本記事は、ゆうパパ氏の著書『ほったらかし投資FIRE』(SBクリエイティブ)の中から一部を抜粋・編集しています。

FIREのメリットを挙げてみた!

FIREのメリットを挙げてみた!
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さて、ここまで、日本でも多くの人がFIREという生き方に共感を示していること、そして、それはなぜなのかをお伝えしてきました。本記事では最後に「FIREをすることのメリット」をお伝えしていきたいと思います。

ここでお伝えしたいのは、FIREをすることのメリットは「金銭的な不安がなくなる」ということだけにとどまらず、それ以外にも数多くのメリットが享受できるということです。

結論から先にお伝えすると、私はFIREのメリットには以下の8つがあると考えています。

メリット(1)金銭的な不安がなくなる
メリット(2)時間に縛られない
メリット(3)人間関係に縛られない
メリット(4)場所に縛られない
メリット(5)仕事に縛られない
メリット(6)選択肢が増える
メリット(7)時間があるからこそ、別収入が作れる
メリット(8)入ってくる情報の質が高まる

メリット(1)金銭的な不安がなくなる

まず1つ目のメリットは、当然、「金銭的な不安がなくなる」という点です。

私自身、FIREして以来、毎月一定の金額が自動で入ってきています。何よりも「自分の資産が生活費を生み出してくれる」という安心感は、とてつもなく大きなものです。

私の実家は経済的に困ってはいませんでしたが、取り立ててお金があったわけでもありませんでした。たまにお金持ちの家の友達に会うと、お金持ち独特の余裕みたいなものを感じていました。一緒にいると自分の気持ちにも余裕が生まれて気持ちよくなれるのです。

それは代々培われた「お金があることの安心感」からきていたのかと、今、改めて思っています。よく「金持ち、けんかせず」と言いますよね。お金のある人は気持ちに余裕があるから、人間関係がギスギスしないしケンカにもならない、という意味ですが、真実を突いた言葉だなと思います。

そして、さらに私が安心していられるのは、選んだ運用方法にも要因があると思います。というのも、私が選択した資産運用の方法だと資産が生んでくれる生活費が減る可能性が極めて低いのです。それが配当投資です。

あくまで毎月自動で振り込まれる配当を収益とし、株の値動きには左右されづらいものですので、配当投資は心理的にも安定します。毎月、安定した収益が見込めるのです。

一方で、一般的によく紹介されているFIREの資産運用の方法、つまり「キャピタルゲインによる投資」や「インデックス投資」の場合は、「4%ルール」という考え方に基づいて、自分の生活費に充てていきます。

「4%ルール」はご存じの方も多いかもしれませんが、「年間の生活費の25年分の資産を貯めてFIREをし、FIRE後は毎年資産の4%を取り崩して生活費に充て、同時にその資産を年4%で運用していくことで、資産を減らすことなく生活できる」というものです。

例えば、生活費が月25万円だと年間300万円必要です。FIREを達成するには、300万円×25年=7,500万円の資産が必要になります。そして、FIRE後の生活では、7,500万円を年4%(年300万円の利益)で運用できれば、資産を目減りさせることなく「理論上」ではいつまでも運用収益で暮らせることになります。

しかし、これはあくまで「理論上」です。そもそも、その投資している資産は、必ずしも4%ずつ増えていくとは限りません。4%以下の年が何年も続けば、生活費の原資である資産は減っていきます。株価によって、生活費の原資となる資産が増えたり、減ったりするのですから、当然、心理的にも安定はしません。

真に「金銭的な不安がなくなる」状態になるためには、やはり配当投資によるFIREがベストなのです。

メリット(2)時間に縛られない

一番強く感じるメリットが、この「時間に縛られなくて済む」ということかもしれません。生活の原資が「労働」だと、否応なく時間に縛られてしまいますよね。会社勤めでなく自営業やフリーランスだとしても、必ず時間の制約はついて回ります。それがなくなるのが「完全FIRE」の状態です。

眠かったら好きなだけ眠れるし、やりたいことに思う存分、時間を使うことができます。

私には妻と小学生の子ども2人がいるのですが、2022年の夏は家族で3週間ほどスペインに滞在しました。モロッコの西側にあるカナリア諸島というところで、「スペインのハワイ」と呼ばれるほど気候がよく人気のある場所です。

