外貨準備は昨年末段階で11%減少
2003年以降毎年積み上げをはかってきたロシアの外貨準備高は2013年末で5096億ドルとされてきたが、昨年は頻繁な為替介入などもあり4540億ドルへと11%減少した。現状では決定的な状況にまで至っていないことは事実であるが、今後の原油価格次第ではさらに外貨準備高を減らすことになるリスクは継続している。
簡単にはデフォルトしないという楽観論も
一方で、ロシアの民間を含めた対外総資産額は1兆4700億ドルと対外負債額を上回っているため、依然として同国は対外純債権国であるとする見方もあり、さらにドイツをはじめとする欧州連合(EU)各国が何とかウクライナ問題でとりなした結果、最悪の事態は免れるのではないかとする楽観論があることも事実のようである。
実際欧州の株式市場と為替市場はギリシャの債務問題ではニュースがヘッドラインに踊るたびに乱高下を繰り返すこととなったが、ウクライナ問題とロシアの格下げにはほとんど反応しておらず、テールリスクとしての認識の低さが伺える。一時はプーチン大統領が政治的にデフォルトを画策するのではという噂も流れたほどだったが、現状ではそうした見方がかなり後退している状況だ。いまや市場は欧州中央銀行(ECB)の量的緩和(QE)スタートに再度注目が集まる状況となっている。
石油価格の動向がロシア経済回復の鍵
ロシアは国内総生産(GDP)の約3割、また輸出の約7割を石油ガス産業に依存する典型的な資源国となっている。したがっていったんは下げ止まりしている石油価格の動向次第ではさらに厳しい状況に追い込まれることも予想され、国債の格下げ以上に石油価格とルーブル価格の動向が現実的な問題ということになりそうだ。
(ZUU online 編集部)
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