本記事は、和島英樹氏の著書『株取引必勝100ワザ トレンドを掴んで確実に儲ける!』(技術評論社)の中から一部を抜粋・編集しています。

ビジネスマン,上昇
(画像=k_yu/stock.adobe.com)

ダブルボトムは上昇転換のサイン

POINT > 底値圏での出現は上降トレンド転換の強いサイン

▍出来高と組み合わせると確度が上がる

「ダブルボトム」は、アルファベットの「W」のように2つの谷を描いたチャートパターンで、強い買いサインを示します。1つめの山(左側の山)の安値より、2つめの山(右側の山)の安値のほうが高いと、さらに買いのサインとなります。ダブルボトムのポイントは、(1)株価が下降したあとにいったん反発し、(2)反発するも直近に付けた安値を下回らずに再度反発し、(3)直近の高値のラインであるネックラインを上抜けていきます。

ダブルボトムの出現した地点が、底値圏(過去の安値を結んだ支持線付近)で発生すると、上昇トレンドへの転換サインがより強くなります。底値圏でダブルボトムが見られた場合、強い売りサインと考えてよいでしょう。

また、ダブルトップと同様に、ダブルボトムが発生した際にも株価と出来高の組み合わせに注目しましょう。株価が上昇するときには前日よりも出来高を拡大させて上昇し、下降時には前日よりも出来高を減少させて下降するとより強い買いのサインであることを示します。上昇する際に前日よりも出来高を大きく付け、反落する際に前日よりも出来高が減少すると、上昇トレンドに入った可能性が高いといえます。

ただし、ダブルトップやダブルボトムになっても、そのあとの値動きがセオリー通りに動かないこともあります。その際は損切りを検討しましょう。

損切りをするタイミングは、直近の安値を結んだ支持線を株価が下回ったときとなります。

株取引必勝100 ワザ
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ダブルボトム
2つの谷を描いたチャートパターンのこと。強い買いサインを示す。「毛抜き底」ともいわれる

強い売りサインを示すヘッド&ショルダートップ

POINT > ネックラインを下回ったら売りサイン

▍3つの山を形成する

相場の天井圏を示す典型的なチャートパターンの1つに「ヘッド&ショルダートップ」があります。3回天井を付けて、3つの山と2つの谷ができ、真ん中の山が一番高い山となる形で、強い売りサインを示します。真ん中の一番高い山が頭、左右の山が肩のように見えるため、「ヘッド&ショルダー」という名前が付けられました。日本では、仏教における三尊像の配置と似ていることから「三尊」とも呼ばれています。

ヘッドアンドショルダーの真ん中の山が完成するまでは、直近の高値Aを超えているので、株価上昇の勢いが強いですが、そのあとに売り圧力が強まり、直近の安値Bまで下がったところから上昇の勢いは弱まります。そして次の反発では、直近の高値Cを超えられず(高値E)、直近の安値Dを下に突き抜ける(安値F)ことで下降トレンドが確定するというわけです。

▍ネックラインが売りの基準になる

ヘッド&ショルダートップで売りを入れるポイントは、2つの谷を結んだネックラインが基準となります。具体的には、ネックラインを下回ったタイミング、またはいったん下回ったあと、再びネックラインまで戻ってきたタイミングが売りのポイントです。また、このチャートパターンができて下降する際に、どこまで株価が下降するのかという目安は、ネックラインから真ん中の山までの値幅分と判断できるでしょう。

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三尊
株価チャートにおいてはヘッド&ショルダートップのこと。「三尊天井」「トリプルトップ」などともいう

強い買いサインを示すヘッド&ショルダーボトム

POINT > ネックラインを上抜けたら買いサイン

▍3つの谷を形成する

ヘッド&ショルダートップが反転した形のチャートパターンを「ヘッド&ショルダーボトム」といいます。3回底を付けて、3つの谷と2つの山ができ、真ん中の谷が一番深い谷となる形で、強い買いサインを示します。日本では「三尊」の反対という意味で、「逆三尊」とも呼ばれます。

ヘッド&ショルダーボトムの真ん中の谷が完成するまでは、直近の安値Aを下回っているので、売りの勢いが強いですが、そのあとに買い圧力が強まり、直近の高値Bまで上がったところから勢いは弱まります。そして次の下落では直近の安値Cを下回ることなく(安値E)、直近の高値Dを超える(高値F)ことで上昇トレンドが確定するというわけです。

▍ネックラインが買いの基準になる

ヘッド&ショルダーボトムで買いを入れるポイントは、株価がネックラインを上に突き抜けたタイミング、またはいったんネックラインを上抜けたあと、反落してネックラインまで戻ってきたタイミングとなります。どこまで株価が戻るかの予想値はネックラインから真ん中の谷までの値幅分、ネックラインから上昇すると考えることができます。また、ヘッド&ショルダーボトムが発生した際、移動平均線が上向きになっていて、株価が移動平均線を上に突き抜ける形となっていれば、より強い買いのサインとなるでしょう。

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逆三尊
株価チャートにおいてはヘッド&ショルダーボトムのこと。「トリプルボトム」ともいう
株取引必勝100 ワザ
和島英樹
経済ジャーナリスト。1985年、日本勧業角丸証券(現みずほ証券)に入社。1988年、株式新聞社(現モーニングスター)に入社。2000年にラジオNIKKEIに入社。東証記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。2020年6月に独立。「マーケット・プレス」(ラジオNIKKEI)、「東京マーケットワイド」(MXテレビ)などにレギュラー出演。国際認定テクニカルアナリスト(CFTe)。日本テクニカルアナリスト評議委員。雑誌などに寄稿多数。著書に『1万円から始める 勝ち組投資銘柄』(かんき出版)など。

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