本記事は、ジュリー・スミス氏の著書『一番大切なのに誰も教えてくれない メンタルマネジメント大全』(河出書房新社)の中から一部を抜粋・編集しています。
強さの柱となる8つのもの
1. 故人との結びつき
愛する人を失っても、その人との結びつきや愛が終わるわけではない。喪失に適応するには、共に過ごした場所を訪れたり、お墓参りしたりするなど、故人を身近に感じる新たな方法を見つける必要がある。
2. 自分との関係
自己への覚醒の重要性に触れている。悲嘆を乗り越えるためにもそれが必要だ。自分の対処メカニズムを理解し、悲嘆の中にあっても自分の健康と幸福に配慮するために、できるだけ自分のニーズに耳を傾けよう。
3. 悲嘆を表現する
悲嘆を表現するのに正しい方法はない。静かな内省や追悼であれ、友だちと語りあうことであれ、こみ上げてくるものを感じ、表現することを自分に許そう。それは悲嘆の自然なプロセスだ。
4. 時間
悲嘆から抜け出すのにかかる時間を予想すると、自分を苦しめることになる。何もかもに打ちのめされるように感じるときには、無理に未来を見ようとせず、その日その日に気持ちを集中させたほうがいい。悲嘆に期限を設けて、自分にプレッシャーをかけると、苦痛と悲嘆がさらに強くなるだけだ。
5. 心と体
体と感情と思考と行動は、バスケットに編み込まれた籘づるのようなものだ。1つを変えると他のすべてに影響が及ぶ。したがって、そのすべてに配慮することが重要だ。定期的な運動、正しい食生活、社会的なつながりは、精神の強さが求められるときに、それを増強するのに役立つだろう。
6. 制限
周囲の優しい人たちが、これからどのようにやっていくべきか、いつ日常生活に戻ればいいか、いろいろ助言してくるときには、境界線を引くという基本的ツールを思い出そう。自己認識を構築しつつあり、自分のニーズに耳を傾けているのなら、自分にとって最も有益なことをするために、時には境界線を引き、維持しよう。
7. 決まりごと
人間は本来、予見可能性と冒険、規則性と柔軟性のバランスをとろうとする。喪失を経てメンタルヘルスが脆弱になっているときには、規則的な日常生活を維持し、運動や、社会との接触を保ってメンタルヘルスを守ることが大切だ。ただし、ある程度柔軟になって、悲嘆に暮れることも許そう。
8. 集中
自分の動揺を言葉で表現できないときは、自分の内側に注意を向け、体に現れる動揺を
まとめ
- 愛する人と死別した後、生活を再構築するには、時間と労力、そして忍耐が求められる。
- 特別な場所やお墓を訪れるなど、故人を身近に感じられる方法を見つけよう。
- そうしながらも、できる限り自分のニーズに耳を傾けよう。
- 悲嘆を表現する正しい方法はない。
- 悲嘆から抜け出すまでの期間を予測するのはやめよう。