本記事は、ひろゆき氏の著書『無理しない生き方』(きずな出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
マジメに生きない
マジメな人は「便利な存在」
マジメな人は好かれますが、それは相手にとって便利な存在だからです。
会社で上司が仕事を振るときも、「退社時間が過ぎてるけど、30分ぐらい働いてくれるかな?」ってサービス残業を頼めるのは、マジメな人に対してです。
学校でもそうです。先生は30人の子どもを見なければならないため、遅刻しないで、授業中はおとなしくしていて、宿題もきちんとやってくれる子のほうが便利だから、マジメな子をほめるわけです。
でも、ここが大事なのですが、愛されるのはマジメじゃない人だったりするわけです。
たとえば、実業家の
それ以外でも批判されることも多いけど、なんだかんだ愛されています。堀江さんの本を買う人はいっぱいいるし、堀江さんのオンラインサロンにお金を払う人もいますよね。
みんなに愛されたいとか、ユーチューバーでファンを増やしたいとか、ミュージシャンでファンをたくさん増やしたいとかって、「マジメ」という属性だと、なかなか叶いにくい願望なんです。
教室でも人気者になる子って、おもしろいとか、かわいいとか、そういうタイプじゃなかったですか。つまり、愛されるのはマジメではない要素であって、マジメって、好かれるけど愛されないんです。
では、なぜ世間ではマジメであることが要求されるのか。
ぶっちゃけてしまえば、会社にしても学校にしても、マジメな人が多いほうが「便利だから」ってことに尽きるわけです。
それなのに、実際に会社で出世するのはマジメじゃない人だったりします。
たとえば、めちゃくちゃ遅刻はするけど、すごい仕事を取ってくるような奇抜な人だとか、エンジニアとしての能力の高い人なんかが出世したりするんですね。
会社や学校は「マジメなことに価値がある」とわざと誤解させて、マジメなことがひじょうに大事だ、みたいな空気をつくりますけど、結局、一生懸命マジメな人でいたって、会社でも学校でもなかなか愛されない。
だいたい、マジメを維持するのは大変ですよね。
眠いときでも時間通りに起きるとか、宿題を欠かさないとか、すごく努力してマジメというブランドを維持したとしても、そこまでするわりには報われないことが多いんです。
なので、世間でいわれていることをあまり真に受けないほうがいいと思いますね。
マジメと努力は違うもの
もちろん、マジメにコツコツ努力して、それで愛される人もいます。
でも、野球のイチローさんやダルビッシュさんなんかがそうですけど、自分のやりたいことを追求する努力家と、世間一般でもてはやされるマジメとは違うと思うんです。
自分のやりたいことに対して
でもそれって「マジメだ」とはいえませんよね。ダルビッシュさんなんか、努力家であることはたしかだけど、高校のときにタバコを吸っていたりもしたし。
世間は「マジメがいい」って絶対いってくると思いますが、世間の常識に自分を合わせてマジメに生きることを、僕はすすめられません。