資金調達をするという決断に至った理由は何だったのでしょうか。
調達方法や金額については結構悩みました。特にうちの場合は受託開発をしていて、黒字経営も出来ていたので、そもそも必要があるのかという思いもありました。決断に至った理由としては、「自分たちが何をやりたいのか、何のために会社をやっているのか」を考えた時に、僕らがいい給料をとるために受託開発をやっているわけじゃない。やはり「自分たちのつくったウェブサービスを広げて世の中をよくしていきたい、そのために会社をやっている」という思いが強かったからです。そのためにどうすればいいのかという所から考えました。Misocaを細々と大きくしていく方法もあったとは思いますが、それだとやはり競合が出てきたときに負けてしまいます。また、僕らはエンジニアだけだったので、マーケティング方面を強く出来たという側面もあります。利用者数が増えてきてチャンスだという時に勝負をかけていかないといけないと思い、サービスの成長を優先させたという事です。
資金調達をして良かった事は?
資金調達をして良かったと思う事は、お金の心配が無くなったということと、僕が次の仕事を獲ってくる為の営業のコストが無くなったという事です。それに、お金がある事により、人の採用やマーケティング活動、サーバーの増強など、一気に出来ることが増えました。お金が増えると楽になるのかなと思っていたら、逆にやらなきゃいけないことが増えましたね(笑)。それまでは単に、お金がないから仕事をとるというフローだったのですが、オフィスも変わって人も増えて、一気に会社っぽくなりました。
資金調達を成功させる秘訣があれば教えて下さい。
プログラミングの能力が高くて既に価値のあるサービスをやっていたという自負もありますが、最終的にはVCさんに「この人たちはやり抜ける」と思ってもらえたからかなと思いますね。技術があって、頭がそれなりに良くて、経験があってというところまでは最低条件です。それに加えて、ビジョンをしっかりと持っていてこだわりがあるかどうかが凄く大事だと思います。ビジネスを行う上では辛い時が絶対にあるんですが、その人自身の強いこだわりで乗り越えられるだろうと思ってもらえるかどうかが大事かなと。単に儲かるからやっているというのが理由だと、儲からない時に仕事が嫌になってしまうと思います。ですが、ビジョンとこだわりを持っていれば、利益が出ない時も乗り越えていけます。チームでもそういう強さがあるかどうかは見られていると思っていましたね。
日本中の人が15分節約したら、それを合計すると膨大な時間になりますよね。僕みたいにこういう考えを持ちとにかく無駄な事を省いて効率化を目指す人間が、Misocaのようなサービスをやる事が大事なんだと思います。お金の為ではなく、好きで作るサービスですから。例えば、ファッションとかネイルに関するサイトを僕が作ることは出来るのですが、本当に好きなものじゃないとやはり続かないし、そういうサービスだと僕には投資してくれなかったと思います。