常夏ならぬ「常春」と呼ばれていると聞きましたが、さすがに8月は暑かったです。アジア人はほとんどいなくて、多くがイギリスやオランダ、スウェーデンなどヨーロッパから来た人ばかりでした。特にイギリスの人たちからの人気が高いらしく、年間1,000万人訪れる観光客のうち、半分の500万人がイギリス人だそうです。家族でのんびりと過ごせて、最高に幸せでした。

FIREする前は家族で旅行をしようにも、私の仕事のスケジュールがなかなか調整できませんでした。今は私のスケジュールがいかようにも調整できるので、家族の時間をたくさん持てるようになっています。

上の子どもは日本の小学校で言えば高学年、下の子どもは中学年です。今は親の行くところについてきてくれますが、子どもの成長は早いのであっという間に自分の世界を持つようになり、そうそう親に付き合ってはくれなくなるでしょう。

子どもが親を頼りにしてくれる「今」という時間は二度と取り戻すことができない貴重な時間です。その大切な家族の時間をたくさん持てるというのは、本当に幸せなことだと思います。

思うに人間には本能的に「何かをコントロールしたい欲求」みたいなものが備わっているのではないでしょうか。FIREして以来、必然的にお金も時間も自分でコントロールできるようになったわけですが、そのことで「自分はこんなこともできるんだ!」と自己肯定感が上がったのを実感しています。

メリット(3)人間関係に縛られない

現在の私は、好きな人、気の合う人とだけ一緒にいることができます。これ、すごいことだと思いませんか?

実は私、人間関係で苦しんだ経験がほとんどありません。周りの人には本当に恵まれてきたと思います。一方で、「仕事がイヤでたまらない」という人の場合、ほとんどが職場の人間関係に悩まされていると聞いたことがあります。よく「人」という字は誰かと誰かが支え合っている姿を表しているとか、人と人の間で生きるから「人間」だ、などと言われます。それだけ誰にとっても人間関係は切り離すことができないものだということでしょう。

仕事に行くのが憂鬱になる人間関係がなかったというのは本当に幸せだったと思いますが、それでも今、この状態になってみると「あれ? もしかしてあの人に時間を奪われていたのかな?」と思うことがあります。

自分の話ばかり一方的にする人とか、何かと言うと人に相談ばかりしてきて、一向に自分で解決しようとしない人とか……。別に付き合うのがイヤとか、すごく嫌いとかではないけれども、実はこの人と関わらないほうが自分の人生にはプラスになるな、と思える人っていますよね?

イヤな人、嫌いな人なら明確に線を引いて距離が置けるけれども、イヤじゃないし嫌いじゃないし、いつも何となくそばにいるけど何となく付き合いづらいなと感じていた人との関わりが、実は煩わしかったのだと今になって思います。

そういう人との関係ってどうしていいかわからないですし、意外とこっちが気を使ったり時間を使ったりしてストレスになっているケースがあるんですよね。

そんな人間関係から解放されたというのは、すごく大きなことだったなと感じます。

メリット(4)場所に縛られない

これもFIREの大きなメリットです。マーケットにアクセスすることができさえすれば、世界中、好きな場所に移動が可能になります。

私の場合、子どもたちに英語を習得する環境を与えたいという思いがあったので、海外移住は最初から視野に入っていました。かつ、以前から夫婦で「いつかヨーロッパに住みたいね」と話していたので、実際に移住しようということになったのです。

ポルトガルは実は、国連でも「イングリッシュハイ」と呼ばれる、高いレベルで英語が話せる国の一つに入っているのです。ヨーロッパで、かつ子どもの英語教育にも最適な国。これが決め手でした。

ポルトガルに住むようになって、日々、「ここを選んだのは大正解だった」と思っています。海産物はおいしいし、物価もヨーロッパの中ではかなり安いほうだと思います。

治安のよさも思っていた以上でした。日本も治安がいいことで有名ですが、ポルトガルは世界平和度指数で日本以上の評価を得ています。夜中に女性が一人で歩いても全然怖くありません。国民性もすごくよくて、みんな親切にしてくれます。

