起業は一人で考えていましたか?
友人の松本という人間と一緒に始めました。フリーランスとして独立していたとはいえ、まだプログラマーとして未熟だった部分があったので、JBRの上場後にシステム会社さんにアルバイトとして勉強をしに行っていました。そこで出会ったのが松本です。彼も勉強好きで、こてこてのコンピューターおたくです。当時IT系の勉強会ブームが東京で起こっていたのですが、名古屋にはないねという話を松本としていて。じゃあ名古屋でも作ろうと意気投合して、趣味で土日を使って勉強会を行っていました。そういった活動をしているうちにどんどん仲良くなり、一緒に会社を作ることになりました。
なぜ、Misocaを開発しようと思ったのですか?
Misocaは、古い言葉で月末という意味です。弥生会計さんは、企業が会計ソフトをフル稼働させるのが3月(弥生)が多いことから名付けられていますが、僕らもそれぐらいを目指そうということで、「月末の処理を楽にする」という意味を込めてMisocaと名付けました。
このMisocaのサービスは、「請求書を送るのが不便だから誰かにやってもらおう」というコンセプトのもと、開発されています。僕自身エンジニアということもあり、とにかく非効率で無駄な事が嫌いな性格です。本来の仕事に集中したいのに、やらなくてはいけない決まり事というのがどうしても苦手なんです。はじめ僕達はペーパーレス化というのを進めていて、お客さんへのプレゼンなんかはiPadで済むし、印刷しないならプリンターは要らないよねという話をしていたんですが、請求書だけはどうしても紙で送らないといけないという習慣がありますよね。紙である必要はないと思うのですが、相手の都合もあることなのでそれは仕方ありません。ですので、請求書の印刷の為だけにプリンターをオフィスから捨てられなかった時期もあったんですが、その無駄な状況が僕は嫌だったので、プリンターを捨てて、しばらくの間はUSBを持ってセブンイレブンに請求書を印刷しに行くという事をしていました。でも、それはそれで非効率だし、日付や金額などどこか一か所でも間違いがあると、もう1回コンビニに行かないといけない。こんな風に、請求書を印刷してわざわざポストに持っていくという仕事は、どんなに早くやってもそれだけで15分とか20分かかりますよね。こんな事を日本中の人がやっているんです。本当にこの時間がもったいないなと思っていて。この問題を解決するようなサービスを誰かがやっていないんだったら、自分たちでやろうと思い、開発したのがMisocaです。
実際にMisocaを使っている人達が請求書の発送の為にポストに行くという事が無くなったのは、とてもおもしろいと思います。そういう部分で皆さんに貢献出来ていると思うと、やはり凄くやりがいは感じますね。クラウド会計ソフトのfreeeさんやマネーフォワードさんとも連携をしているので、請求書の品目も自動で仕分けして記入されるようになっています。売上はMisocaで管理して、他の経費なんかはクラウド会計ソフトを使ってもらうのがいい組み合わせだと思います。