「IT革命」との標語が叫ばれた2000年前後以降、さまざまなビジネスシーンでIT機器の導入が進んできたが、IT活用のトレンドの一つは現在、「クラウド化」に移ってきていると言って差し支えないだろう。

このクラウド化には2つの側面があり得る。その一つが群衆(Crowds)と言う意味でのクラウドで、外部からの柔軟な 労働力の 調達を実現する一つの方法として注目を集めている。また、もう一つが、インターネットを「雲(Cloud)」に見立てて、ネットを通じて遠隔地のコンピュータリソースを調達するテクノロジーの一つとして、注目を集めている。特に顕著な動きがあるのがこの、「雲」の意味でのビジネスのクラウド化だ。

現在ではさまざまなIT企業が、クラウドコンピューティングの形態である SaaS、PaaS、IaaS などの形で、クラウドソリューションを提供しており、代表的な例を挙げれば、米ネット通販大手で書籍販売サイトの運営元でもあるアマゾンが提供するAWS、歴史ある米IT企業として存在感を示し続けている IBM の Softlayer、PC向けの基本ソフト・ウィンドウズで盤石な地位を築いたマイクロソフトの「Azure(アジュール)」などがそれにあたる。

IoT実現のためにモノに組み込まれたセンサーからデータを集めるが、巨大になることも実用化のネック。ビッグデータとも呼ばれる膨大なデータを取り扱う高度な処理能力や、コンピューター自身が人のように学んで、予測などを行う機械学習の機能提供が始まるなど、サービス内容も拡充を続けている。

この「クラウドコンピューティング」の活用がビジネスの現場にますます浸透してきている様子で、今回はその中から、クラウド化が、IoTの実現に重要な役割を担いつつあること、社内システムの効率化に拍車をかけている現状に迫る。