ネットショッピングはサイズ計測がネック

日本のEコマース市場は拡大を続けている。総務省の調査によると、2014年の国内の消費者向け電子商取引の市場規模は約12.8 兆円(前年比14.6%増)だ。

しかし、品目ごとの利用率にはばらつきがある。書籍、映像・音楽ソフトのEコマースの市場規模は8,969億円で、EC化率は19.59%。一方で、衣類・服装雑貨等のEコマースの市場規模は約1兆2,822億円だが、EC化率は8.11%だ。

また、情報通信白書によると、本やCDをネットで購入する人と、実店舗で購入する人の割合はほぼ同じだが、衣服をネットで購入する人は実店舗で購入する人の1/5しかいない。

別の調査では、ネットショッピングで衣服を購入した人の半数が、失敗の理由にサイズが合わなかったことを上げており、ネットショッピングでは実物の細かな寸法がわからないことが、利用の妨げの一因になっている。

この課題に対して衣料を取り扱う通販各社は、無料試着・無料返品などで対応し、売上を伸ばしている。通販各社にとっては、返品率を減らすことが、収益上の課題となるが、デュアルカメラが搭載されたスマートフォンが普及すれば、返品を減らすことに大きく寄与するだろう。


スマートフォンのデュアルカメラ化はネットショッピングを拡大させる

デュアルカメラが搭載されたスマートフォンで自分の採寸を行い、商品のデータと照らし合わせれば、返品を減らすことが期待できる。また、採寸データを活用し、商品開発に反映させることで、さらに返品を減らすこともできるようになる。

利用者にとっても、ネットショッピングでの失敗が減る。いまや、インターネットを利用する人の、約42%がスマートフォンを用いている。採寸→商品選択→決済までがスマートフォン一つで完結できれば、顧客体験を大きく向上させることができ、衣料品の分野でもEC化率が上がるだろう。

折りたたみ携帯電話の時代から、カメラ機能は生活やビジネスシーンにおいて大きな影響をあたえてきた。デュアルカメラを搭載したスマートフォンの普及は、これまでよりも更に大きな影響をあたえる可能性があるだろう。(ZUU online 編集部)

【関連記事】
日本への好感度を持つ国はベトナムと台湾がトップ―電通調査
日本人大富豪ランキング トップ20の顔ぶれはこれだ!
日経新聞・四季報などがネット上で全て閲覧可!?その意外な方法とは
ギリシャへの金融支援失効、IMF「債務返済されず」
NTTの上場を超えるか?ゆうちょ銀行、かんぽ生命、日本郵政の上場に迫る