米国株投資におすすめの証券会社の選び方
米国株投資を検討している方が、証券会社を選ぶ際に注目したいポイントは以下の3点です。
- 取扱商品数の豊富さ
- 取引手数料
- 為替手数料
取扱銘柄の豊富さ
証券会社により、取扱銘柄の豊富さは異なります。米国個別株では、SBI証券が6,000銘柄の取り扱いがあるのに対し、PayPay証券では147銘柄しか取り扱いがありません。また、米国ETFの取扱数は、楽天証券が365本であるのに対し、PayPay証券はわずか27本です。
当社が、米国株投資を行っている方に実施したアンケートの「米国株投資を始める際に証券会社を選んだポイント」で回答数が最も多かったのは「米国株取扱銘柄数の豊富さ」でした。
取引手数料
証券会社により、売買手数料は異なります。DMM.com証券では、米国個別株と米国ETFの取引手数料が無料です。50万円の米国個別株を購入した場合、DMM.com証券では手数料はかかりませんが、松井証券は2,475円の手数料がかかります。一般NISAで売買を行う場合に限り、取引手数料が無料の証券会社もあります。
為替手数料
米国株投資では、円をドルに両替するための為替手数料が発生します。為替手数料は、証券会社により異なります。為替手数料が1ドルにつき0.25円の場合、1000ドル(約13万円)の米国株式を購入する際に発生する為替手数料は250円です。
米国株投資に関するアンケート結果
Q1. 米国株投資で使用している証券会社は?
米国株投資を利用している証券会社 | ||
---|---|---|
回答数 | % | |
楽天証券 | 61 | 35.67% |
SBI証券 | 47 | 0.2749 |
野村證券 | 10 | 0.0585 |
SMBC日興証券 | 7 | 0.04094 |
マネックス証券 | 6 | 0.0351 |
松井証券 | 6 | 0.0351 |
DMM株 | 5 | 0.0292 |
LINE証券 | 5 | 0.0292 |
フィデリティ証券 | 4 | 0.0234 |
大和証券 | 3 | 0.0175 |
その他 | 3 | 0.0175 |
auカブコム証券 | 2 | 0.0117 |
SBIネオトレード証券 | 2 | 0.0117 |
岡三オンライン証券 | 2 | 0.0117 |
みずほ証券 | 2 | 0.0117 |
サクソバンク証券 | 2 | 0.0117 |
PayPay証券 | 1 | 0.0058 |
SBIネオモバイル証券 | 1 | 0.0058 |
GMOクリック証券 | 1 | 0.0058 |
三井UFJ証券HD | 1 | 0.0058 |
Q2. 米国株投資の証券会社を選んだ理由は?
米国株投資の証券会社を選んだ理由 | ||
---|---|---|
回答数 | % | |
取引手数料の安さ | 72 | 42.10% |
米国株取扱銘柄数の豊富さ | 91 | 53.20% |
米国ETF取扱銘柄数 | 65 | 38.00% |
為替手数料の安さ | 63 | 36.80% |
取引ツール(チャート等)が充実しているか | 46 | 26.90% |
口座開設キャンペーン | 15 | 8.80% |
その他 | 8 | 4.70% |
Q3. 米国株投資の各証券会社の満足度は?
NISAの各社満足度(5段階評価) | |
---|---|
満足度 | |
楽天証券 | 3.86 |
SBI証券 | 4.01 |
野村證券 | 3.50 |
SMBC日興証券 | 3.20 |
マネックス証券 | 3.05 |
松井証券 | 4.33 |
DMM株 | 3.22 |
LINE証券 | 3.94 |
フィデリティ証券 | 3.83 |
大和証券 | 3.00 |
その他 | 3.67 |
auカブコム証券 | 4.00 |
SBIネオトレード証券 | 4.50 |
岡三オンライン証券 | 2.50 |
みずほ証券 | 3.50 |
サクソバンク証券 | 2.00 |
PayPay証券 | 5.00 |
SBIネオモバイル証券 | 4.00 |
GMOクリック証券 | 4.00 |
三井UFJ証券HD | 3.00 |
米国株投資が人気の理由
米国株の人気が高まっている理由は、以下の3つが挙げられます。
- 成長性が高い
- 手数料が下がった
- 高配当株が多い
- 少額投資ができる
成長性が高い
米国の株式市場は、長期的に値上がりを続けており、成長性の高さが魅力です。米国を代表する指数であるNYダウは、ITバブル崩壊やリーマンショック、コロナショックで一時的に下落したものの、長期的には高いパフォーマンスを誇っています。
下図のように日経平均株価と比較すると、いかに米国株が長期的に成長しているかがわかります。一時的な下落はありますが、長期投資を前提にすればリスクを抑えた資産形成を実現できるでしょう。
手数料が下がった
2019年にネット証券を中心に米国株の売買手数料を引き下げたことが人気を高めている要因となっています。最低5ドル程度であった最低取引手数料を無料に変更したうえで手数料率も0.495%(税込)まで引き下げた証券会社もあります。。また、一部の証券会社では、売買手数料を無料に設定されているので、手数料をかけたくない人にとって大きな魅力となっているでしょう。
いくら市場が好調だとしても、日本株よりも売買手数料が割高であれば二の足を踏んでしまいます。この障壁がなくなったのもプラス材料です。
高配当株が多い
米国には、株主への利益還元を優先する企業文化があり、平均配当利回りが高い特徴があります。そのため、高配当株を好む個人投資家にとって米国株は長期保有の対象として注目を集めているのです。
