最新の電子制御システムが扱いやすさを提供する
8Rは、ベースとなった8Sと同様に「スズキインテリジェントライドシステム(S.I.R.S.)」と呼ばれる電子制御システムを備えている。
その中のスズキイージースタートシステムは、スタートボタンを押すとスターターモーターが一定時間回転するシステムで、スタートボタンを押し続けることなくワンプッシュでエンジンがかかる。
クラッチを切ってギヤを入れるとアイドリング回転数が1000rpmほど上がる。これがローRPMアシスト機能で、エンジン回転数/ギヤポジション/スロットル開度/クラッチスイッチの情報から制御されていて、発進時や渋滞時の低速走行、Uターンした際などのエンジン回転の落ち込みを緩和してくれるのだ。
さらに8Rはスズキドライブモードセレクター(SDMS)で、エンジン特性をA/B/Cの3つの走行モードに変更できる。どのモードも最高出力は同一だが、
A(アクティブ)モードはスロットルレスポンスが最もシャープになり、すべてのスロットル開度で最大のエンジンパワーが得られるスポーツ走行向きの特性。
B(ベーシック)モードは中間のスロットル開度でAモードよりもスロットルレスポンスがマイルドになり、市街地やツーリングでマシンコントロールしやすい特性。
C(コンフォート)モードは全域でスロットルレスポンスがマイルドになり、ギクシャク感の減った滑らかな加速特性となる。
スズキトラクションコントロールシステム(STCS)は前後輪の速度センサー、スロットルポジションセンサー、クランクポジションセンサー、ギヤポジションセンサーの情報により、リヤタイヤのスピンを検出した際に速やかにエンジン出力を低減。路面の状況やライダーのスキルに合わせて3モード(+OFF)から、システムの介入レベルを選択できる。モード1が最もシステム介入度が少なく、モードの数字が大きくなるほど介入度が大きくなる。
これらの設定はハンドル左側のスイッチで行なう。MODEスイッチを押してトラクションコントロール(TC)/ドライブ(SDMS)から変更したいモードを選択。モードを選択したらセレクトスイッチ(矢印)で設定を変更できる。ボタンは節度感があり、グローブのままでも操作しやすかった。