万が一に病気をして仕事ができなくなったり、不慮の事故で家族の大黒柱が亡くなって家族の生活が脅かされたら、と不安に思う人は多い。一生懸命に生活をしていても、予測をしない災難に見舞われることがあるのが現実だ。
将来の誰にも予測できないリスクに備える有効な方法として、生命保険の加入が考えることができる。病気や死亡など、人生を左右してしまう不幸な災難に備えるため、保険契約者の本人以外にも家族を含めて納得の出来る生命保険を選ぶ必要がある。
初めて生命保険に加入する人は、その保障内容と、支払う保険料のバランスが自分の望むものであるか十分に吟味しなければならない。生命保険はいざという時に助けとなる選択肢で、基本的な仕組みを十分理解するだけで将来の人生設計に役に立つだろう。
目次
「付き合い」から、「自分自身」で選ぶ生命保険に
生命保険とは、人の死亡による損失を保障する契約だ。被保険者の年齢や健康状態等により生命保険会社はリスクを判断して、保険給付金に応じた保険料を契約者から聴取する仕組みである。保険としては、損害保険との区別がつかない場合が考えられるが、損害保険は自動車事故での怪我など、急に被保険者に損失が生じることを保障するものであり、生命保険との事故の内容を異にしている。
生命保険会社は、国内生保が安定した経営基盤を誇っていた。しかし日本版ビックバンによる規制緩和をきっかけに、損害保険会社や外資系の生命保険会社が日本国内で知名度を上げて販売実績を残している。更に最近では、対面販売の人件費が発生しない、保険料が割安のインターネット系の生命保険会社も登場しており、生命保険会社の数が増えている。
選択肢の増加による危険
契約者にとっては選択肢が増えて喜ばしいことだが、情報も増えており契約者自身のライフスタイルに合った生命保険を探す時代となっている。日本は保険大国と言われており、マーケットも成熟しているが、従来は知り合いの生命保険の外交員の勧めによって生命保険の契約をしていた現状もある。
知名度がある生命保険会社でも、新興の生命保険会社でも、多様な生命保険の商品が販売されており、先入観に囚われないで保障の内容と支払う保険料のバランスが取れた生命保険が選ばれている。
健康状態について
契約者は、健康状態について生命保険会社に申告をする必要がある。生命保険は、主に被保険者の死亡を保険事故として取り扱う。病気の可能性が高い契約者は死亡するリスクが高くなるため、生命保険会社は事前に被保険者に健康状態を申告するよう要請をする仕組みだ。
一般的な申告内容としては、一定期間に医師の診察や治療を受けたことがあるかと言う質問であり、死亡に繋がる大病の診断を受けたことが無いか、契約者が生命保険会社に申告する。これにより、契約者が健康状態について虚偽の申告をした場合に、生命保険会社が保険金の支払いを断ることが出来るようになる。
保険会社は、一般的な保険事故の確率を基に支払い保険金と徴収する保険料の内容を定めている。しかし健康状態に問題がある契約者が保険に加入をすると、生命保険会社は保険事故の確率が高い人間をリスクとして抱えてしまう。そのため事前に死亡の確率が高いとされる因子を有している契約者を除く制度となる。生活習慣に伴う告知は一般的であり、生命保険に加入したい契約者は自分の健康に問題が無いかコンディションを確認する必要がある。
生命保険の種類
生命保険の種類としては、死亡や病気など保険事故の種類と、保障期間の長さによって商品の内容が異なっている。保障期間が長い商品では支払う保険料金も高額となるため、死亡や病気といった保険事故が生じなくても、支払った保険料によって返礼される商品もある。
死亡保障は、終身保険に加え、一定の保険期間内に契約者が死亡した場合にのみ、死亡保険金が支払われる定期保険がセットされた終身保険が、最も一般的な内容とされている。契約者が死亡したときに支払われる死亡保険金では、契約者が無くなった際の家族へのダメージを最小化するために、一家の大黒柱が働き盛りの期間に限定して定期保険を特約として付保することになる。
医療保険も人気の生命保険であり、病気による入院の治療をした際に保険金が支払われる保障となる。また、生命保険の保障期間が満期の際に給付金の支払いがされる積み立て型の生命保険と、保障期間の満期で契約終了となる掛け捨て型の生命保険があり、掛け捨て型の生命保険の方が保険料は安く設定されている。
但し、掛け捨て型の生命保険料で保障を継続したい場合は、満期の際に契約を更新しなければならない。更新をすると契約者の年齢は当初より高くなっているため、更新ごとに保険料は高くなる傾向になる。生命保険は、保障と支払う保険料のバランスが契約者の希望に合っていることがポイントとなるため、積み立て型か掛け捨て型のどちらにするかは重要な選択となる。
価格だけでない、生命保険比較のポイント
生命保険の比較のポイントは、保障内容が希望するものになっているかどうかである。死亡や病気になった際に受け取る保険金が、自分の貯蓄やライフスタイルに合っているか検証しなければいけない。
公的年金制度も生命保険を比較するのにポイントとなる。例えば、会社員の一家の大黒柱が死亡した場合は、厚生年金と言った公的年金から遺族に対して年金保険が支払われる。死亡保障の生命保険の加入を検討する際には、公的年金からの給付額を確認して保障内容を設定しないと、重複した保障内容となるため注意が必要だ。
インターネットの生命保険会社とは
また、支払う保険料は生命保険会社ごとで異なるため、吟味して生命保険を選ばなければいけない。特に最近はインターネットの生命保険会社が登場して、割安な保険料で生命保険を提供している。生命保険会社は事業を運営するために、顧客から保険料を徴収するが、保険料は保険事故の際に支払う純保険料と、生命保険会社の人件費や事務費用などに充てる付加保険料に分けられる。
