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(画像提供=Knight Frank)

3月10日、英不動産コンサルタント大手のナイト・フランクから2015年版の「ウェルス・レポート」が発表された。同レポートは、金融資産30億円以上を所有する超富裕層の動向をナイト・フランクが調査して公表しているものだ。

17万2850人の超富裕層が約2496兆円を保有

「30億円以上もの超富裕層がいったいどのぐらいいるか?」という点では、現在、世界では17万2850人(前年比3%増)もいる。その超富裕層が所有する資産総額は20兆8000億ドル(約2,496兆円)という途方もない金額の一方で、世界の人口が72億9091万人として、ミリオネア(資産額約100万ドル=約1億2000万円以上)の人口比率が0.2%であるのに対して、超富裕層は0.002%という超狭き門である。

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2024年には日本は世界2位の超富裕層大国へ

地域別でみると1位が欧州で6万565人(全体の35%)、2位が北米の4万4922人(同26%)、3位がアジアで4万2272人(同24%)となっており、3地域で世界の85%を占めている。

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また、2014年から2024年の10年間で超富裕層の人口は34%増加すると予想されている。特筆すべきなのは、10年後の成長率としては、欧米の25%に対してアジアは48%と予測されており、世界の超富裕層の人口増を牽引すると見られている事だ。

国別で見た2024年のトップ5には、米国5万767人、日本1万9916人、中国1万5681人、ドイツ1万4481人、英国1万3176人と予測しており、トップ5に日本と中国のアジア勢2カ国が入った。

視点を変えて、人口10万人に対する超富裕層の人数を国別にみてみると、人口は少ないが富裕層が多くいる地域が見えてくる。1位はモナコで人口10万人に対しなんと574人、2位にも小国のルクセンブルグで同113人、3位にアジアのシンガポールが入り同68人だった、ちなみに日本は米国と同じ9位に入り同13人だった。なお、モナコが断トツで多い理由としては、優遇税制と比較的自由に移住できる環境条件があると説明されている。

東京は世界一富裕層が多い都市

次に都市レベルで見るとどうなるだろうか?ナイト・フランクは超富裕層にとっての重要な都市として、単なる超富裕層の人口だけでなく、仕事や娯楽両面からみた暮らしやすさを考慮したランキングを発表している。

同ランキングでは、1位はロンドン、2位ニューヨーク、3位香港、4位シンガポール、5位上海となりアジアの都市がトップ5に3都市もランクイン。東京は13位にランクされているが、単純な超富裕層の人口でいうと1位のロンドンに次いで2位となっている。また、超富裕層でなく、富裕層(100万ドル以上の資産)で見るとなんと東京は46万6000人で世界一の都市となっている。

一方、2024年の予測を見ると、超富裕層にとって重要な都市として一番成長率の高いベスト3は、シンガポール、香港、ニューヨークとなり、アジアの都市が大幅にアップする予想だ。結果として2025年では重要な都市トップ10に香港、シンガポール、上海、北京と4つのアジアが入ると予想されている。

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富裕層の懸念点は・・・

超富裕層の動向調査のため。世界中の500の銀行と富裕層アドバイザーに対し、彼らの顧客である超富裕層に関する投資内容やライフスタイル、慈善事業まで様々なアンケートを4つのカテゴリーで実施している。

1)富裕層が懸念していること
懸念している事の1位として85%の回答者が「ファミリービジネスの継承問題」をあげている。次に81%で「富裕税の増加の可能性」、「80%が政府による富裕層調査の増加」となった。

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2)慈善活動、買い物
富裕層の慈善活動についての調査では、22%が増加すると答えているが、若い世代の活動についてはどうかという質問については、45%が親の世代より多く慈善活動をすると回答している。

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その一方で、若い世代が親の世代より贅沢品にお金を使っているかという質問に対しては 約3分の2の66%が「YES」と回答した。

3)家や移住について

平均の超富裕層の23%の富は、投資でなく自宅かセカンドハウスのために使われているとの結果がでた。オーストラリアとアジアではよりその比率が高く30%になるという。また、超富裕層の約25%は2015年に新しい家を購入しようと考えている。移住については、オーストラリアとニュージーランドが4%しか移住したいと思ってない反面、ロシアや東欧地域では33%が移住したいと感じている。

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4)投資とコレクションについて
超富裕層の投資ポートフォリオにおいて、主流はまだ不動産であり全体の投資に対して約32%となっている。ただし、地域別では差があり、不動産に一番投資しているのはオーストラリアの42%で、中近東の40%,アジアの38%と続く、逆に北米が一番少なく24%だ。

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不動産以外の投資では、株式投資が2015による増加すると予測され、キャッシュや確定利付債、及び金などの貴金属に対する投資は減る方向だ。

一方で情熱投資(アート、ワイン、クラシックカー等の嗜好品)については、超富裕層の61%が興味を持っている。

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今回の ナイト・フランクの調査(PDF) は70ページにも及ぶ膨大なもので、他に超富裕層が投資ポートフォリオ、どんなものに消費しているか、悩んでいる事、移住、等多岐に及んでいる。日本の一般市民にはかけ離れた世界の話ではあるが、ますます2極化する世界経済の中で世界がどう変わって行くかを予測するうえで有効なデータとなりそうだ。 (ZUU online編集部)

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