本記事は、坂口康司氏の著書『堅実な資産運用をしたいならこの1冊! レンタルスペース投資の教科書』(自由国民社)の中から一部を抜粋・編集しています
予約が増える写真の仕組みと、その撮り方
良い掲載写真の撮り方をお伝えしていきます。
最初にずばり、「予約が増える写真の仕組みと、その撮り方」をお話します。
押さえておくべきは使用される部屋の用途によって良い写真は変わるということです。
たとえばホテルならば、「居心地が良い」雰囲気を伝えるために、暗めで落ち着いたおしゃれな写真が好まれます。また、新築マンションであれば、物件内容を正しく伝えるためにゆがみが少なく、直線がきれいに見える写真が良い写真です。
ではレンタルスペースとくにパーティー向けのスペースではどういった写真が好まれるのでしょうか? やはりパーティーといえば、名前の通りパーティーや飲み会、友人とのボードゲーム大会、推し会(好きなアイドルのライブ鑑賞など)などに使われるため「ワクワク感」「非日常感」があることが求められます。
ですから、極力明るく、賑やかな写真がおすすめです。
オフィス・会議室はどうでしょうか?
この場合は、清潔感・フレッシュ感が伝わりつつ、ホワイトボードやプロジェクター、オンライン会議のグッズを使えることがわかる写真が良いでしょう。
さらにサロンは落ち着いてリラックスできる空間なのがわかる写真にすると効果的です。
ここでは、収益の額が大きいパーティースペースの写真の撮り方に関して説明します。
エリアや収容人数が重視される会議室やサロンと比べて、パーティースペースは写真での印象が予約数に直結するため、写真の撮り方を工夫することが極めて重要です。
ただ、ご理解いただきたいのは、良い写真を使って予約が入ったとしても、室内を清潔に保ったり、お客様と適切なコミュニケーションを取るなどして運営をしっかり行わなければ、レビューが悪くなってしまうので、注意が必要です。
まず、レンタルスペース、特にパーティースペースでは、1枚目に表示される写真が最も重要です。
利用者がエリアや利用形態などで検索した際に1枚目に設定した写真が表示されるからです。
この写真で興味を持ってもらえなければ、他の写真を見てもらったり、スペース詳細のページに来てもらうことは不可能です。
さて、パーティースペースの1枚目で使う写真で重要なのは、
・明るさ ・広さ ・視覚的インパクト
が伝わることです。
まず明るさから説明いたします。
人は、明るくて動くものに目が留まりやすい傾向があります。
わかりやすい例でいうと、町中でフラッシュを使って撮影していたら、そこに視線を向けてしまいますし、山で遭難した場合は鏡で光を反射させると見つかりやすいという話を聞いたことがあると思います。
レンタルスペース用の写真も同じで、利用者はスマホで、色々なスペースが表示される検索一覧画面をスクロールして流し見しているので、明るい写真にするだけで、注目を集められます。
明るい写真にするために、いわゆるフラッシュやストロボなどの照明は使う必要はなく、スマホでしたら後述するスマホアプリを使って明るく加工したり、一眼レフカメラでしたら三脚で固定して長時間露光して撮影するのが良いでしょう。
また、間接照明などを用意して、夜の雰囲気がステキなスペースだとしても、1枚目で使う写真はカーテンを開けて日中に撮った写真を使う方が集客効果が高くなります。
写真を明るめに加工することも重要です。
撮影時の工夫だけで明るくするのは難しいですし、撮影した写真をそのまま掲載するのはもったいないです。アプリで加工してきれいにしたものを掲載しましょう。
さて、次に広さの説明をします。
自前でカメラを持っている方はできる限り広角のレンズを使用して、スマホの場合は広角モードで撮影してください。
遠くから撮影すればするほど広く映るので、部屋の隅や壁に張り付くようにして、写真を撮るのが良いでしょう。
場合によってはベランダから撮ったり、押入れから撮影すると、部屋の中心部から離れられるため、広さが伝わる写真になります。
