本記事は、塚本亮氏の著書『努力が「報われる人」と「報われない人」の習慣』(明日香出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。

悩む・ビジネスマン
(画像=beeboys/stock.adobe.com)

努力が報われる人は自分に期待せず、報われない人は過信でパンクする。

ずっとがんばった就活で、一社も受からなかった。

トップ営業として皆を引っ張ってきたのに、ちょっとしたミスで左遷になった。

誰にも、行動した結果はコントロールできません。でもその結果をどう受け止めるかはコントロールできますよね。

「なんでもっとこうならなかったんだ」「もっとこうしておけば、うまくいったはずなのに」というふうに受け止めることもできます。

一方で、「まぁ今の自分ならこんなものかな」「自分がやることだし、ミスをゼロにすることは難しいよね」と受け止めることもできます。

ストレスになるのは前者です。

自分に対する期待値が高かったにもかかわらず、結果が予想よりも悪かったので、その差が大きいことをストレスに感じているのです。同じ結果でも、自分への期待値が低かったら「そんなもんだよね」と受け止めることができます。

自分がもっとできると思うから落ち込むのです。何があっても「自分はこんなものだ」「人生はこんなものだ」と思っていたら落ち込まなくてすみます

努力が報われる人は、このことを理解しています。

何も、自分に期待してはいけないと言ってるわけではありません。人は自分へ期待してしまうものだからです。もっとも大切なことは、目の前にある結果に落ち込んでいるのはなぜなのかを冷静に把握することだと思います。

捉え方によって、次のステップが変わってきますよね。

結果が悪かったとしか考えられないと、「次こそはうまくやる」「次こそはもっと良い結果を自分は出せる」というマインドにしかなりません。自分への期待が高いことに気付いていないから、ずっと苦しむことになっちゃうんです。

セルフ・コンパッションという言葉が心理学にはあります。

良い面も悪い面も含めて、あるがままの自分を受け容れることです。

セルフ・コンパッションが低い人は「こうありたい」「こうあるべきだ」という自分像に対して厳格なため、自分を追い込んでしまいやすいと言われています。うまくいかないことやしんどいことがあっても、自分に優しい言葉をかけることはありません。

そうすると、不安や怒りや悲しみといった感情に圧倒されてしまいます。(自分だけがしんどい思いをしている)(誰もわかってくれるはずがない)と自分を追い込んでは孤立してしまいがちです。

一方でセルフ・コンパッションが高い人は「こうであるべき」という理想を手放しているので、理想と現実の差を埋めるために、無理にあがく必要がありません。

あなたの家族や友達がうまくいかずに悩んでいるとき、ふつうはその人を批判け、状況や心情を理解しようとするはずです。

それと同じように、自分の心の声に耳を傾けて、自分がどう感じているのかをありのままに受け入れてみることです。

ひょっとしたら無理してがんばり過ぎてしまっているのかもしれないし、本当はもっとラクに生きたいのかもしれない。それなのに「このままじゃダメだ」と自分に追い込まれているのかもしれませんよね。

心がパンクしてしまっては、努力が報われることはありません。

なりたい自分像や目標を持ってがんばることは、素晴らしいことだと思います。

けれど、思うようにいくことばかりじゃありませんよね。

そのときに「自分はもっとうまくできるはず」「もっと上を目指せる」などと考えて自分を追い込み過ぎる必要なんてないのです。

「これも人生」「これがありのままの自分だ」と降参してしまいましょう。

追い込み過ぎているかもと感じたときは、セルフ・コンパッション。

セルフ・コンパッションが高まると、自分の周りに本当に大切なものがあることに気付けると思います。

ときには「自分に期待しない」でいいのです。

努力が「報われる人」と「報われない人」の習慣
塚本 亮(つかもと・りょう)
1984年京都生まれ。同志社大学卒業後、ケンブリッジ大学大学院修士課程修了(専攻は心理学)。
偏差値30台、退学寸前の問題児から一念発起して、同志社大学経済学部に現役合格。その後ケンブリッジ大学で心理学を学び、帰国後、京都でグローバルリーダー育成を専門とした「ジーエルアカデミア」を設立。心理学に基づいた指導法が注目され、国内外の教育機関などから指導依頼が殺到。これまでのべ6,000人に対して、世界に通用する人材の育成・指導、IELTSやTOEICの指導を行い、多くの受講生がケンブリッジ大学やロンドン大学などの世界トップ大学への合格を果たす。また、外資系や上場企業でビジネス英語研修を行い、資格試験からビジネス英語まで幅広く英語を指導している。
『IELTSブリティッシュ・カウンシル公認問題集』(旺文社)の監修をはじめ、『「すぐやる人」と「やれない人」の習慣』(明日香出版社)、『ネイティブなら12歳までに覚える 80パターンで英語が止まらない!』(高橋書店)、『世界のエリートを唸らせる 話すビジネス英語』『解くだけで思いのままに英語が話せる! ~ゼッタイ覚えたい英会話フレーズ100』(三修社)など著書累計100万部を突破。

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