QQE終焉のタイミングと、困難な出口戦略が最大リスクに

消費税率10%引き上げが2017年4月に先延ばしになったことで、日銀にとって出口戦略やそのタイミングが一層困難となった。原油価格下落の恩恵で、現状のQQEは当分続きそうだが、2%を達成してしまえば、QQEを終焉させることが必要になる。そのタイミングで日銀が国債買い入れ、ETFの買い付け終了を口にした時に市場が大きく反応し、最大のリスクになる可能性がある。


国債金利の上昇は国家の危機にも

消費税率が1%上昇すると税収増額は2兆円程度とされている。消費税が10%になっても5%時と比べて税収が10兆円増えるに過ぎない。しかし長期国債の利率は2%上昇しただけでも国が負担する国債利息は20兆円を超えることとなり、増税分すべてを吐き出しても足りない事態に直面することとなる。加えてそれ以上の金利上昇を示現することになれば、国の財政が危機的状態となる可能性は高い。


ささやかれ始めている「ハイパーインフレ」

日銀の1月末における資産総額は、すでに国内GDPの6割を超えており、今年中には7割を突破する見通しだ。国債のみならず、ETFやJ-REITなどのリスク資産を大幅に購入しているが、QQEの効果は残念ながら当初の目論みどおり現れていない。中央銀行自ら巨額の債務を引き受けて、これを解消するにはデフォルトを選択しない限り、ハイパーインフレしか手立てがないともささやかれ始めている。ハイパーインフレで借金を解消できるのかと思うが、実は日本は敗戦後、この手法で借金を帳消しにした事例がある。今すぐ現実味を帯びてくるわけではないが、ハイパーインフレがまんざら戯言に聞こえない状況なのだ。

この金融緩和を実行した安倍首相と日銀黒田総裁は2018年に退任が確定している。果たしてこのやり逃げ状態の責任を持つのは誰か。いささか心もとない段階になっていることだけは間違いない。

(ZUU online)

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