なかには、P&G(プロクター&ギャンブル)などのように増配を60年以上継続している企業もあります。ただし、すべての米国企業が高配当なわけではないので、購入前に配当利回りや企業業績をチェックしてから購入することが大切です。
また、米国企業は配当頻度が多いことも特徴に挙げられます。日本企業の多くは年2回の配当となりますが、米国企業は年4回の配当としている企業が多いため、配当金を再投資をしたい人にとっては嬉しいポイントです。
少額投資ができる
日本株には「100株単位で売買する」というルールがあるため、まとまった投資資金が必要です。一方、米国株は1株単位で購入できるので、少額投資をしたい人にとって大きなメリットとなります。
例えば、ファーストリテイリングの株式を購入するには、1株当たり約8万円×100株で約800万円が必要になります(2023年1月時点の株価)。1株あたり千円単位・百円単位の株もありますが、100株単位での購入になるとまとまった資金を用意しなくてはいけません。そのため、少額から投資をしたい初心者にも米国株が適しているといえるでしょう。
米国株の始め方!どうやって株を買うの?
米国株を買う際は、外国株式取引口座を開設や、為替振替などの手続きが必要です。ここでは、主要ネット証券最多の9ヵ国の外国株式を取り扱っているSBI証券を例に紹介します。
ステップ(1)外国株式取引口座を開設する
米国株を購入するには、外国株式取引口座を開設しなければなりません。国内株式を取引する証券口座だけでは、米国株の取引ができないので注意しましょう。なお、国内株式の証券口座を持っていない場合は、証券総合口座の開設も必要です。
ステップ(2)購入資金を準備する
SBI証券で米国株の購入資金を準備する際は、円貨決済または外貨決済を選択します。円貨決済とは証券総合口座の資産を米ドルに交換することなく決済できる方法です。一方、外貨決済は住信SBIネット銀行で米ドルに交換したうえで証券総合口座へ入金する方法をいいます。
円貨計算を利用すると、為替手数料として1米ドルあたり25銭かかりますが、外貨決済では6銭で米ドルに交換できます。そのため、よりコストを抑えて取引したい人は、SBI証券の外貨決済で購入資金を準備しましょう。
ステップ(3)取引画面への移動し、購入する
SBI証券では外国株式の取引画面が別に用意されているので、ログイン画面の「外国株式 取引」をクリックします。外貨建商品取引画面が表示されるので、銘柄を確認のうえ購入しましょう。
なお、SBI証券では国内株式と米国株式の取引に別のアプリが必要となるので注意が必要です。
米国株取引のデメリットと注意点
米国株を取引する場合に、注意しておくべき点を4つ紹介します。
ストップ安・ストップ高がない
日本の個別株には、急激な値動きによる混乱を避けるための値幅制限が1日ごとに設けられており、上限を「ストップ高」、下限を「ストップ安」といいます。しかし、米国株にはストップ高・ストップ安がないため、1日で大幅な利益を得られる可能性がある反面、一気に資産を失うリスクもあるので注意しましょう。
なお、米国株にも一時的に取引を停止させるリミットアップ・リミットダウン制度があります。これらの制度は、直近5分間の値動きに対応するものであるため、1日単位の株価変動に対応できません。米国株の取引をする際は、大きなリスクが存在することを認識しておきましょう。
税金の計算方法が複雑
米国株での譲渡益や配当金は、国内株式と同様に20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、地方税5%)の税金が課されます。なお、米国株の利益に課税される際は、米ドルから円に換算する必要があり、為替レートによっては納税額が変動するので注意しましょう。
また確定申告についても国内株式と同様に特定口座(源泉徴収あり)で取引していれば原則、確定申告が不要です。ただし、配当金を受け取っている場合は、日本と米国の二重課税を防止するために確定申告をして外国税額控除の適用を受けなければなりません。高配当株などを活用している場合は、配当金の受取金額を確認し、必要に応じて確定申告を行いましょう。
取引手数料に加えて為替手数料がかかる
米国株の取引では、必要に応じて日本円と米ドルを交換(両替)しなければなりません。この日本円と米ドルの交換(両替)には、取引手数料とは別に為替手数料がかかるため注意しましょう。
なお、為替手数料は証券会社によって異なり、1米ドルあたり25銭や、買付時無料としている場合があります。そのため、日本円と米ドルの交換頻度が多い場合は、為替手数料がより低い証券会社を選ぶことをおすすめします。なかには、売買時と配当金受取時の為替手数料が異なる証券会社もあるので注意しましょう。
為替変動の影響を受ける
米国株は、株価変動に加えて為替相場による影響を考慮しなければなりません。円安や円高などの為替レートによっては、資産価値が大きく変動するので注意が必要です。
例えば、時価1,000米ドルの株を110円で購入する際の必要資金は、1,000米ドル×110円=11万円となります(手数料を考慮しない)。この米国株を同じ時価となる1,000米ドルのときに売却した日の為替レートが100円だった場合、受け取る金額は1,000米ドル×100円=10万円となり、株価が変動していない状態で1万円損していることとなるのです
このように米国株に投資する場合は、為替リスクがあることにも留意する必要があります。
米国株投資に関するよくある質問
米国株投資がおすすめの人は?
