◉金を買う中国人の生の声
上記は現代の日本人の感覚からするとなかなか衝撃的なエピソードに思えます。
下記は私が実際に知人に聞いた、現代中国人の生の声になります。
1.金現物の販売者たちの生の声
「以前はお店にお越し頂いた消費者の方達は、多くの方が金の価格を尋ねるだけ、しかし最近いらっしゃる方は直接注文します。まるでスーパーでキャベツを買うようにお店に入ったら素早く注文しお金を払います。遅くなったら、誰かに先に買っちゃうと焦っているような様子でした。」
「実は毎年の4〜5月は閑散期なのです。しかし、今年のお客様数は最盛期の4〜5倍ぐらいです。数が多くの金買取専門店と銀行は金の在庫量が切れてしまいました。」
2.金現物を買ったおばさんたちの生の声
「誰がゴールドマン・サックスなのか私はわからない。とりあえず、周りの人達がみんな最近金価格が爆落したと言っているから、いま多めに買っておいて、将来孫に渡すとかで使おうと思う。」
「金の価格がいくら下落していくとしても、金は価値を持つ実物であるので、株式投資のような何も得ずに全てのお金がなくなったことがなく、不動産投資のような厳しい制限もありません。非常に良い投資商品だと思っています。」
◉金価格の推移と中国人が豊かになったタイミング
中国人がある程度裕福になり出したのは、1990年代から言われています。それ以前は、中国人の手元には余剰資金は少なく、投資に回せるお金もありませんでした。さらに共産党政権の下、投資という概念も認識されてなかったような状況です。投資について関心を持ってなかったのです。
しかし、1990年代以降は徐々に中国人も余裕を持ち始め、投資に関心を持ち出す人も増えてきました。
一方、金の価格は1990年代以降、基本的には上昇傾向にあります。そのため、中国人にとって、金は値上がりし続ける資産であり、値下がりはしないものだという思い込みがあります。だから、金価格が爆落したときは、より少ない予算で金が買えるお得なチャンスに見えるのです。
このようなことも、中国のおばさんが金購入に積極的に乗り出すようになった主な動機だと言われています。
参考:金価格の歴史的推移〜70年代から現在まで〜
以上、上記では中国人のおばさんが積極的に金を購入した背景をまとめてみました。
ただ、一部の専門家によりますと、金価格の決定は先物市場での取引が中心であり、実際に毎日世界中で取引されている金の量は極めて膨大なので、金現物買いの中国のおばさんたちが金価格に影響を与えることはほとんど無いだろうという意見も存在します。
また、メリルリンチのアナリストによると、金価格はしばらく反転上昇した後、大幅に値下がりする可能性もあると言われています。
今後の動向がどのようになるのか、見守っていきたいと思います。
BY S.S