歳出抑制:最大歳出項目の社会保障への切り込みができるか

国の一般歳出の約3割を占める社会保障の抑制が、財政健全化のカギを握っているのは論をまたない。社会保障については、2018年度までの社会保障費の伸びを1.5兆円程度に抑制するとの「目安」が設けられた。3年で1.5兆円、つまり年平均で0.5兆円程度に伸びを抑制する必要がある。

高齢化による自然増が毎年1兆円規模であることを考えると、実現には具体的な歳出抑制策あるいは国民負担増が実行されなければ目標達成は容易ではない。

「目安」であれ数値目標が盛り込まれたことは評価できる一方で、歳出抑制策や国民負担増は国民の痛みを伴う改革だけに反発は強い。骨太には外来患者の受診時定額負担の導入や高所得者への年金給付抑制などを検討すると明記されている。

ただ、これらは過去に検討され実現できなかったものなども多く、実行力が問われる。今後、経済諮問会議に有識者議員を中心とした専門委員を設置し、年内に工程表が作成されることになっている。具体的な工程表を作成する段階で、「目安」で終わらないよう、議論が加速されることを期待したい。

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