本記事は、どこ氏の著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』(中央経済社)の中から一部を抜粋・編集しています

就職,転職,学歴不問,国家資格
(画像=one/stock.adobe.com)

「USCPAになりたい」と思ったとしても、USCPAが一番自分に必要な資格だと確信していますか? たとえば、USCPAと比較対象となる国際資格だけでも以下のようにこんなにあります。

■USCPAと比較対象となる国際資格■
(1)CMA(Certified Management Accountant:米国公認管理会計士)
(2)EA(Enrolled Agent:米国税理士)
(3)CIA(Certified Internal Auditor:公認内部監査人)
(4)CISA®(Certified Information Systems Auditor:公認情報システム監査人)
(5)CFE(Certified Fraud Examiner:公認不正検査士)

国際資格に限らず、日本人が日本で受験できるUSCPAと比較対象となる資格を取り上げてご紹介しますので、USCPAが自分にとって最適な資格なのか検討してみてください。

どこ:USCPAになるにはお金も時間もそれなりにかかるから、自分にとって一番役に立つ資格なのか、他の資格と比較検討してみたほうがいいね。自分にとって役に立たない資格を取るのは、「自己投資」ではなく単なる「浪費」だよ。履歴書のアクセサリーになるだけの資格は取らないようにしようね。

USCPAと他の資格を「職域」で比較

USCPAは、監査、税務、経営、会計と職域が広く、さらにIT知識や英語力も必要なため、オールマイティーな資格といえます。

USCPAと他の資格を職域で比較すると、以下のようになります。

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(画像=『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』より)

USCPA試験はいろいろな分野が広く浅く出題されますが、「ここまで広く学習する必要はない」という方や、「特定分野をより深く学習したい」という方もいるのではないでしょうか。たとえば、「英語で財務会計だけがわかればいい」、「税務にフォーカスしたい」、「ビジネスの実践で役立てたい」、「英語でわかる必要はない」などという場合は、USCPAではなく他の資格のほうが自分に合っている可能性が出てきます。

USCPAと日本の公認会計士・国際資格を「試験制度」で比較

USCPAと日本の公認会計士・国際資格を試験制度で比較していきます。

USCPAと日本の公認会計士の比較

日本の公認会計士試験は誰でも受験できますが、USCPA試験は受験資格を得るために単位要件を満たす必要があり、受験するまでが大変です。USCPA試験は受験できるようになるまで大変ではありますが、受験日が自分で決められ、1科目ずつ勉強して受験できますので、受験日が固定されており、全科目一度に勉強しなければならない日本の公認会計士試験より、受験自体はしやすいです。

また、日本の公認会計士試験は「広く深く」出題されるので、学習時間が多くかかり、「相対評価」の試験で合格者数に制限があり、どんなによくできたとしても、他の受験生もよくできた場合は合格できるとは限りません。

USCPA試験は「広く浅く」出題されるので、効率のよい学習スタイルにすれば学習時間が抑えられますし、「絶対評価」の試験で合格者数に制限がないため、よくできた受験生全員が合格になります。

とはいえ、日本の公認会計士試験は日本語で出題されますが、USCPA試験は英語で出題されますので、会計知識に加えて英語力がどのくらいあるのかが勉強時間や合格の可能性に影響を与えます。

さらに、USCPA試験の受験料は、日本の公認会計士試験の受験料よりかなり高く、特に何度も不合格になると受験料がかさんでしまうのが、マイナス点です。

USCPA・CMA・EAの比較

USCPA試験は、試験科目が4科目、勉強時間は1,000時間ほど、受験資格は単位要件があり厳しいです。

一方で、CMA(米国公認管理会計士)試験は、試験科目が2科目で、勉強時間は300時間ほどで、受験資格は4年制大学卒業の学位であり、USCPAよりは厳しくないです。また、EA(米国税理士)試験は、勉強時間が200時間ほどで、受験資格の要件はなく緩いです。選択問題しか出題されないので、対策がしやすいです。

合格までにかかる労力や費用で考えると、USCPAが一番大変で、次にCMA、最後にEAという順番になるでしょう。3つの試験とも、米国の資格ではありますが、日本のテストセンターでのコンピュータ受験が可能で、絶対評価の試験ですので、きちんと勉強すれば合格となります。ただし、米国の資格ということで情報が少なく、英語で出題されます。独学だと英語の教材を使うことになるため、英語力がよほどない限りは、予備校を利用して学習するのが効率的となります。

USCPA・CIA・CISA®・CFEの比較

CIA(公認内部監査人)・CISAⓇ(公認情報システム監査人)・CFE(公認不正検査士)は、内部統制・内部監査の試験なので、USCPAよりかなり範囲が狭いです。また、CIA・CISAⓇ・CFEは日本語で受験でき、選択問題のみの出題なので、USCPAよりも少ない勉強時間で合格でき、USCPAと違って独学が可能でしょう。

CIAとCFEは、4年制大卒でない場合は、受験資格には注意が必要です。また、USCPA・CIA・CISAⓇは通年で受験可能ですが、CFEは年2回しか受験のタイミングがなく、受験するためにはACFE(公認不正検査士協会)の会員になる必要があり、入会金や年会費がかかるのがネックとなります。

USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本
どこ
ワシントン州USCPA(米国公認会計士)。「USCPAどこのブログ」管理人。USCPA 試験全科目合格後、大手監査法人に転職し、東京事務所の国際部にて、外資系企業をメインのクライアントとする会計監査人になる。その後タイのバンコクに移住し、米国企業のタイ子会社にて、親会社への会計レポーティングを担当し、さらに帰国後、日系グローバル企業の東京本社にて、連結決算に携わる。「USCPA 試験の勉強をしている友達に合格してもらいたい」、「USCPA として働いてきた今までの経験を伝えたい」という2つの理由から、「USCPA 試験とUSCPA のキャリア」がメインテーマのブログを書き始める。
・「USCPAどこのブログ

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