本記事は、和島英樹氏の著書『株取引必勝100ワザ トレンドを掴んで確実に儲ける!』(技術評論社)の中から一部を抜粋・編集しています。
ローソク足のパターンで投資家の心理を読み解ける
POINT > ローソク足の種類によって意味合いが異なる
▍ローソク足の分析はテクニカル分析の第一歩
ローソク足は、四本値によってその形が変わると説明してきましたが、形成した形によっていくつかのパターンに分けられ、名前が付けられています。実はこのパターンを分析することによって、市場に参加する投資家の心理が読み取れるようになるのです。
投資家の心理が読み取れるということは、「今後このように値動きしやすい」という予測を立てることができます。上昇・下降のサインや、トレンド転換のサインを逃さずに売買取引を行うため、テクニカル分析の第一歩としてローソク足のパターンはいくつか覚えておくとよいでしょう。
▍複数のローソク足で値動きの予測をする
また、複数のローソク足の組み合わせて見ることによって、さらに予測の精度を上げられます。
こちらも、複数のローソク足の陽線、陰線、位置付けなどによりパターン化されており、「ローソク足がこのパターンを形成したら、上昇しやすい」などのサインが隠されています。ローソク足のパターンと合わせて、組み合わせによるサインを把握しておけば、株式売買において強力な武器となるでしょう。
チャートに表れたローソク足を分析すれば、投資家たちの心理が読み取れて、値動きの予測が付けられます
- 四本値
- 始値、終値、高値、安値の4つの株価をひとまとめにいい表した言葉
実体が長い大陽線は相場が強いサイン
POINT > ヒゲが短いほど強気であることを示している
▍実体が長い大陽線は強気のサイン
ローソク足の実体が全体の大半を占めているほど長い陽線のことを「大陽線」といいます。上昇が続いている場面で出現することが多く、売りの勢いが弱まっており、今後も買いの勢いが強まることを示唆しています。さらに大陽線はヒゲの有無により、3つの種類に分けられます。
丸坊主
実体が長くヒゲがない陽線を指します。上昇一辺倒で強気のサインです。大引け坊主
終値と高値が等しく、短い下ヒゲが出ている陽線を指します。上昇トレンドの途中で一時的な下降に転じるも、高値引けとなったことを表します。株価が上昇したまま大引けを迎えたことを示すため、翌営業日も株価の上昇する可能性が高い、強気のサインです。寄り付き坊主
始値と安値が等しく、短い上ヒゲが出ている陽線を指します。基本的には強気のサインです。しかし、天井圏で出現した場合はトレンドが反転する可能性があるので、注意しましょう。
実体の長さの目安は、通常の5倍以上の長さです。普段の値動きと比較して大きく値を上げたら、強気のサインと見てよいでしょう。
- 高値引け
- 終値がその日の最高値で取引を終えること。大引けにかけて値上がりする際に高値引けになることが多い
- 大引け
- 株式の取引時間は、午前(前場・ぜんば)と午後(後場・ごば)に分かれており、このとき、後場の最後の売買取引を指す
実体が長い大陰線は相場が弱いサイン
POINT > ヒゲが短いほど弱気であることを示している
▍実体が長い大陰線は弱気のサイン
ローソク足の実体が全体の大半を占めているほど長い陰線のことを「大陰線」といいます。下落が続いている場面で出現することが多く、買いの勢いが弱まっており、今後も売りの勢いが強まることを示唆しています。さらに大陰線はヒゲの有無で3つの種類に分けられます。
丸坊主
実体が長くヒゲがない陰線を指します。降一辺倒で弱気のサインです。大引け坊主
終値と安値が等しく、短い上ヒゲが出ている陽線を指します。下降トレンドの途中で一時的な上昇に転じるも、安値引けとなったことを表します。株価が下降したまま大引けを迎えたことを示すため、翌営業日も株価の下落する可能性が高い、弱気のサインです。寄り付き坊主
始値と高値が等しく、短い下ヒゲが出ている陽線を指します。基本的には弱気のサインです。しかし、安値圏で出現した場合は底打ちを表します。そこから株価が反転し、上昇となる可能性が高いです。
実体の長さの目安は、通常の5倍以上の長さです。普段の値動きと比較して大きく値を下げたら、弱気のサインと見てよいでしょう。
- 安値引け
- 終値がその日の最安値で取引を終えること。大引けにかけて値下がりする際に安値引けになることが多い
- 底打ち
- 下降が続いている場面で、もうそれより株価が下がることはない見込みになること。「下げ止まり」「底入れ」などともいう