こんにちは。

毎週木曜日に「富裕層のための保険講座」を連載しているNADです。普段はFP法人を経営し、主に富裕層の方達向けのコンサルティングを行っています。
前回は 富裕層のための保険講座vol3『法人における保険加入の方法とメリット』 と題しまして、法人として保険を上手く活用するための方法についてのまとめをお届けしました。

今回は、法人のオーナーでもある富裕層の方々にとって、加入するとよい保険と、なぜそう言えるのかという基本について簡単にお伝えしたいと思います。

富裕層とはいえ、基本的に遺族への保障や入院保障、そして引退後(老後)の準備ということがメインテーマとなってきます。それに相続ということを考え併せて生命保険というものを考えていく必要もございます。

【参考】

相続・承継でお悩みの方必見!大事な家族へ財産を残すための保険の活用法
新時代の保険セールスとは?~“本物”に選ばれる保険営業マンの3つの共通点~
国内系生保VS外資系生保~各々の歴史と戦略の攻防を振り返ってみた~

【富裕層のための保険講座】

富裕層のための保険講座vol1『3大オーナーの生命保険と税金』
富裕層のための保険講座vol2『主な生命保険とその特徴』
富裕層のための保険講座vol3『法人における保険加入の方法とメリット』


①遺族への保障


平成27年1月より相続税法の改正により相続税の基礎控除額が現在の60%となります。
これにより、今までほんの4%の方の相続にしか相続税がかからなかったのが、6%〜10%の方の相続に対して相続税がかかってくるという予想がされています。また、東京都内でしたら地価上昇もあり、20%〜30%の方の相続に対して相続税がかかってくると言われています。
ひょっとして一般のサラリーマンでさえ、その対象となるかもしれません。

こういったことからも、富裕層と言われている法人のオーナーの方は、相続対策ということに対してはナーバスにならざるを得ません。
生命保険の基礎控除は相続人1人あたり500万円、妻と子供2人家族で1500万円まで課税されません。また、相続前に財産を分散しておくことで相続税はより低くなります。

その方法として、毎年一定額を被相続人に資産を贈与していくという暦年贈与があります。そして、それにより生命保険契約をします。
相続人(妻や子供)を契約者、被相続人を被保険者(社長)、受取人を相続人となる契約です。暦年贈与したお金で保険料金を支払っていくという方法です。そうすることにより、もし、暦年贈与額が110万円以内なら贈与税の基礎控除内となり無税で財産を分散でき、相続時に発生するかもしれない相続税の準備も行うことができます。300万円を暦年贈与するとしたら300万円から110万円の基礎控除額を引いた190万円に贈与税最低税率10%をかけた金額を贈与税として払えばいいことになります。

また、もし、不動産が主な資産ということであれば、社長を契約者および被保険者、受取人を妻や子供にしておくことで、生命保険により相続税を支払うことができ、不動産をそのまま承継することができます。

なお、いわゆる中小零細の会社では、借入金の保証人に社長の妻がなっている場合が多くなっています。ただの保証人であれば、相続放棄や限定相続することでで負債から逃れられます。しかし、連帯保証人ということなら話は違ってきます。借入ということにおいては負債者の社長と全く同じ義務を負う、つまり妻は必ずその負債を返済しなければなりません。
このようなことからも生命保険の加入は必須になってきます。そして、この場合に有効な生命保険はやはり終身保険ということになります。終身保険ならば、契約者は解約返戻金が貯まっていれば、いつでもそれを利用することができます。