愛犬(猫)家向けの住宅がにわかに脚光を浴びている。一般社団法人 愛犬家住宅協会による「愛犬家住宅コーディネーター」という認定資格も存在し、3,000人規模の人たちが受講しているという。大手ハウスメーカーも愛犬家をアドバイザーに入れながら「犬と暮らす住宅」を開発するなど、ビジネスチャンスが広がりつつあるのだ。

実は、ペット可能のマンションというのは従来から存在していた。例えば、賃貸マンションでは、空室対策や賃料アップ策として取り入れられてきた。しかし、ここ最近でペット可能マンションが再燃している背景がこれまでと変わりつつあるのだ、

以前は、子供がペットを欲しがるから犬(猫)を飼うという4人家族が主なターゲット像であったが、少子高齢化の影響を受けて、DINKSや高齢者といった層が、家族の一員として犬を飼うケースが増えてきている。

そのため、子供のペットという位置付けであった犬が、子供そのものに代わる存在になりつつあるのだ。つまり、家族のあり方が変わってきたことが要因としてあげられる。

多様化する飼い主向けサービス

このような流れに伴い、ペットビジネスも多様化してきている。従来のグッズ販売に加え、ペットのしつけ教室や食事教室、歯石取りセミナー、マッサージ教室といった飼い主向けのサービスも増えてきている。

家族の一員であるペットには費用を惜しまないという飼い主も少なくない。不動産市場においても、このような飼い主のニーズをとらえることで、相場より高い価格での分譲や賃貸が可能となっている。

一方で、相場より高い賃料で貸せるのであれば、ペット可能マンションは投資物件としても魅力が高い。そこでここでは、ペット可能マンションを投資物件としてみたときに、どのような設備をチェックすれば良いか、ポイントを5つに絞って紹介してみたい。

1.エレベーター

まず1つ目はエレベーターである。ペット可能マンションと言っても全ての住人がペットを飼うとは限らない。動物が苦手という住人がいる可能性もある。そのためペットを連れていることを外部に知らせる機能を持つエレベーターが備わっていれば、他の住民も安心して住めるため、資産価値は高いといえる。

2.足洗い場

2つ目は共用部のペット用足洗い場である。建物内に入る前に足洗い場が備わっているマンションは飼い主に好まれる。入居案内の際、ペット用の足洗い場を見せることで、成約への訴求力が高まってくる。

3.フローリング

3つ目は専有部内のフローリングである。これは傷がつきにくく、かつ、滑りにくい素材のものが良い。小型の室内犬は、室内で滑って脱臼することもあるため、床の素材は飼い主にとって重要である。また軽く雑巾拭きするだけで糞尿の始末ができる床材もポイントが高い。

4.消臭クロス

4つ目は専有部の消臭クロスだ。実は古くなったマンションをリノベーションするときに、臭いを取るという工事は最もコストがかかる。前の入居者が飼っていた犬の臭いが気になるという苦情が入るケースもあるため、消臭クロスは重要なアイテムと言える。

5.リードフック

5つ目はリードフックだ。リードフックは犬のリードを引っ掛けておく器具であるが、設置されている場所や個数が利用者のニーズに合致しているか注目したい。玄関先の外側や内側など、リードフックがあって、かつ便利な場所に付いているかどうか、利用者目線で確認するのが良いだろう。

ペット可能マンションはターゲットが明確

以上、ペット可能マンションの見るべきポイントを5つ紹介してみた。ターゲットを明確にした住宅は、今後、賃貸マンション市場で生き残る一つの有力な方法だ。なかでもペット可能マンションは今後も需要は伸びる可能性があり、投資物件として検討するのも面白いだろう。(ZUU online 編集部)

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