失敗しないための管理会社の選定方法

これらに気を付けてアパートやマンションを建てたら、今度はそれを運営してくれる管理会社を決めます。もちろん、管理会社は必ず頼まなければならないわけではなく、自分自身で管理しても全く問題ありません。ただ、部屋数が多い建物になると、毎日のように自宅の電話が鳴り、いろいろな苦情対応や修理の手配がとても大変ですので、管理会社に委託することをお勧めします。

そこでどの管理会社にお願いするかなのですが、安易に近所の不動産屋に任せるのだけはやめてください。オススメなのは、施工した会社の関連会社が賃貸管理をやっていれば、まずはそこにお願いすることが一番お勧めです。クレームの大半は、建物の設備に関することが多く、施工した会社の関連会社が管理をすると建物の構造や設備を熟知しているため対応が早くとても安心です。もしそういった管理会社が無い場合ですが、できるだけ経験が長い不動産管理会社を選ぶことをお勧めしています。

その見分け方はとても簡単です。不動産屋の広告を見ると、下の方に「東京都知事免許(3)」という数字が書かれています。この数字の意味は、その不動産屋さんがどれくらいの月日を営業しているかを示しています。宅建業の免許有効期間が5年のため、1回更新するごとにこの数字が増えていきます。最初が1で、あとは5年ごとに増えていきますので、この数字を見るだけで大体の営業期間はわかります。

できるだけ1や2は避けたほうが良いと思います。経験が浅いと、突発的な事故に対するノウハウが不足していたり、人手不足だったりする場合もありますので、できるだけ経験の長い3以上の業者を選ぶことをお勧めいたします。特に都内では、昨今、不動産業者が乱立しており大した経験もないのに宅建免許を取得し営業しているところがたくさんあり、ホームページを見てもはっきりと設立年月日が記載されていないような会社もありますので、必ず上記はチェックしてみてください。


現在の景気動向に見るアパートマンション経営の将来性

いかがでしたでしょうか。最後に、今後のアパートマンション経営の将来性について少し触れたいと思います。去年までは、リーマンショック以降長きにわたり都内も含め全国的に不動産の家賃価格は下落し続けてきました。しかし、景気対策がされはじめて以降、昨年夏頃から徐々に回復の兆しが見えてまいりました。それに加えて、東京オリンピックの決定などもあり、都内の不動産の価格回復に拍車がかかってきております。

また、東日本大震災以降は、あらゆる建設会社の多くの労力や建築資材が東北の復興に充てられたため、東北以外でアパートやマンションを建設すると、費用が通常の10%ほど割増しになったりすることもございましたが、今はそれも落ち着きを取り戻してきております。今までかなりの期間家賃が下がり続けておりましたので、まだ多くの家主さんが強気になりきれておりませんが、現在中国、台湾などの投資家が、日本の将来の不動産高騰を見込んでどんどん都内の物件を購入しはじめています。

まさにこれからアパートマンション経営を始めようとお考えの方には、これ以上ないくらいのベストタイミングではないでしょうか。

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