米国株の取引時間は、23時30分〜翌5時(サマータイムは1時間繰り上がり)に設定されているため、日中に取引ができないビジネスパーソンにとって売買しやすい環境となっています。短期投資やリアルタイムでの取引をしたい人にとっては、大きなメリットとなるでしょう。
また、アメリカの企業は株主還元を積極的に取り入れているところも多いので、配当金を受け取りながら値上がり益を獲得したい人にもおすすめです。
米国株を空売りできる証券会社は?
2023年1月23日現在、ネット証券で米国株を空売りできるのはSBI証券、楽天証券、マネックス証券です。空売りとは、信用取引における取引方法の1つで、米国株の信用取引は2022年7月より解禁されました。
NISA口座で米国株ETFに投資できる証券会社は?
NISA(一般NISA)では、SBI証券、楽天証券、マネックス証券にて購入することが可能です。ただし、つみたてNISA口座の場合は、大和証券のみで投資できます。金融庁が定めるつみたてNISAの対象となっている米国株ETFのファンドは、大和証券が取り扱っている1商品だけとなります。
複数の証券会社で保有している米国株銘柄を一括で管理する方法はある?
それぞれの証券会社の口座を株式投資管理アプリ(例えばロボフォリオなど)に連携させることで、保有株や資産の推移、取引履歴などを一元的に見られるようにすることできます。外部のアプリを用いない場合は、各証券会社のマイページもしくは、証券会社が提供するアプリで、個別に管理する必要があります。
ナスダックの株を買うにはどうすればいい?
- 証券会社の外国株取引口座を開設する
- 日本円で総合取引口座に入金、または、総合取引口座にある日本円を外国株取引口座に振り替え(資金移動)
- 購入したいナスダック銘柄を検索して購入
円決済の場合には、そのまま購入したい銘柄を注文できる一方、外貨(ドル)決済の場合には、外国株取引口座内でドルに両替をしたうえで注文をする必要があります。なお、SBI証券のように、総合取引口座に入金した日本円が、資金移動なしで外国株式取引口座の買付余力として反映され、すぐに円決済によって注文できるパターンもあります。
もし証券会社が倒産したら保有している米国株はどうなる?
もし証券会社が破綻してしまった場合でも、資産は保護されているので基本的には心配ありません。金融商品取引法では、証券会社に対して、顧客から預かっているお金や投資信託などの有価証券を、証券会社の資産とは区別して管理することを義務付けているからです。それは、外国株式や外貨建てのお預かり金も同様です。各証券会社は、分別管理の状況を公表していますので、そちらも確認してみるといいでしょう。なお、万が一、証券会社が分別管理を怠っており、資産が返還されない場合には、投資者保護基金が一人あたり1,000万円までの補償を行うことになっています。
DMM.com証券のオンライン株式トレードサービスを扱っています。国内株に加え、米国株式も扱っています。ツールとして、スマホでも操作可能なDMM株 アプリ、初心者から使えるDMM株 STANDARDの他に、機能が充実したDMM株PRO+を提供しています。注文機能やチャート機能に優れ、こだわりのある投資家にもご利用いただける仕様です。
NISA系は、一般NISA、ジュニアNISAを扱っています。投資信託は扱っておらず、つみたてNISAも利用できません。個別株中心に投資を行いたい人や、サテライトで個別株を扱いたい人に向いています。
特徴的なのは、米国株式の取引手数料は0円という大胆な設定です。米国株式の取引手数料は一切かかりません。ただし、円貨決済のみのため、売買のたびに為替手数料がかかります。売買時の為替手数料は片道25銭です。配当金受取時の為替スプレッドは、基準為替レート-1円となります。外貨での運用は管理の手間が増えますので、円貨でわかりやすく運用したいという人向けの証券口座といえます。