節目を迎えた異次元緩和

「2年程度」でデフレ脱却を目指すためにとられたのが異次元緩和であり、その目標達成が先送りされる中、マネタリーベースが予定通りに300兆円に乗る―ある意味の節目を迎えた印象が出てくる点は否めないだろう。今後、長期国債や上場投資信託(ETF)購入の是非、円安・ドル高是正問題、出口戦略などが改めて議論されるだろう。しかし、マーケットの声は明確で、引き続き、あるいは一層の金融緩和が求められている。

日銀による追加緩和が見送られた結果、失望売りにより日経平均が暴落したことは記憶に新しい。4月30日、日銀金融政策決定会合で、追加の金融緩和が見送られたことを受け、日経平均は暴落、538円という今年最大の下げ幅を記録した。


アメリカでは4カ月で倍増!

また、マネタリーベースが2年で2倍というペースについてだが、アメリカはリーマンショック後の2008年に、約4ヶ月という短期間で2倍に増やしており、その後6年間で5倍近くまで増やしている事実もあるため、アメリカから見れば、「小さく・遅い」可能性さえある。

量的緩和による弊害として最も心配されたのは、他ならぬインフレであるが、その指標である日本のコアCPIを見る限り、現実にはいまだにデフレ脱却さえ難しい現状がある。マネタリーベースが300兆台に乗り、「高所恐怖症的に」出口戦略を求める声が強くなると予想される中で、黒田日銀総裁や岩田副総裁らの信念が問われることになりそうだ。(ZUU online 編集部)

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