ポルトガルにいつまで住むか、現段階では決めていません。子どもたちが日本に戻りたいと言ったら戻ってもいいと思っています。FIREは「場所に縛られない」からこそ、こういったことも、自分の好きなように決められるのです。

メリット(5)仕事に縛られない

今、定職には就いていないのですが、SNSでFIRE生活や投資についての発信をしていることもあり、いろんな仕事のご依頼をダイレクトメールを通じていただくことが多くなっています。

TwitterでFXの宣伝をしてくださいとか、仮想通貨についてこんなことを発信してもらえませんかとか、Kindleで出版しませんかとか、いろいろあります。基本的にそういうものはすべてお断りしています。

トータルすると9割くらいはスルーさせていただいているのですが、それでも自分の生活に影響が出ることはありません。本当にやりたいことだけを厳選してお受けできる立場になれたのはすごいことだな、と感じます。

書籍の出版も含めて、私がご依頼をお受けしたのはほんの数点だけです。一つは、アートの購入ができる会社のスタートアップの仕事。もう一つは企業情報の仕事で、その会社で働いている人の年収がわかったり、中にいる人のリアルな声が聞けたりする会社のスタートアップに携わりました。

その他、ポルトガルでのコロナの現状を聞きたいと、日本の大手テレビ局から取材依頼があったのでお受けしました。これくらいです。

いずれにせよ、全部「お金のため」ではなく、自分の興味とか関心のあることだけをお引き受けしているわけです。

生活のための仕事だったら、基本的にはお声がけがあったらありがたくお受けする、という立場にならざるを得ないですよね。「この仕事はあまりやりたくないけど、その次があるかもしれないし」とか考えてしまうと、なかなか断れないでしょう。

でも、自分の資産が生活費の原資となり、仕事をする必要のないFIREの状況だったら、本当にやりたい仕事だけを選べる自由があります。これこそがFIREの特権でしょう。

メリット(6)選択肢が増える

これもFIREの大きな醍醐味です。

私は仕事を辞める道を選びましたが、やりたければ続ける道もあります。あるいはあまり時間を取られない形でスポット的にやるのもアリですし、本当にやってみたかった仕事を始めるのもいいでしょう。あるいはアイドリング期間のような感じで、ちょっとした休息期間を設けるのもいいと思います。

基本的な生活費は自分の資産が原資になって入ってくるのですから、何をどうしようと自由です。

私の場合は、お金の使い方に関してが、最も「選択肢が増えたな」と実感します。子どものやりたいことや、家族一緒の体験に対してお金を使ってあげられるようになったのが一番うれしいです。

私自身、旅行が大好きなので、子どもたちにできる限り世界中のいろんな場所に連れていってあげたいという思いがあります。百聞は一見に如かず、ということわざがありますが、その通りだと思うのです。

インターネットでいくらでも情報が取れる時代ではありますが、やはりその場所に行き、風景やその場所の温度や湿度、におい、そこを行き交う人たちの様子などを五感を使って感じることで、初めて理解できることは多いのではないでしょうか。そうした経験の一つ一つが人生を豊かに彩ってくれるのだと思うのです。

2022年の夏休みは家族でスペインのカナリア諸島に行ったというお話を先ほどしましたが、現地で子どもたちがサーフィンをしてみたいというので、スクールに入れてサーフィン初体験をさせました。波に乗る体験はとてもスリリングだったようで、子どもたちは「またやりたい!」と今から言っています。お金があるからこそさせてあげられることです。

選択肢は多ければ多いほどいいというのは、誰もが知っていることです。でも、多くの人は選択肢を多く持っている人のことを見はしても、自分自身が「選択肢の多い人」になれるとは思っていません。

でもそれは大きな誤解です。あなたが「選択肢の多い人になる道」を選択し、必要なことを粛々とやっていけば必ず実現します。

メリット(7)時間があるからこそ、別収入が作れる

FIRE後は時間がたっぷりあるので、いくらでもマネタイズの構想に時間がかけられます。

FIREして仕事を辞めることができ、お金の心配がなくなったのに別収入の道を模索するというのは矛盾しているようですが、時間とお金の余裕があるからこそ、「こんなことをしてみたらどうだろう?」というアイデアがどんどん湧いてくるようになりました。

