堀江貴文: 統合失調症の人はそんな自分を頭の中に4人持っていたりとかするのではないでしょうか。解離性人格障害とか。あれ、つくれると思うんですよ、もしかしたらもうできてるかもしれない。

林要: 「受動意識仮説」を唱えるロボット学者がいらっしゃいます。無意識の部分が自分意識のメインの担当で、意識している部分はあくまでサブの部分にすぎない。それで、我々が言葉をしゃべっているというのは、たまたま無意識の中で言語化できる部分だけを、言語化しているだけです。そういう考え方です。別の言い方をすれば、実は、自分の中では意識されるよりももっと多くの情報を処理しているということです。
この仮説をベースにすると、ロボットやAIが意識をもつことは全然できると思います。堀江さんがおっしゃる通り、繋がっている神経が違うことが人間との大きな違いです。その神経となるロンドンの監視カメラが繋がるのも当然あります。
ただ、結果として起きるのは、違う種類の「人間のような存在」ができるということです。それは人間とは全く同じではないですね。人間には生殖という本能があって、種を保存していきたいと感じます。
しかし、AIやロボットは生殖や増殖の仕方が全然違うので考え方も違ってきます。だとすると超える、超えないではなくて、違う存在がでてくる。それは私たちがグローバル化するにあたって、新しい黒人の方、白人の方の中でどうやってシナジーを産んできたのかというのをグローバル社会で問われてるわけですが、それと同じことで、もう1プレイヤー増えるだけではないかと思ってるわけです。

湯川鶴章: 他方で、人と同じものを作ろうという試みもありますよね。人間の脳をスキャンしてそのまま再現してしまおうとか、あるいは人間が何年も経験してきた進化をシミュレーションして、今の人間と同じものをつくれるんじゃないかという話もありますよね。そういうことをする必要があるのかはわかりませんが。

中野信子: そもそも脳が優れた器官だとは思っていません。脳は人々が苦しむ最大の元凶でもあるからです。なぜそんな苦しみの原因になっているかというと、先ほど生殖の話がありましたが、生殖をしなければならないからです。個体を犠牲にして子孫となる個体を生み出さないと種として存続できないから、なんとか折り合いをつけるために、個体を存続させるための理性であるところを麻痺させて生殖活動を行わせる。そういうことが哺乳類では起きるわけです。
しかし、そもそもロボットには必要がない。わざわざ人間の真似をしてそんな苦しい状態を生み出すような器官をミミックする必要がないといえばいいのでしょうか。まず、生き延びなければならない、そして次の世代を生まなければならないという2大ミッションが人にはあります。それを完遂するために何とか工夫しながら立てまししてきたような器官が脳ですから、何度も建て増しした田舎の旅館みたいなもので、あまり美しくない器官なんですよ。
わざわざその田舎の旅館みたいな器官をつくるよも、りキレイに設計したほうがいいんんじゃないでしょうか。 (ZUU online 編集部)

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