最後に視覚インパクトを説明します。写真にインパクトを出すのに、パーティースペースでしたら必ず置いてあるテレビを活用するのが重要です。
せっかく大きめな画面で明るく画像を表示できるので、テレビ画面に室内の雰囲気にあった画像を表示させるのが良いです。
たとえば、女性向けのピンク色が基調な可愛らしいスペースであれば、テレビにピンク色のマカロンの画像やバラの画像を使って演出するとなお雰囲気がひきたつでしょう。
一方で、このような可愛らしいスペースで、山と湖の風景画像を使ってしまうと、雰囲気に合わないですし、色の調和が崩れてしまいますね。
クールでかっこいい部屋であれば、アーティステックな画像を掲載したり、ボタニカルなスペースであれば、植物やドライフラワーの画像をテレビに映しておくなど部屋の雰囲気に合った画像を使うことが重要です。
ほかにも目立つものがあったら、写真に入れましょう。
たとえば、大きなクマのぬいぐるみやカラフルなホットプレートなどがあったら、それも含めて撮影しましょう。
その際に、撮影位置から近いものは大きく写せるため、インパクトがあるものは極力手前に置いて撮影するのが良いです。
お客様はパーティーをしたいと思ってスペースを探しています。
ですから、そういったお客様に一瞬で「パーティーに向いているスペースですよ」と伝えるためにも、机の上にお皿やナイフ、フォーク、ちょっとした飾りを置くなどしてパーティーの雰囲気を演出するのも有効です。「ここでパーティーをしたら楽しそうだ」と思わせるようセッティングしましょう。
以上説明したことを1枚目に掲載してください。
レンタルスペースを紹介するページには、通常30枚の写真が掲載できますが、お客様が閲覧するのは最初の2〜5枚目だけのことも多いです。
30枚全部の写真を見てほしいですが、実際は最初の数枚だけしか見てもらえないのです。
その2〜5枚目も注力しましょう。
おすすめは、トップ写真にするかどうか迷うくらいクオリティの高い写真を掲載することです。
たとえば、トップ写真と同じ構図でカーテンを閉めて撮影することで夜っぽい、パーティータイムの使用時の雰囲気を伝えたり、自然光がたくさん入ってくる写真を掲載して、撮影にも使えるようなイメージを持ってもらったりと、スペースの魅力がギュッと凝縮した写真を使うようにしましょう。
6枚目以降は、室内の全体感がわかる写真を掲載しましょう。パーティーセッティングされていない、お客様が使う状態の室内も伝えるのが重要です。
それ以降は、トイレや、調理器具、食器などの備品など30枚の枠をフル活用して、レンタルスペースの魅力をあますところなく伝えきりましょう。
部屋の全体感を見る人もいます。パーティーは大切な友人や先輩などを呼んで開催するため「失敗したくない」「幹事としてしっかりと成功させたい」と考えているユーザーもたくさんいます。
ですから、いろんな角度の写真も撮影して部屋の全てがわかるようにしておくべきです。ワンルームで全体感が伝わる写真を撮る時に、キッチンや玄関など美しくない物が映ることがあります。オーナーとしては「それらの写真を使いたくないな」と思いますが、掲載するようにしましょう。
ここまでの説明でだいたいわかったかと思いますが、レンタルスペースの写真はとても重要なのに撮影に骨がおれます。そういった時間と労力、クオリティを考えると、できれば私のようにレンタルスペースの撮影に特化したカメラマンに依頼をした方がいいでしょう。
あまり詳しくないカメラマンにお願いする際には、ここで説明する要素を共有して十分に理解してもらえるように、発注する際にディレクションしましょう。スマホで撮影する時は「Adobe Lightroom」という、写真撮影と写真の加工をできるアプリを使うのが良いでしょう。特殊な画像形式で写真を撮れるため、加工しても画質が落ちず、違和感のない写真に仕上げられます。
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