29日の東京株式市場は、ギリシャと債権団の交渉がまとまらず、デフォルト懸念が高まったことで、リスクオフの流れとなり、日経平均株価は、前週末比596円20銭安の2万0109円95銭で大引けとなった。
30日は、ギリシャ債務問題のデフォルト懸念は続いていたものの、前日の大幅安を理由に、自律反発狙いの買いが入ったことで、前日比125円78銭高の2万0235円73銭となった。個別銘柄では、ソニー <6758> が公募増資と新株予約権付社債での資金調達(4400億円規模)を発表したため、大幅安となった。
1日は、前日同様、ギリシャ債務問題は継続していたが、日銀短観の内容が良かったことで、国内景気回復期待からリスクオンの流れとなった。日経平均株価は、前日比93円59銭高の2万0329円32銭で大引けとなった。
2日は、米6月ADP雇用統計が市場予想を上回る結果となったことで、ドル円相場が円安方向へ振れた。外需関連株を中心に広く買われた結果、日経平均株価は、前日比193円18銭高の2万0522円50銭で取引を終えた。
3日は、週末要因やギリシャ国民投票を控え、リスク回避的な流れとなったものの、根強い国内景気回復期待から買いも入り、日経平均株価は、前日比17円29銭高の2万0539円79銭で今週の取引を終えた。
今週の株式展望
今週注目される経済指標は、6日発表の5月景気動向指数、米6月ISM非製造業景況指数、7日の米5月貿易収支、8日の6月景気ウォッチャー調査、FOMC議事録(6月16・17開催分)、9日の5月機械受注などである。また、5日にはギリシャの国民投票が控えている。
今週の株式市場で注目すべきは、引き続き、ギリシャ債務問題だろう。ギリシャはIMFより受けている融資を、返済期限の6月30日に返済せず、デフォルト状態に陥った。その結果、預金の引き出し制限が実施されるなど、混乱状態にある。
しかしながら、5日に予定されているギリシャの国民投票で、財政緊縮策へ賛成か反対かが決まるため、現在の混乱から、国民は、金融支援再開を希望することで、賛成に回ると見る。
だとすれば、リスクオンの展開が想定され、日本株においてもポジティブだろう。ただし、雇用統計の悪化から、ドル円相場の上値は重く、外需関連株に買いが入りづらいと考えられる。
また、テクニカル面では、週足ベースのボリンジャーバンドは、日経平均株価のローソク足の実体が1σ程度、週足14週のRSIにおいても、60%台後半と、過熱感はさほどみられない。
以上を考慮すれば、週初はギリシャ債務問題の進展から、買いが入るものの、為替が円高に推移することで、上値の重い展開が想定されることから、やや強気から中立程度が妥当と考える。ただし、ギリシャの国民投票が反対となれば、長く続くものではないものの、一時的な調整局面入りは避けられないだろう。(ZUU online 編集部)
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