本記事は、和島英樹氏の著書『株取引必勝100ワザ トレンドを掴んで確実に儲ける!』(技術評論社)の中から一部を抜粋・編集しています。

ローソク足
(画像=metamorworks/stock.adobe.com)

ローソク足のパターンで投資家の心理を読み解ける

POINT > ローソク足の種類によって意味合いが異なる

▍ローソク足の分析はテクニカル分析の第一歩

ローソク足は、四本値によってその形が変わると説明してきましたが、形成した形によっていくつかのパターンに分けられ、名前が付けられています。実はこのパターンを分析することによって、市場に参加する投資家の心理が読み取れるようになるのです。

投資家の心理が読み取れるということは、「今後このように値動きしやすい」という予測を立てることができます。上昇・下降のサインや、トレンド転換のサインを逃さずに売買取引を行うため、テクニカル分析の第一歩としてローソク足のパターンはいくつか覚えておくとよいでしょう

▍複数のローソク足で値動きの予測をする

また、複数のローソク足の組み合わせて見ることによって、さらに予測の精度を上げられます。

こちらも、複数のローソク足の陽線、陰線、位置付けなどによりパターン化されており、「ローソク足がこのパターンを形成したら、上昇しやすい」などのサインが隠されています。ローソク足のパターンと合わせて、組み合わせによるサインを把握しておけば、株式売買において強力な武器となるでしょう

株取引必勝100 ワザ
(画像=株取引必勝100 ワザ)

チャートに表れたローソク足を分析すれば、投資家たちの心理が読み取れて、値動きの予測が付けられます

四本値
始値、終値、高値、安値の4つの株価をひとまとめにいい表した言葉

実体が長い大陽線は相場が強いサイン

POINT > ヒゲが短いほど強気であることを示している

▍実体が長い大陽線は強気のサイン

ローソク足の実体が全体の大半を占めているほど長い陽線のことを「大陽線」といいます。上昇が続いている場面で出現することが多く、売りの勢いが弱まっており、今後も買いの勢いが強まることを示唆しています。さらに大陽線はヒゲの有無により、3つの種類に分けられます。

  • 丸坊主
    実体が長くヒゲがない陽線を指します。上昇一辺倒で強気のサインです。

  • 大引け坊主
    終値と高値が等しく、短い下ヒゲが出ている陽線を指します。上昇トレンドの途中で一時的な下降に転じるも、高値引けとなったことを表します。株価が上昇したまま大引けを迎えたことを示すため、翌営業日も株価の上昇する可能性が高い、強気のサインです。

  • 寄り付き坊主
    始値と安値が等しく、短い上ヒゲが出ている陽線を指します。基本的には強気のサインです。しかし、天井圏で出現した場合はトレンドが反転する可能性があるので、注意しましょう。

実体の長さの目安は、通常の5倍以上の長さです。普段の値動きと比較して大きく値を上げたら、強気のサインと見てよいでしょう

株取引必勝100 ワザ
(画像=株取引必勝100 ワザ)
高値引け
終値がその日の最高値で取引を終えること。大引けにかけて値上がりする際に高値引けになることが多い
大引け
株式の取引時間は、午前(前場・ぜんば)と午後(後場・ごば)に分かれており、このとき、後場の最後の売買取引を指す

実体が長い大陰線は相場が弱いサイン

POINT > ヒゲが短いほど弱気であることを示している

▍実体が長い大陰線は弱気のサイン

ローソク足の実体が全体の大半を占めているほど長い陰線のことを「大陰線」といいます。下落が続いている場面で出現することが多く、買いの勢いが弱まっており、今後も売りの勢いが強まることを示唆しています。さらに大陰線はヒゲの有無で3つの種類に分けられます。

  • 丸坊主
    実体が長くヒゲがない陰線を指します。降一辺倒で弱気のサインです。

  • 大引け坊主
    終値と安値が等しく、短い上ヒゲが出ている陽線を指します。下降トレンドの途中で一時的な上昇に転じるも、安値引けとなったことを表します。株価が下降したまま大引けを迎えたことを示すため、翌営業日も株価の下落する可能性が高い、弱気のサインです。

  • 寄り付き坊主
    始値と高値が等しく、短い下ヒゲが出ている陽線を指します。基本的には弱気のサインです。しかし、安値圏で出現した場合は底打ちを表します。そこから株価が反転し、上昇となる可能性が高いです。

実体の長さの目安は、通常の5倍以上の長さです。普段の値動きと比較して大きく値を下げたら、弱気のサインと見てよいでしょう

株取引必勝100 ワザ
(画像=株取引必勝100 ワザ)
安値引け
終値がその日の最安値で取引を終えること。大引けにかけて値下がりする際に安値引けになることが多い
底打ち
下降が続いている場面で、もうそれより株価が下がることはない見込みになること。「下げ止まり」「底入れ」などともいう
株取引必勝100 ワザ
和島英樹
経済ジャーナリスト。1985年、日本勧業角丸証券(現みずほ証券)に入社。1988年、株式新聞社(現モーニングスター)に入社。2000年にラジオNIKKEIに入社。東証記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。2020年6月に独立。「マーケット・プレス」(ラジオNIKKEI)、「東京マーケットワイド」(MXテレビ)などにレギュラー出演。国際認定テクニカルアナリスト(CFTe)。日本テクニカルアナリスト評議委員。雑誌などに寄稿多数。著書に『1万円から始める 勝ち組投資銘柄』(かんき出版)など。

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