マンションに比べ居室が広め
・通気性があり、湿気がたまりにくい

デメリット
・遮音性が低く音が響く
・セキュリティ面に難点がある
・耐震強度が不安

見て頂くとわかるとおり、マンションとアパートではメリットとデメリットがほとんど真逆、つまり相対しているのです。なぜこれをご説明したかといいますと、明確にどちらがいい、というわけではなく、どちらを建設するにしても、それぞれのデメリットを打ち消す対策を事前にとることで、後々の賃貸経営が楽になるということを知って頂きたいのです。

アパートであれば、壁に遮音ボードを入れるとか、簡易的なオートロックをつける。
マンションであれば、予め広めの居室を設定したり、結露防止素材を使ったり。

弱点を事前に補うことで、どちらを建設したとしても、ほかの物件に負けない競争力を持つことができるのです。


借人に人気のある間取りと設備

アパートやマンションは建てただけでは当然家賃は入ってきません。次に入居者を不動産屋さんに募集してもらわなければならないのですが、住宅供給過多が叫ばれている昨今、どのような間取りや設備に人気があるのかを事前に知っておくことはとても大切です。とくに、間取りなどは一度建ててしまうと簡単には変えられないため、事前にしっかり確認しておくことが得策です。ここでは、オーソドックスなものではなく、現場の不動産屋のみぞ知るポイントをいくつかご紹介します。

1.冷蔵庫置場の場所が重要
アパートやマンションの設計士の方は、土地を有効に活用でいる建物を設計することは得意なのですが、実際の入居する方に人気のある間取りの要点を押さえられていないことが多々あります。1Kのケースでよくあるのが、「冷蔵庫置場が居室側にある」という間取りです。

通常ですと冷蔵庫はキッチンの隣に置場があり、室内側にないことが多いのですが、稀に居室側にあることがあります。確かに設計上はその方が楽な場合もあるのですが、多少居室が狭くなったとしても、冷蔵庫置場はキッチン側につくるべきなのです。最近の若い人は、狭いお部屋で生活した経験が少なく、冷蔵庫のモーター音などをとても気にする人が多く、図面を見せるとかなりの確率で嫌がられます。

必ず扉を隔てたキッチン側におけるよう間取りを調整することをおすすめします。

2.室内洗濯機置場は重要
最近のアパートでも稀に洗濯機置場をベランダに設置している物件があります。家主さんに聞いてみると、居室部分を広くするため、場所をとる洗濯機置場はベランダに設計してもらった、と言われていましたが、これは完全なミステイクです。先ほども申し上げた通り、最近のワンルームの入居世代は、若者が中心で、みなさん結構繊細なのです。

いくら部屋が広くなるからといっても、ベランダという外に洗濯機を置くのを皆さん嫌がります。大切なことは、建築会社の提案をうのみにしないということです。建築会社は建設のプロではあっても、不動産賃貸のプロではないのです。提案してくる図面の多くは、いかに効率よく建設できるかを追求したものであり、必ずしもの消費者のニーズが繁栄されたものではないということを覚えておいてください。