本記事は、塚本亮氏の著書『努力が「報われる人」と「報われない人」の習慣』(明日香出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。
努力が報われる人は小刻みホウレンソウ、報われない人は一発合格を狙う。
上司からの指示や、取引先からの依頼……
さまざまな人からの依頼に応じて多くの仕事は進んでいきます。
そこには相手の期待値があります。その解釈について見誤ると、せっかくがんばったものが水の泡となってしまう可能性があります。
評価するのはその仕事の依頼主です。あなたではありませんよね。
依頼主の期待から大きく外れるものであれば、評価は高まりません。
上司から振られた仕事をうまくこなせなかった人の評価は上がるわけがありませんし、プロジェクトチームでの仕事がうまく進まなかったら、もう二度とチームに呼ばれず仕事を依頼されないこともあります。
美味しそうな写真に誘われて入店したものの、期待外れだったお店には「いやぁ次はないな」と再訪しないのと同じです。
「思ったものとは違うけどがんばって作ってくれたから、もうこれでいいよ」「不味いけどがんばってるからまた来るよ」とはなりませんよね。
一発で決まるコンペと違って、日常の仕事の場合はふつう、依頼されたことに対して、ちょっと取り組んでみて上司や取引先に方向性を確認することができます。
「こんな感じで進めていますが、これで良さそうですか」
「このペースで進めても問題ないですか」
と早い段階で確認するだけで軌道修正もすぐにできます。
格式高いレストランでワインをボトルで注文すると、ソムリエからホストテイスティングを求められますよね。少しだけグラスにワインを注いで、注文したワインに間違いがないか、そのワインに異常がないかをチェック。問題があれば別のものと取り替えます。
私が本を執筆するときにも、いくつかサンプルの原稿を最初に編集者さんに渡します。
内容のイメージが合っているか、文体は想定した読者に届くものになっているかなどを確認してもらってから書き進めていきます。
その後も「まず70点、80点くらいだと思う原稿をお渡ししますので、忌憚のないご意見をください」と話をして執筆にかかります。なぜならば、自分が思う100点と、出版社や編集者さんが思う100点は違うからです。
ろくに確認をせずに200ページを書き上げ、編集者さんのイメージと全く違うものが出来上がっていたとしたら、ほとんどを書き直さないといけないかもしれません。
めちゃくちゃ辛くないですか?一からやり直すのって。心が折れます。
仕事を依頼されるときに、鮮明に理解できる指示をもらえたら、それに越したことはありません。でも実際、アバウトな指示は少なくありませんよね。それにある程度はその時点で確認しておいても、いざ着手するといろいろと不安な点が出てくるものです。
正解は相手の中にしかないからこそ、こまめにすり合わせをする必要があります。
自分にとっての正解イコール相手にとっての正解だと思い込んで仕事をすると、「せっかく10時間かけてがんばったのに報われない」と切ない結果に終わってしまうのです。
努力が報われる人は、早い段階で相手に「こんな感じで進めていいですか」と確認をする。そして途中でもズレていないかを確認することで、ムダな努力を排除するのです。
とはいえ、多忙な上司に時間を割いてもらうわけですから、相手の都合を確認することは基本です。
また、あなたに指示を出した上司は、全体の進捗を見渡し、段取りを考えながら仕事を進めていることでしょう。
こまめに報告を入れておくと、あなたの仕事の進捗が把握できて、次の指示の内容やタイミングを具体的に考えることができます。手のかからない部下ですよね。
そういう意味でもこまめな連絡や報告は大切です。
早め、こまめにコミュニケーションをとってムダな努力を排除していきましょう。それが結果的にあなたへの信頼にもつながるはずです。
偏差値30台、退学寸前の問題児から一念発起して、同志社大学経済学部に現役合格。その後ケンブリッジ大学で心理学を学び、帰国後、京都でグローバルリーダー育成を専門とした「ジーエルアカデミア」を設立。心理学に基づいた指導法が注目され、国内外の教育機関などから指導依頼が殺到。これまでのべ6,000人に対して、世界に通用する人材の育成・指導、IELTSやTOEICの指導を行い、多くの受講生がケンブリッジ大学やロンドン大学などの世界トップ大学への合格を果たす。また、外資系や上場企業でビジネス英語研修を行い、資格試験からビジネス英語まで幅広く英語を指導している。
『IELTSブリティッシュ・カウンシル公認問題集』(旺文社)の監修をはじめ、『「すぐやる人」と「やれない人」の習慣』(明日香出版社)、『ネイティブなら12歳までに覚える 80パターンで英語が止まらない!』(高橋書店)、『世界のエリートを唸らせる 話すビジネス英語』『解くだけで思いのままに英語が話せる! ~ゼッタイ覚えたい英会話フレーズ100』(三修社)など著書累計100万部を突破。※画像をクリックするとAmazonに飛びます