今回は2月7日に上場が予定されるヒューリックリート投資法人の概要についてまとめていきたいと思います。

まず、特徴・魅力を紹介し、次に上場に関する基本情報や投資先情報を紹介した上で、有力な投資先となり得るか、判断していきたいと思います。 ヒューリックリート投資法人の基本情報は以下をご参照ください。

【参考: 上場間近!ヒューリックリート投資法人は魅力的な投資先となり得るか?~初値・株価に期待集まる~

◉ヒューリックリート投資法人についての考察


ヒューリックリート投資法人とはヒューリック株式会社が設立した投資法人です。オフィスビルの賃貸事業を半世紀以上に渡って行ってきた同会社が健全な財務状況を維持しながら、不動産市場が活況を見せる現状で積極的に投資を進めるためにJ-REIT投資法人を立ち上げました。

同投資法人はヒューリックがスポンサーとなって立ち上げた総合型REIT(不動産投資信託)です。同会社はオフィスビルの賃貸事業を半世紀以上に渡って行ってきたこともあり、同会社のノウハウネットワークを活かせることが強みと言えます。

同投資法人の上場時の運用資産は、ヒューリック神谷町ビルを筆頭にオフィスビル・商業施設・有料老人ホーム・インフラ施、設など21物件(そのうち15物件がヒューリックへのマスターリースとなる)、取得価格ベースで1014億円となっております。

同投資法人の主要な投資先であるオフィスビルについてですが、2012年末からのアベノミクスの影響もあり、不動産市場が活発化し、オフィスビルの賃料水準の反転の兆しや、渋谷でオフィスビルの空室率が5.4%でほぼ満室になっているように、空室率が減少しています。以上のように好材料が多く、オフィスビルから更なる収益力の向上を見込めそうです。

また、景気回復から商業施設需要も回復してきており、これらは住居と比較すると景気に左右されやすいですが、アベノミクス期待・東京オリンピック招致などの景気上向き要素が強い今後の日本では有力な投資先と言えます。

有料老人ホームについては介護付有料老人ホームの内、利用月額料が市場相場の高価格帯に属するものに投資する方針を取っています。

同様に、インフラ施設は、総合通信事業者各社(NTT、ソフトバンク、KDDIグループ)が保有するネットワークを接続する役割を果たし、各種通信サービスを提供する施設のことを指しております。
これらの有料老人ホーム・インフラ施設への投資をする際には事業会社の方と長期契約を結んでおり、収益の安定化を図っています。

保有物件に関しては、最寄り駅から徒歩一分以内が37%、徒歩二分~三分以内に74%集積しており、駅近物件を多く保有しています。
オフィスビルや商業施設にとってテナント退去が大きなリスク要因ですが、この点、駅近物件を多く保有しているのは、安定したテナント需要を見込めるので魅力的と言えるでしょう。

また、魅力的な点として、保有物件の稼働率が98.9%と高水準を維持していることが挙げられます。上記のように駅近物件を保有していることがこの稼働率を支えているのでしょう。今後の景気回復局面ではこの稼働率が大幅に下落することは考えにくく、概ねこの高水準を維持していくでしょう。

これらと賃料から想定した予想NOI利回り5.1%となっており、分配金利回り予想が4.59%となっております。

(※NOI利回りとは、賃料収入から各種税金、管理費、修繕費、共用光熱費などを引き、それを不動産の購入価格で割ったものです。不動産の収益力を表しています。)

運航LTV比率を40~50%とする方針であり、実際の運航状況から再評価する必要はありますが、現時点での予想LTV比率が35.9%であり、これらの運航方針は守られると考えられます。これらの利回り・健全な財務状況を加味すると投資先の候補には十分なり得ると思います。

(運航LTV比率とは、総資本における負債の割合で、これが高まると収益が不安定化してしまいます。)

◉ ヒューリックリート投資法人のポートフォリオを分析


・ポートフォリオ

①エリア別

東京23区63%
23区外首都圏16%
京阪神10%
その他11%

ポートフォリオから見てわかるように、ヒューリックリート投資法人は首都圏集中型のREITですが、第二の経済圏である京阪神やその他全国地域の物件にも投資しており、地域分散が図っております。

②用途別

オフィス・商業施設 78% (東京コマーシャル・プロパティ)
賃貸住宅・有料老人ホーム・インフラ施設 22% (次世代アセット)

ヒューリックリート投資法人はオフィスビル・商業施設・有料老人ホームを三本柱とした総合型REITとなっております。

前述のとおり、オフィスビル・商業施設は景気に左右されやすい反面を持ちますが、長期契約によるテナント退去のリスクを低減を図っており、さらにアベノミクス・東京オリンピックによる景気回復の兆しはこれらの施設の需要を拡大させるでしょう。
これらの施設がポートフォリオの78%を占めていますが、景気の動向に左右されにくい賃貸住宅もポートフォリオに組み入れ、収益の安定化も図っています。

同投資法人のポートフォリオの内、注目すべきは有料老人ホームでしょう。
有料老人ホームを保有物件の柱とする方針を取っているJ-REIT投資法人は他にないので比較が難しいですが、高齢化が深刻化する日本においては今後、老人ホーム物件の保有も拡大していくと考えられることから、社会性に合致しており、魅力的だと言えそうです。

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