自分でブログを作るのもいいですし、他の人のプロジェクトにジョインしてそこで収入を得ることもできます。

例えば、SNSで集客をして自分たちのビジネスの売上を立てるというのは、今、とてもメジャーな方法になってきていますが、これをサラリーマンをしながらやろうとするとすごく大変ですよね。YouTubeなどは撮影はともかくとして、編集にとても時間がかかってしまいます。時間に制限のある人にはなかなか手が出しにくいでしょう。

その点、FIRE後は時間が自由に使えるので、腰をすえて取り組むことができます。金銭的にも余裕があるので、すぐに収入にはつながらない作業を積み上げることも可能です。花火のように打ち上げられてすぐに消えてしまうようなコンテンツではなく、長い収入につながるものはじっくり構想を練った上に成り立つのではないでしょうか。

人は成功を期待する生き物です。実際には成功しない確率のほうがずっと高いのに、ブログもYouTubeも、始めればうまくいくと考えてしまうのです。その期待のはしごを外されたと感じた途端、「もう続けられない」とやめてしまいます。切羽詰まっている人ほどそうなりやすいですね。「こんなに時間もお金もない中で頑張ったのに」という気持ちが先走って、大きな挫折感を味わってしまうのです。

しかし、時間の面でも金銭的な面でも自分に余裕があれば、始めてしばらくの間はお金にならなくてもいいか、という感覚で取り組むことができます。結果としてそれが思わぬ形で収入につながったという人も少なくありません。

メリット(8)入ってくる情報の質が高まる

自分がFIREをしてからというもの、同じくFIREをした方々や起業家の方々とのお付き合いが生まれました。何に驚いたかというと、その方たちが持っている「情報の質の高さ」です。すごく質の高い一次情報が飛び交う世界がそこには広がっていたのです。

「あのファンドの会社の人が、〇〇という企業に出資したよ」などと株式につながる情報はしょっちゅう入ってきます。また、以前、太陽光発電で成功し、リタイアした方にお会いしたことがあります。太陽光がそれほど利益の出るものとは知らなかったのでいろいろお話を伺ったのですが、月に90万円の利益を生むと知り驚きました。

最近お会いしたのは、Airbnbで大きな利益を上げているというポルトガルの方でした。その人がやっているのは予約受付だけ。清掃などの作業は全部外部の業者さんに委託しているのでほとんど手間がかからないそうです。

私はそれほど英語ができるわけではないので、このポルトガルで積極的に交友関係を広げようとしてはいないのですが、ヨーロッパや中東にいる日本の方が連絡をしてきてくれます。

2022年に入ってから多いのは、Web3.0と言われている領域の情報です。メタバースや仮想通貨、ブロックチェーンテクノロジーなどを指して言われますが、現在のところポルトガルでは仮想通貨の利益に対して税金がかかっていません。

それもあってか、リスボンがWeb3.0関連スタートアップの地としてとても人気になっているんです。そういう起業家の方がよく訪ねてくれますね。

FIREを達成できた人たちは、経済的に自立した人たちです。そうした方々は情報をキャッチするのがうまく、自分に余裕があるからなのか、こちらにも惜しみなく分け与えてくれます。ビジネスチャンスにつながるからというだけでなく、人としての在り方みたいなものも学ばせていただいています。

この8つがFIREのメリットです。どうだったでしょうか。FIREへの誤解が解けて、FIREを目指す人が少しでも増えてくれたら、こんなにもうれしいことはありません。

ほったらかし投資FIRE
ゆうパパ
24歳で3,000万円の投資詐欺にあい猛勉強したことがきっかけで投資を本格的にスタート。その後、投資家として活動。米国株の配当投資で30代でFIREを実現。2021年にはヨーロッパへ移住。
投資歴は 13年、60ヵ国の海外渡航歴など、世界を舞台に『時間とお金に縛られないFIREライフスタイル』を実現。しかし、TOEICは250点しかなく英語が弱点。
現在は米国株で豊かなライフスタイルを送る仲間を増やしていくため、次世代の金融教育にも力を注いでいる。SNSフォロワー総数約8万人のインフルエンサー。 Twitter、Clubhouse、Voicy などのメディアで『ゆうパパ』として活躍中。
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