②病気になった時の保障
1人の富裕層の周囲には多くの人たちがいます。もし病気で入院するとなれば、周囲にいる多くの人が見舞いに来ます。社長であれば多くの社員も見舞いに来ます。当然、個室での入院が必要になってきますし、その見舞い返しというものも多額になってくるというのが現実でしょう。
また、これは経営者に限りませんが、しかし、経営者であるならば、会社の運営の為にも早期に病気は治したいものですし、そうせざるを得ません。そうなると保険の適用していない高度な先進医療も必要となってきます。
例えばガン治療の先進医療である重粒子線療法なるものがありますが、これは公的な保険は適用されず、治療費は実費で300万円ほど必要となってきます。一般の入院費や、それに付随する費用は支払える資力があったとしても、さすがにこういった先進医療に対する備えというものは必要です。現在の医療保険には先進医療特約というものが付けられる保険が大多数ですので必ず付けるようにした方がよいでしょう。
また、中小零細企業の経営者ほど、その会社の売り上げが社長の働きに頼っているところが大きく、休業するとなれば会社の収入が減少するか、究極途絶えてしまうということも考えておいたほうが良いでしょう。そしてそうなれば、社長自体の収入も減少します。ですから、その為の休業補償という意味合いでも医療保険の加入は必要になってきます。
なおこの場合には、必要な保険は必ず終身医療保険です。これは一般家庭での理由と同じで、年齢を重ねるごとに入院の可能性は高まるからです。
③引退後の生活のために
これは法人の退職金制度が完備してあればほぼ問題はないのですが、なければ自分自身で準備しなければならないのは通常の自営業者と同じです。
また、そういった退職金制度があったとしても、ペイオフ対策として生命保険に加入しておいた方が有効だと思われます。
そして、この場合の保険としては終身保険および一時払い個人年金保険または一時払い終身保険ということになります。
これにより死亡時の整理に必要なお金が用意できます。一時払い個人年金保険や一時払い終身保険は資産の運用ということも兼ね備えています。
そして先に述べた相続対策に関連して、二次相続対策も必要になってくるでしょう。契約者を社長(父)、被保険者(子供)、受取人(孫)と契約者を同じく社長(夫)、被保険者(妻)、受取人(子供)という契約です。
この場合、社長(父または夫)が生存していれば、受取人は贈与税を支払います。この場合、保険金から支払保険料と基礎控除110万円を引いた額に課税されます。また、契約者である社長が被保険者より先に死亡すれば(この場合が殆どだと考えられます)解約返戻金相当額が相続財産として課税対象になります。
今回の話をまとめますと、実は富裕層とは言え、生命保険に対する考え方は一般的な方の例と変わりません。
ただ、大きな財産を所有するというプレッシャーは、一般の方に比較してやはり大きいのではないでしょうか。ですから、生命保険の加入というものはそれを緩和するために有効な一つの手段だと思うのです。
【富裕層のための保険講座】
富裕層のための保険講座vol1『3大オーナーの生命保険と税金』
富裕層のための保険講座vol2『主な生命保険とその特徴』
富裕層のための保険講座vol3『法人における保険加入の方法とメリット』
富裕層のための保険講座vol4『事業と家族を守るために富裕層の加入すべき保険の考え方』
富裕層のための保険講座vol5『3大オーナーの一角、ドクター保険の世界』
富裕層のための保険講座vol6「個人年金保険の種類と活用方法」
富裕層のための保険講座vol7「同じような保障でも保険会社で違う保険料金の仕組み」
富裕層のための保険講座vol8「生命保険の加入(販売)チャネルの比較とまとめ」
富裕層のための保険講座vol9「超優秀な営業マンの見分け方」
富裕層のための保険講座vol10「生命保険会社と保険業界の明日を占う」
BY NAD
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