この記事は2023年9月1日にSBI証券で公開された「【つなぎ売り活用も】30万円未満で買える9月優待銘柄」を一部編集し、転載したものです。
【つなぎ売り活用も】30万円未満で買える9月優待銘柄
日経平均株価は7/3(月)に取引時間中高値33,762円を付けた後、もみ合いの展開が続いています。好調な企業業績が下支え要因になる一方、米金利上昇懸念が上値を抑える要因となりました。ただ、9/4(月)米レイバー・デーを境に、外国人投資家の夏休みも明け、彼らが本格的に市場に戻ってくる可能性もあります。9月に入り、株式市場は上下に大きく振れてくるかもしれません。
ちなみに、9月は3月を期末にする企業にとっては上半期末にあたります。多くの上場企業は9月末付で配当や株主優待の贈呈対象となる株主を確定することになります。SBI証券の株主優待検索を基準とした時、株主優待実施を予定している銘柄は1,459銘柄です(8/30時点)。うち、9月に株主優待の権利が確定する銘柄は391銘柄で、3月の783銘柄に続き、年間で2番目に株主優待の権利が確定する銘柄が多くなっています(同)。
今回の「日本株投資戦略」では、9月に権利確定日を迎える「株主優待銘柄」についてご紹介します。上記したように、9月に株主優待の権利が確定する銘柄は多いので、「優待ファン」の投資家にとっては重要な月となりそうです。中長期的な投資スタンスの投資家にとっても、配当とともに着実な利益を確保することで、投資パフォーマンスの向上を図ることができそうです。
なお、権利付最終日に優待実施銘柄を買い、権利落ち日に売ることで、効率良く株主優待の権利獲得を考える投資家の方もいらっしゃいます。ここで注意すべき点は、買い付ける時の株価が予想外に高くなったり、売る時の株価が予想外に安くなったりなど、相当額の売却損がでてしまうケースです。配当取りも同様で、権利落ち日には配当実施分だけ株価が下がることが多くなっています。ノーコスト・ノーリスクで株主優待や配当を享受することは難しいでしょう。
それでも、コストやリスクを軽減して、株主優待の権利を確保する方法はあります。ひとつは、複数銘柄に投資をし、リスク分散を図る方法です。
もうひとつは「つなぎ売り」を活用した取引です。「つなぎ売り」で株主優待をお得に活用する方法については、SBI証券のWebページでご紹介していますので、ご参考ください。ただ、「つなぎ売り」をした場合、信用取引の「売り」により、配当調整金を支払う必要が出て、実質的に配当を受け取れなくなるなど、重要な注意点*(下記脚注の詳細参照)もあります。メリットとデメリットを十分理解した上でのご利用をお願い申し上げます。
なお、「つなぎ売り」をするためには、原則として「信用取引口座」の開設が必要で、信用口座の開設には一定以上の投資経験を持っていることが求められます。しかし、SBI証券では、取引経験がない方でも、申し込みが行える「はじめて信用™」のサービスを開始しました。このサービスのメリットのひとつに「リスクを抑えて株主優待を獲得できる」(つなぎ売りの活用)があります。関心のある方は、ぜひご検討されてはいかがでしょうか。
さて今回、「9月株主優待銘柄」として、ご紹介したい銘柄は、以下の条件により抽出された銘柄です。
(1)東証上場銘柄
(2)9月に株主優待の権利確定を予定する銘柄で、閲覧回数ランキング上位100銘柄(8/30時点)
(3)8/30(水)までの20営業日で、1営業日当たりの平均出来高が2万株以上
(4)投資金額が30万円未満で株主優待の権利を得られる銘柄であること
(5)株主優待の権利確保に必要な最短保有期間の条件がない
(6)9月決算企業の場合、第3四半期累計の営業損益が前年同期比で増益。3月決算の場合、第1四半期の同損益が同増益
(7)継続企業の前提に疑義が生じていない
(8)信用取引規制(注意喚起・日々公表は除く)が実施されていない(8/30時点)
(9)株価が100円以上(8/30時点)
図表の銘柄は、(1)~(9)の条件をすべて満たしています。
また、これらはSBI証券の「株主優待検索ページ」にて、閲覧回数の多い順番(8/30時点)で並べられています。
*重要な注意点 ~つなぎ売りを利用した場合の「配当金(現物と信用)受け払いの差額」~
※権利付き最終日の大引け時点でつなぎ売りをしている場合、現物については税金が差し引かれた配当金(配当金の約80%)を受取り、一般信用売り建玉については配当落ち調整(配当金の100%)金をお支払いいただきます。したがいまして、配当金の約20%の差額をお客さまにご負担いただくことになります。
