この記事は2023年3月8日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2023年3月8日(水)の午後13時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。
現在の為替相場の傾向や相場観
昨日7日(火)日本時間24時のパウエルFRB議長の議会証言では、ターミナルレートの引き上げや利上げペースの加速を示唆する発言が確認され、米ドル/円は137円を突破。
今回の議会証言を背景に米金利先物市場では3月FOMCの利上げ幅を25bpから50bpへと引き上げられており、米ドル/円は上値を意識した展開になる。
ただ、明後日10日(金)の日銀金融政策決定会合や米雇用統計といったビックイベントを見極めたいとの思惑もあり、神経質な展開が続くだろう。
現在の為替相場の戦略やスタンス
力強い米経済指標とFOMCボードメンバーによるタカ派発言を背景にドル高は正当化されそうだ。日銀金融政策決定会合は緩和継続が示され無難に通過することが想定されるが、黒田総裁から最後に政策転換時期に関するヒントが飛び出す可能性も頭の隅に置いておきたい。
また、雇用統計は先月の結果が良すぎたため、ダウンサイドに警戒したい。1月分に下方修正が入る可能性があり、非農業部門雇用者数は前回よりも大幅に減少する見通しのため、ネガティブサプライズとなれば米ドル/円は過剰に反応するかもしれない。
しかしドル高要因を考慮すると沈み続けるイメージは描きにくいため、米ドル/円が大きく下振れた際には積極的に拾っていくオペレーションで臨みたい。
▽米ドル/円 の日足チャート
※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。