こんにちは。
以前、 国内系生保VS外資系生保~各々の歴史と戦略の攻防を振り返ってみた~ 相続・承継でお悩みの方必見!大事な家族へ財産を残すための保険の活用法 などの記事をお届けしたNADです。

今回より、定期的にZUU-ONLINEをお読みの皆様に向けて、「富裕層と保険」というテーマで連載記事を書かせて頂くこととなりました。
何卒、宜しくお願い致します。

初回の今回は保険というものへ理解を深めて頂くための概要をお伝えさせてください。
そもそも論ですが、保険というものは不思議な金融商品です。国は生命保険に対して他の金融商品と違い、税制面など様々な優遇制度を設けています。それはどうしてなのでしょうか?

【参考】

新時代の保険セールスとは?~“本物”に選ばれる保険営業マンの3つの共通点~
保険セールスの罠〜営業マンの「お勧め商品」は信頼できるのか?〜
保険営業の裏側解説vol1〜「4月の値上げ前に今加入した方が良い」は本当か?〜


◉保険という金融商品の特殊性


まず、冒頭の問いへの答ですが。戦後、生命保険を普及させる(生命保険会社の救済)措置が理由の一つだと言われています。しかし、現在では日本国民の90%が何らかの生命保険に加入しているという現状において、普及ということでは理由がなりたちません。

実際は以下のようなことだと思います。
家庭の屋台骨である世帯主を失った場合、遺族は公的な年金制度によりある程度の保障は受けることができます。しかし、そういった国の社会保障制度で全てを補うことには限界があります。
一般的に、世帯主が生命保険に加入していなければ、遺族は生活水準を低下させ無ければならないでしょう。また、子供の教育費の捻出もままならなくなります。そして、死亡とまでいかなくとも病気やケガの際にすべてを公的な健康保険で補うということも、同じようなことが言えます。

それは国家としても宜しくはありません。しかし、とはいえ上記のような事柄を解消しようとすれば、莫大な国家予算を必要とします。そういったことを回避するには、民間の保険会社に頼らざるを得ないことになります。
こういったことが、国の生命保険優遇の理由となっているのではないでしょうか。


◉保険の大きな優遇措置、税金


保険の何よりも大きな優遇策は税金でしょう。とはいえ、一般のサラリーマンがその恩恵を受けることと言えばせいぜい年末調整でよくて12万円の所得控除が受けられるくらいです。
しかし、大きな財産を相続する時や会社を経営していく上で、生命保険を上手に活用すれば、12万円の所得控除どころか何百万円、何千万円。場合によっては何億円もの節税も可能となります。

相続税法においても、保険金は相続人1人あたり500万円の控除が認められています。また、法人契約の保険料は一定の条件下ですが、損金として認められていることもその表れではないでしょうか。国税庁も税務署もこういった類の節税には、余程のものでない限り寛容になっているようです。
でないと、逓増定期保険や長期平準定期保険のような如何にも節税のためということが見え見えの保険商品など金融庁が許可するはずがありません。

【参考】

資産移転?節税?多くの法人が活用する逓増定期保険の選び方