金融機関から見た「付き合いたくない企業」5つの特徴
金融機関と良好な関係を築くためには、悪い印象につながる行動も知っておく必要がある。自分の行動が意図せず金融機関の印象を損ない、いざというときの融資を断られてしまうような状況は避けなければならない。
経営者ともなると、従業員や取引先から言動について指摘を受けることはほとんどないため、自分で省みる姿勢が大切だ。
1.金融機関を頻繁に変える
金融機関を頻繁に変えると、「何かトラブルがあったのでは」「問題のある会社なのでは」といった疑いを抱かせることになりかねない。最も利用機会が多いメインバンクは、よほどのことがない限り変えないほうがいいだろう。
実際に、金融庁が2022年に地域金融機関等をメインバンクとする中堅・中小企業約3万社にアンケート調査をしたところ、97.7%の企業が「メインバンクを変更していない」と回答している。
特に、借り換えは経営者を信頼して資金を貸した金融機関にとって大きく信頼を損ねる行為だ。融資条件や経営状況によっては借り換えを検討することもあるかもしれないが、安易な借り換えは避け、慎重に検討するようにしたい。
2.借入のときしか付き合わない
資金繰りが悪化し融資を受けたいときだけ金融機関に連絡すると、「困ったときだけ泣きついてくる」という印象を抱かせることになる。人間関係にたとえても、困ったときだけお金を借りに来る人に好印象を抱く人はまずいないだろう。
経営状況が良いときから小まめにコミュニケーションを取り、信頼を積み重ねてこそ、スムーズな融資が実現する。セミナー参加や目標達成への協力ができるとなお良いが、難しく考えず、会社の情報を開示したり支店を訪問したりするだけでも関係構築につながるだろう。
3.情報開示に過度に慎重
中小企業の経営者にとって、経営状況は懐事情にも近く、積極的に他人に開示したいと感じることは少ないはずだ。しかし、最低限の情報しか開示しないのは誠実な対応とは言い難い。
金融機関は、資金が不足したとき融資をしてくれる存在だ。金融機関の立場になると、情報開示に慎重な相手にお金を貸す際に不安になるのは当然だ。
金融機関が必要としている情報は躊躇せず開示するとともに、情報を先回りして開示するとなお良いだろう。
4.記載漏れが多く期限を守らない
金融機関は会社組織なので、担当者には上司がおり、社内には厳格に定められた手順がある。書類の記載漏れがあったり期限に遅れたりすると、担当者はその都度スケジュールを変更せざるを得ない。担当者の負担を増やしてしまい、何度も重なれば信頼関係は当然損なわれるだろう。
金融機関と気持ちのいい付き合いを続けるためには、お互いの仕事がスムーズに進むよう書類の記載内容や期限には注意を払おう。
5.ノンバンクから借入がある
消費者金融などのノンバンクから借入をしていると、金融機関から融資を受けられない経営状況なのではないかと疑われるリスクがある。
消費者金融は資金を受け取れるまでの期間が短く、気軽に利用できると感じられるかもしれない。しかし、金融機関との付き合いを考えれば慎重に利用を検討したほうがいいだろう。