この記事は2022年10月19日に「CAR and DRIVER」で公開された「軽商用電気自動車の三菱ミニキャブ・ミーブが一般販売を再開」を一部編集し、転載したものです。


三菱自動車が電気自動車の軽商用バン「ミニキャブ・ミーブ」の一般販売を11月24日より再開すると予告。車両価格は243万1,000円~245万3,000円に設定

三菱自動車は2022年10月13日、軽商用電気自動車「ミニキャブ・ミーブ(MINICAB MiEV)」の一般販売を2022年11月24日より再開すると発表した。

軽商用電気自動車の三菱ミニキャブ・ミーブが一般販売を再開
▲三菱ミニキャブ・ミーブ・CDハイルーフ・2シーター 価格:243万1,000円 全長3,395×全幅1,475×全高1,915mm ホイールベース2,390㎜ 車重1,100kg 乗車定員2名 最大積載量350kg 一充電走行距離133km(WLTCモード) 交流電力量消費率137Wh/km(WLTCモード) 写真のボディカラーはホワイトソリッド

車種展開は以下の通り。

CD(16.0kWh)ハイルーフ・2シーター:243万1,000円

CD(16.0kWh)ハイルーフ・4シーター:245万3,000円

軽商用電気自動車の三菱ミニキャブ・ミーブが一般販売を再開
▲三菱ミニキャブ・ミーブ・CDハイルーフ・4シーター 価格:245万3,000円 全長3,395×全幅1,475×全高1,915mm ホイールベース2,390㎜ 車重1,110kg 乗車定員2(4)名 最大積載量350(4名乗車時200)kg 一充電走行距離133km(WLTCモード) 交流電力量消費率137Wh/km(WLTCモード) 写真のボディカラーはスターリングシルバーメタリック

ミニキャブ・ミーブは国内メーカーで唯一の軽商用EVで、2011年12月より配送業などを中心に販売を開始し、2021年3月末に一旦生産を終了。その後、一部法人向けとして販売を行っていたが、昨今カーボンニュートラル社会の実現に向けて各方面で脱炭素化の取り組みが加速し、サステナブルな事業活動を展開する物流関係や自治体などで軽商用EVの需要が高まっていることから、一般販売の再開を決定した。

軽商用電気自動車の三菱ミニキャブ・ミーブが一般販売を再開
▲最高出力30kW、最大トルク196Nmを発生するY51型モーターを搭載
軽商用電気自動車の三菱ミニキャブ・ミーブが一般販売を再開
▲リチウムイオン電池および総電力量16.0kWhを確保したCD(電池セル)を採用

改めてミニキャブ・ミーブの特徴を解説していこう。

パワートレインは最高出力30kW、最大トルク196Nmを発生するY51型モーターに、耐久性が極めて高いリチウムイオン電池および総電力量16.0kWhを確保したCD(電池セル)を搭載して後輪を駆動する。

また、駆動用バッテリーの電力をより有効に使うため、回生ブレーキ機能によって減速時にはモーターが発電機として働き、回収した電気を駆動用バッテリーに戻して充電。さらに、セレクトレバーを使って、電力消費を抑える「ECO」、通常走行の「D」、回生ブレーキの効きを強めた「B」という3つのドライブモードが選択できる。

充電に関しては普通充電とCHAdeMO規格に準拠した急速充電に対応。普通充電(AC200V/15A)が満充電を約7時間、急速充電が出力50kWの場合で0→80%充電を約35分でこなす。一充電走行距離はWLTCモードで133km、交流電力量消費率はWLTCモードで137Wh/kmを達成した。

ちなみに、三菱自動車の調べによると軽商用バンの77%のドライバーが1日あたりに走行する距離は65km未満とのことで、ミニキャブ・ミーブの航続距離でも十分に対応できる計算だ。

軽商用電気自動車の三菱ミニキャブ・ミーブが一般販売を再開
▲セレクトレバーを使って電力消費を抑える「ECO」、通常走行の「D」、回生ブレーキの効きを強めた「B」という3つのドライブモードが選択できる
軽商用電気自動車の三菱ミニキャブ・ミーブが一般販売を再開
▲充電は普通充電と急速充電に対応し、普通充電(AC200V/15A)が満充電を約7時間、急速充電が出力50kWの場合で0→80%充電を約35分でこなす。ディーラーオプションとしてMiEVデカールを用意

機動性および積載性の高さもミニキャブ・ミーブの訴求点だ。駆動用バッテリーを車体床下中央に幅広くかつフラットに配置することで、低重心による優れた操縦安定性を実現。

また、長1,830×幅1,370×高1,230mm(4シーターの後席使用時は同935×1,360×1,210mm)という大容量の荷室スペースと、積み下ろしのしやすい荷室床面地上高675mmを創出する。荷物を固定するためのフックや荷室を仕切るレールなどを設置しやすいよう、10カ所にM6サイズのユーティリティナットを標準装備したことも、ミニキャブ・ミーブのトピックである。

軽商用電気自動車の三菱ミニキャブ・ミーブが一般販売を再開
▲コンビネーションメーター(デジタルスピードメーター/パワーメーター/駆動用バッテリー残量計、常時点灯式)と液晶トリップ(A・B2区間)&航続可能距離表示&オドメーターを装備
軽商用電気自動車の三菱ミニキャブ・ミーブが一般販売を再開
軽商用電気自動車の三菱ミニキャブ・ミーブが一般販売を再開
▲2シーターと4シーターの選択が可能。助手席には前方フラットダウン機構、4シーターの後席にはフラット格納機構を内蔵
軽商用電気自動車の三菱ミニキャブ・ミーブが一般販売を再開
▲駆動用バッテリーを車体床下中央に幅広くかつフラットに配置することで、長1,830×幅1,370×高1,230mm(4シーターの後席使用時は同935×1,360×1,210mm)という大容量の荷室スペースを確保
軽商用電気自動車の三菱ミニキャブ・ミーブが一般販売を再開
▲荷室の左右5カ所ずつ、計10カ所にM6サイズのユーティリティナットを装備

なお、一般販売の再開に合わせて一部仕様を変更。具体的には、荷室ユーティリティの強化やルームミラーおよびドアミラーの変更、オートライトコントロール追加、ASC(アクティブスタビリティコントロール)およびメーター内インジケーターの追加、電費モードの変更(JC08→WLTC)などを実施している。

軽商用電気自動車の三菱ミニキャブ・ミーブが一般販売を再開
▲ブレーキとモーターを制御することで姿勢の乱れを抑制してクルマの安定性を確保し、さらに滑りやすい路面で発進する際に車輪のスリップを防いで発進・加速をサポートするASCを設定
Writer:大貫直次郎

(提供:CAR and DRIVER