この記事は2022年5月11日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2022年5月11日(水)の午後13時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
井口喜雄 トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。 |
現在の為替相場の傾向や相場観
2022年5月11日。昨日10日(火)、バイデン米大統領がインフレ対策を政権の最優先課題としていることを改めて表明した。演説では目新しい材料もなく、マーケットの反応も限定的だったが、インフレと戦う姿勢は明確にしており、株価が冷えようが、インフレを抑えるというメッセージは確認できた。
このように米インフレ指標に世界中の注目が集まる中、本日11日(水)、日本時間夜に米CPI(消費者物価指数)の発表を控えている。市場予想では前年比+8.1%と先月の+8.5%からインフレの鈍化が予想されており、ピークアウトを確認できるかがポイントとなるだろう。
現在の為替相場の戦略やスタンス
米ドル/円は以前のような買い一辺倒のフェーズが終わり、高値圏でレンジとなってしまったため、本日11日(水)発表のCPIを材料に上下どちらかに動きが欲しいところだ。
どこまで動くかは数字次第にはなるが、予想を上回れば来月のFOMCで75bp(0.75%)利上げの声も聞こえてくる一方、予想を下回れば、前のめりに上がっているドルにスピード調整入りそうだ。
短期では足元で大きく膨らんでいる円売りドル買いポジションの解消から大きく押し戻される展開も想定しておきたい。
もっともメインシナリオになる日米金利差拡大に関してはいまのところ不変であり、下がったところは買い場と考えたい。CPIがよほどネガティブな数字でない限り、米ドル/円が沈み続けることはないだろう。
▽米ドル/円の日足チャート
※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。