銀行の種類

銀行は金融機関の中で最も身近な存在でありながら、種類が多く、選び方や使い方に悩んだ経験を持つ経営者も少なくないだろう。銀行の種類と特徴を表にまとめたので、参考にしてほしい。

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中小企業は取引する金融機関をどう選べばいいか?

事業を円滑に行うため、金融機関との付き合いは欠かせない。続いては、中小企業の経営者が取引する金融機関をどのように選ぶべきか、統計データも交えながら解説していく。

メインバンクは地方銀行が4割

帝国データバンクの全国企業「メインバンク」動向調査(2022年)によると、メインバンクの業態別シェアのトップ5は次の通りだ。

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全国企業を対象とした調査なので大企業も含まれるが、中小企業は日本の全企業数の99.7%を占めるため参考になるデータだろう。

メインバンクのシェアは地方銀行が4割で、圧倒的に多いという結果になった。地方銀行は地域密着でサービスを提供しており、地元企業にとっては心強い存在だ。一般的に、信用金庫や信用組合と比べて融資額が大きく、金利が低いのも魅力だ。また、都市銀行と比べて融資の審査にも通りやすく、担当者との距離も近い。

信用金庫と信用組合は、地域密着でサービスを提供する点は地方銀行と同じだが、地域社会の利益を優先する非営利法人という特徴を持つ。地方銀行よりさらに融資の審査に通りやすいのがメリットだが、金利が高くなることには注意したい。

信用金庫と信用組合の割合には隔たりがあるが、信用金庫が254金庫、信用組合が145組合と、数自体に隔たりがあることも関係しているだろう。

中小企業がメインバンクを選ぶなら、地方銀行や信用金庫、信用組合がおすすめだ。融資をはじめ経営に関する相談もしやすく、地域密着だからこそ親身に対応してくれるというメリットがある。

ブランドイメージの向上を目的に都市銀行をメインバンクに選ぶのもいいが、都市銀行は大企業や海外向けの事業に注力していることもあり、対応に不満を抱いてしまう可能性があることに注意したい。

都市銀行や地方銀行からネット銀行に変える動きも

同調査によると、実店舗を持たずにインターネット上で取引が完結するネット銀行をメインバンクにする企業が増え続けているという。ネット銀行のシェアは0.17%だが、社数では約2,500社に達している。ネット銀行に変更する前にメインバンクとして利用していた業態は、都市銀行36.45%、地方銀行26.17%、信用金庫15.89%だ。

コロナ禍で非対面のニーズが高まり、通信販売の利用者が急増した。ECショップの開設など、オンラインでの販売に力を入れたい企業は、メインバンクをネット銀行に切り替えるのも1つの選択肢かもしれない。

中小企業は2~3行を取引先に選んでいる

金融庁が2022年に地域金融機関等をメインバンクとする中堅・中小企業約3万社にアンケート調査をしたところ、取引金融機関数の分布は次の通りだった。2~3行と取引する中小企業が多いことが分かる。

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同調査によると、メインバンクの業態の分布は次のようになった。地方銀行が5割を超え、地方銀行と第二地方銀行を合わせると75%を超える。

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一方、非メインバンクの業態の分布は次のようになった。都市銀行の割合は、メインバンクでは3.0%だが、非メインバンクは8.1%にのぼっている。商品、サービスを提供するエリアによっては、全国に支店を持つ都市銀行の口座を開いておくと便利かもしれない。

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