某外資系保険会社でセールスを担当しているNakoというものです。

今回から、ZUU-ONLINEに記事を掲載する事になりましたので、宜しくお願いします。
今後、主に保険業界、それも外資系保険営業の裏側についての話題をお届けしていく予定です。

1回目の今回は、近頃話題となっている生命保険の保険料の値上げについて、本当のところどうなっているのかについてお伝えしたい。
現在、2013年4月からの生命保険の保険料の値上がりが囁かれている。皆さんも、保険のセールスや銀行などの窓口の方から「値上がり前に契約を」と言われた経験があるかもしれない。

そもそも今回の騒動は、どういったものなのだろうか?


◉今回の"保険料値上げ騒動"の概要


昨今、保険料の値上げが囁かれているのは、保険料の原価を計算する際の指標となる標準利率の切り下げが予定されているためだ。

生命保険は、大きく二つの種類に分けることができる。

まず一つが定期保険や収入保障保険と呼ばれる、一般的な掛け捨ての保険だ。これは万が一に備えて保険料を掛け続けていくが、無事何事も無く過ごせた場合はお金は戻って来ない(戻ってきても非常に小額)保険だ。そしてもう一つは、終身保険や養老保険とよばれる解約返戻金、満期金などのお金が貯まる貯蓄型の保険だ。これは万が一に備えて保険料を積上げていくが、無事何事も無く満期を迎えた場合は満期金などのお金が返ってきて、利息がつく場合もあるので資産形成にも利用される。

参考: 生命保険を使った代替投資 その1

一般的に保険会社は顧客から預かった保険料を運用しており、運用による増加分=予定利率分を割り引いて月々の保険料を決めている。そして、この予定利率は通常、標準利率というものを参考に決められている。
またこの標準利率は、10年物国債の利率を参考に算出されている。そのため、昨今にみられる10年物国債の応募者利回りの低下により、標準利率は2013年4月1日より現行の1.5%から1.0%へ引き下げられることとなったのだ。

顧客からの保険料は標準利率に基づいた予定利率分割り引かれていたので、この標準利率切り下げにより保険料の値上げが行われるのではないかといわれているのだ。またその負担は、将来の払戻金などが発生する貯蓄型保険の方が、掛け捨て型の保険よりも重いといわれている。

(参考記事)

予定利率の改訂で2013年4月以降、保険料が値上がり!