※現物株式の配当金は、源泉税(20.315%)が差し引かれた金額で支払われます。
※一般信用売り取引の場合は、配当落ち調整金として配当金の100%をお支払いいただきます。
※権利付き最終売買日と権利落ち日をまたいで信用売建玉がある場合、権利落ち日に予想配当金相当額(予定配当調整金)をあらかじめ委託保証金現金から拘束させていただき、配当金が確定後に拘束金から支払いを行います。信用売建玉に対する支払予定配当金相当額合計(予定配当調整金合計)は、「口座管理」>「信用建余力」>「建余力・追加保証金」の「増担保・配当調整金」に表示させていただいております。
株主優待の一部をご紹介
カッパ・クリエイト(7421)
回転寿司店「かっぱ寿司」を全国に展開し、各種外食店をグループ化しているコロワイド(7616)グループの一角を占めています。
コロワイド(7616)は大戸屋(2705・定食)、アトム(7412 回転寿司、焼肉、ステーキ等)、レインズインターナショナル(牛角、温野菜)等も子会社としている外食グループです。その中で同社は、全国に回転寿司店305店舗を展開する回転寿司事業を主力(23.3期の売上構成比8割)とし、他にコンビニエンスストア向けに弁当・調理パン等を提供するデリカ事業を営んでいます。
24.3期1Qの営業利益は1.3億円で、前年同期の赤字3.5億円からは改善しています。人流の回復や新型コロナの「5類移行」等事業環境はだいぶ回復してきましたが、人件費や原材料価格の高騰等の新たな課題も発生し、店舗運営の効率化等を進めています。通期営業利益は15.8億円(前期は11億円赤字)が会社予想。配当計画は未定です。
9/27(水)時点で100株以上保有する投資家には、株主優待カードのポイント(1ポイント1円相当)3,000ポイントが付与されます。1,000株以上保有する投資家には、同ポイント(1ポイント1円相当)6,000ポイントが付与されます。2,000株以上保有する投資家には、同ポイント(1ポイント1円相当)12,000ポイントが付与されます。このポイントは、外食サービスに幅広く展開するコロワイドグループで利用(利用できない店舗もあり要注意)可能で、利便性が高いとみられます。
ご参考までに、親会社のコロワイド(7616)では同じ株主優待カードですが、9月の場合、500株以上で20,000ポイント付与となっています。
チムニー(3178)
「はなの舞」や「さかなや道場」等の飲食店を展開する企業です。フランチャイズと子会社含め、店舗数は全国507に上ります(23.3期末時点)。コロナによる行動規制の影響で、21.3期~23.3期までは営業赤字が続いていました。会社計画の今期(24.3期)営業利益は、7億円と黒字転化する見通しです。1Q(4-6月期)時点の営業利益実績は、1.9億円(前年同期は▲5.8億円)と堅調でした。直営店:313店舗、フランチャイズ156店舗、子会社店舗38店舗
▷ 9/27(水)時点で100株以上499株まで保有
①と②のどちらかが取得可能です。
①「株主様お食事券500円券×6枚(3,000円分)」
店舗での飲食代に加え、テイクアウトでも利用可能です。利用時の枚数制限等もありません。
②チムニーオリジナル「角力(すもう)カレー 4パック1セット」
ごろっと大きな牛肉が入った贅沢なレトルトカレーです。ほど良い甘さとコクがある上品なビーフカレーと謳っています。
▷ 9/27(水)時点で500株以上保有
①「株主様お食事券500円券×30枚(15,000円分)」 が取得取得可能です。
①を利用し、②または③にも交換可能です。
②500円×6枚=3,000円分 を利用して 「角力カレー 4パック1セット」
1セット分(3,000円)のみから、5セット分(15,000円)全てカレーに交換することも可能で、数量は自由に選べます。
③15,000円分 を利用して 「厳選ステーキセット(300g×2枚)」
グループ傘下の焼肉屋が厳選目利きした、こだわりの九州産黒樺牛のサーロインステーキです。
▽当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証プライム市場を中心に好業績が期待される銘柄・株主優待特集など、気になる話題についてわかりやすくお伝えします。