月5000円で安心の保険生活がおくるためには、社会保険の保障内容を踏まえたうえで、まずは公的な保障では足りないのかどうかを考えます。そして公的保障額だけでは不足するということになったら、追加でどのような保障が必要になるのかを検討しましょう。最後に、それらに優先順位をつけることで、本当に必要な生命保険が見えてきます。こうした手順をきちんと踏んで必要最低限の保障に絞っていくと、月5000円でも十分に安心は得られるのです。

(本記事は、藤井 泰輔氏の著書『 どんな家庭でも 生命保険は月5000円だけ 』かんき出版(2017年9月1日)の中から一部を抜粋・編集しています)

必要な保障を知り、生命保険に優先順位をつける

生命保険料,書籍
(画像=Webサイトより)

優先順位をお伝えすると、小さな負担で大きな効用が得られるという生命保険本来の機能と、その必要性から優先順位は「1.死亡保険」「2.医療保険(働けなくなったときの保険を含む)」「3.介護保険」「4.学資保険・年金保険」となります。

「死亡保険」については、定期保険などの掛け捨ての商品を選べばいいでしょう。「医療保険」については、自営業などで社会保険の保障が不足する人と、高額療養費制度での月額負担の準備すらもままならない人、どうしても医療保険をお守りにしたい人が、購入を検討すればいいと思います。医療保険はもらえる金額が限定的ですから、優先順位は年代にかかわらず死亡保険よりも下になります。

「介護保険」については、今の生活よりも老後を意識するような年齢になってからで十分です。「学資保険・年金保険」については、検討しようにも販売されている適切な商品がなくなっていますので、いわばランク外です。

利点多し! 都道府県民共済の実力

必要最低限の保障を確保するためにすべきなのは、「魅力がなくなった貯蓄性商品は購入対象からはずす」「自分や家族にとって必要な保障に優先順位をつける」「優先順位の高い保険種類に限定する」「同じ保険種類でもコストの安い商品を選ぶ」ことです。大手生保を中心に売られているセット商品は、お買い得感のない福袋のようなもので、定価の商品がただ同じ袋に入っているだけの商品です。バラで買えなければ、自分に必要なものだけを買うことはできません。

まず、基本商品の1つとして「全国生活協同組合連合会(全国生協連)」が運営する「都道府県民共済」をおすすめします。共済の利点は「1.ひと通りの保障がこの商品1つでそろう」「2.掛け金が均一」「3.掛け金(保険料)が安い」「4.割戻金があるので、実質負担は掛け金以上に安い」です。1は余計な保障が入っている、2は若い人には割高という弱点がありますが、月2000円という安い掛け金で、1年で締めて余剰金が出たらお金が戻ってくる相互扶助本来の目的がきちんと実現されていることが、推奨の理由です。総合保障型・入院保障型の割戻金の率は、2016年度の実績で平均31.92%です。

また共済の病気死亡400万円は、思いもかけず亡くなってしまったときの整理資金として使えます。日額4500円の病気入院の保障は、高額療養費制度の個人負担もままならない人、それに医療保険の必要性を捨てきれない人にも最適です。ただし都道府県民共済は、現時点で加入できない県があります。山梨、福井、鳥取、高知、愛媛、徳島、佐賀、沖縄です。また独身で医療保険に重点をおきたい人にも、ある程度の死亡保障のあるこの共済をおすすめします。

卸値で買える「団体保険」を利用しない手はない

みなさんが勤める会社、もしくは所属する組合などの団体が団体保険を持っているならば、まずはそれから検討してみてはいかがでしょう。団体保険を利用するだけで、保険料負担は大幅に削減できます。

団体保険なので、一企業とか労働組合、各種企業組合など団体の体をなすところが、その構成員のために契約する形になっています。団体定期保険には、構成員全員が対象のAタイプのものと、希望する人だけが任意に契約するBタイプのものがあります。したがって、所属する企業なり団体で、Bタイプのものを任意に契約できるのであれば、団体保険をぜひとも検討すべきです。

団体保険のメリット

  • 保険期間が1年で、保険料がとにかく安い
  • 家族も契約できる
  • 健康診断などの面倒な診査が必要ない
  • 商品によっては配当がある

団体保険のデメリット

  • その団体に所属している間しか契約できない(ただし、辞めても診査を受けずに個人向け商品に切り替えることが可能な保険会社もある)

団体保険の保険料は、都道府県民共済のように年齢にかかわらず一律のところと、年齢群団方式といって5歳ごとや、性別ごとに保険料を設定しているところがあります。当然、若い人にとっては一律の保険料は割高になり、年齢群団方式のほうが保険料負担は少なくなります。逆に比較的高齢な人にとっては、一律の保険料が割安で、年齢群団方式の保険料は高めです。中小企業にお勤めの場合も、企業が加入する商工会議所や商工会などの団体で団体保険の制度を設けているところがありますので、そこを経由して手当てするという方法もあります。

医療保険より、医療貯金をするほうが断然得

医療保険は支払われる「保険金」や「給付金」が数十万円、多くて100万円でしかなく、そうした金額をわざわざ保険で手当てするのはあまり合理的とはいえません。最近では入院した場合に1日いくら、手術をしたらいくらというような定額払いの医療保険だけでなく、健康保険などで補填されない分を実費払いする医療保険も出てきています。ですが、それらはかえって支払われる保険金の額が限定的で、保険の目的からは遠くなります。そうした医療保険に代わるのが「医療貯金」です。

医療貯金とは、実際そういう商品があるわけではなく、医療費は貯金で賄うという意味です。例えば、医療保険の保険料が月2500円だとします。1年間で3万円、10年で30万円です。もしその間に入院も手術もしなかったら、その分は当然掛け捨てで10年後には手元に1円も残っていません。それでは、毎月2500円ずつ貯金していったらどうでしょう。10年間の間に、入院や手術をしたときの30万円分の給付金はそれで確保されます。つまり、日額5000円であれば60日分です。そしてその間ずっと健康に過ごすことができれば、30万円は自身で自由に使えるお金になります。このお金を、安心のための備えとしてとっておけばいいのです。

藤井泰輔(ふじい・たいすけ)
株式会社ファイナンシャルアソシエイツ代表取締役。生保協会認定FP、DCプランナー、宅地建物取引士。一橋大学商学部卒業後、三井物産、生命保険会社勤務を経て、2000年に総合保険代理店、株式会社ファイナンシャルアソシエイツを設立。法人、個人ともに、常に買う側の立場に立った保険提案で顧客の信頼を集めている。