インターネットの生命保険会社の販売基盤はインターネットを通して構築されており、対面販売を実施している既存の国内保険会社より人件費が抑えられるのが特徴である。生命保険会社の事業運営にかかるコストが安く抑えられるので、顧客が支払う保険料も安く設定できる仕組みとなる。つまり、生命保険会社の事業運営によっては、保険料の設定に差が生じることになるので注意をしなければいけない。
各生命保険会社は効率的な事業運営をする必要があるが、顧客に対するサービスが充実しているかもポイントとなる。気軽に担当者に相談が出来る環境にあるのか、専任の窓口担当者がいるのか、カスタマーセンターの対応がスムーズなのかも検討材料となるので、口コミなどを確認する必要がある。
加入の際は所得税控除を忘れずに
生命保険の加入はライフスタイルに合わせて決定するものの、ほとんどの人が加入をしているのが現実だ。保険に加入することで万が一のリスクに備えることは一般的であり、安心して働き生活をすることに欠かせないものになっている。
生命保険の加入に支払った保険料の一部は、所得税控除の対象となる。納税者が支払う生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料を支払った際に受けられる所得控除を生命保険料控除と言う。生命保険料控除を受けるためには、納税者は支払った保険料の証明書を生命保険会社から受け取り税務署に申告する必要がある。
給与所得者の場合は、勤務先の行っている源泉徴収の年末調整の際に、生命保険料の支払いをした証明書を提出すると勤務先が代わりに所得控除の申請をすることになる。個人事業主の場合は、年度末に実施する確定申告書に生命保険料の証明書を添付して税務署に控除の申請をする。
生活に欠かせない生命保険料の支払いは所得控除される仕組みであると認識して、申告の時期に合わせて加入する生命保険会社に支払った保険料の証明書を発行することを忘れてはいけない。
生命保険選びに失敗しないためには
生命保険を選ぶ際の大きな失敗は、自分の希望に合わない保障内容を、高額な保険料で生命保険を契約することだ。自分の希望に合わない保障内容のミスマッチは、どのような保障事故で保険金が支払われるかを契約者がしっかり理解をすれば防ぐことができる。
病院に支払った治療費が先進的な治療費用であると公的医療保険の対象外となるが、生命保険の特約で先進医療特約が人気となっている。先進医療とは厚生労働省が定めた専門性が高い治療方法で、ガンになった際の陽子線治療などが挙げられる。先進医療特約は万が一に重い病気になった際の治療費用を負担する保障であるが、生命保険の特約では医療保険、ガン保険に付保されることが多い。
重複した保障により失敗した例
先ほどの陽子線治療の費用は200万円程度が一般的だが、ガンになった患者の全てが陽子線治療を受ける訳では無いのも実態である。生命保険の加入者の中には、テレビコマーシャルで放映され知名度が高い特約であるため、加入を検討した人も多いだろう。
だが加入している生命保険が医療保険とガン保険の場合に、それぞれに高額な保障の先進医療特約を付保するのは、重複した保障となり失敗と言える。どのような保険事故で保障がされるかを分からずに二つの特約に加入することで、負担するべきでない不要な保険料を支払っている状態だ。
どのような場合に保険金が支払われるのか、カバーする損害に対して適切な保障額は幾らになるか、重複した無駄な保険料を支払っていないか自分の望んでいる保険契約となっているか注意しなければいけない。保険料を支払い過ぎても、支払った保険料は返金されない。人任せで生命保険に加入することは控えて、自分の判断で加入の検討をしなければいけない。
生命保険見直しのポイント
加入している生命保険が自分のライフスタイルに合っているか、見直しをする重要性を認識して欲しい。無駄な重複補償や望んでいない保障などは、生命保険の加入を人任せにすることで生じる。契約者が年齢を重ねて、家族構成にも変更があるのが一般的であり、定期的に生命保険の保障内容を見直さなければいけない。生命保険会社も新しい保障内容の生命保険を販売しているので、商品のチェックもしたいところである。
積み立てか、掛け捨てか
これから加入を検討する人は、保険料を積み立て型にするのか、掛け捨て型にするのか選択をする必要があるが、双方の特徴を検証する必要がある。積み立て型は貯蓄機能を有する保険契約となっていることが多く、保険契約時点の保険料が継続するため保険料が増額されることは無いのが一般的である。若い年齢で積み立て型の生命保険に加入した人の特徴とすると、年齢を重ねた人より安い保険料が継続することがある。
一方、掛け捨て型の生命保険は一定の保障期間が満了すると終了となり、貯蓄機能は殆ど無い。但し、一定期間に保障を限定していることから、支払う保険料は積み立て型に比べて安く抑えられているのが特徴と言える。加入している生命保険の保障期間は望んでいる時期まで続くのか、保険料は支払い過ぎず適切であるかという基本的な考え方を持って検証すると、生命保険の見直しに役に立つかもしれない。
生命保険の種類は多く専門的な言葉が並べられており、加入する契約者は契約内容を検証するのに少し抵抗感を持つ人もいるかもしれない。しかしどんな事故の際に、どの程度の保障額が支払われて、それが自分のライフスタイルに合った補償であるかを、判断する必要がある。自分の生活の不安を書きだして、生命保険でカバーする必要があるかを検証するのが効率的な生命保険の選びの大前提となる。
また、多くの生命保険会社が存在しているので、自分の望んだ保障内容を決定した後は、支払う保険料が経済的で、サービスの口コミが充実している会社を探す必要がある。その際、保険の比較のサイトや窓口店舗を利用するのも便利だろう。万が一の事故に備える生命保険の加入は安心を生みだし有益であるので、自分の生活に合った生命保険を十分に吟味して選ぶ必要がある。
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